Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

おそろかには食わぬぞ

2012-07-23 00:15:00 | コラム
映画史上で最もスキンヘッドが似合う勘兵衛(=54年の『七人の侍』)がいっている、「このメシ、おろそかには食わぬぞ」と。

傭兵として雇った侍に報酬を払うことが出来ない、だからせめて腹いっぱい食ってもらおうと、米だけは沢山用意した。
しかしそのために、こんどは百姓の食べる米がなくなってしまった。

それでも空腹を堪え、米を差し出す百姓たち―それを知った勘兵衛の、感謝と覚悟のことばである。

このシーンが観たくて『七人の侍』を観返すのだが、
炊飯器を変えてからというもの、米が美味くてしょうがない。

それまで自炊で食べる米は決して美味とはいえず、自分は米さえマトモに炊けないのかと自己嫌悪に陥っていた。
そうか自分の料理センスがなかったわけではなく、炊飯器の問題だったのだなとホッとする。

5kg2000円以下の米でそーとー美味だと感じるのだから、高級ブランドの米だとどうなるのだろう、すげーな炭炊釜!!


そうやってパクパクパクパクパク食っていると太りそうだが、先日記したように、なぜか痩せ続けている。

現時点で5kg落ちたが、たぶん「おかず」が質素だからだろう。
卵焼き、あるいは目玉焼きと、
(生意気にも)フリーズドライの味噌汁、そしてキムチやらキュウリの漬物やら。

いままでコンビニ弁当ばかりだったから生ゴミの量も多めだったが、今月からは袋のサイズを小さくしてもよさそうなくらいコンパクトになっている。

米が美味いこととゴミの減量は有難いのだが、これ以上痩せるわけにはいかない。
となると今度は、炒めたり煮たりを覚えなきゃならんのか。

正直、ちょっと億劫だなぁ。


さて。
米を食うにも酒を呑むにも煙草をふかすにも映画の主人公を投影してみせる分かり易い映画小僧だが、それでもまぁ陽の投影だから笑って受け入れられる。

厄介なのは陰の投影で、
たとえば『天国と地獄』(63)を観て誘拐事件を引き起こしたり、
『タクシードライバー』(76)を観てレーガンの暗殺を企てたり。

そして米コロラド州の映画館で発生した銃乱射事件も、なんとなくそんな雰囲気が漂う。

なんといってもガスマスクだからね、『バットマン』の上映時に。
公開にあわせ、綿密な計画を練っていたのだと思われる。

サリエリのように己の凡庸さに嫌気が差したわけではなく、
21世紀のハリウッドを牽引するノーラン監督に恨みがあるわけでもなく、
むしろ熱烈に尊敬していたりするはずで、きっとヒース・レジャーを神格化しているのだろう、

確かにジョーカーはトラビスやジョン・ドゥ、レクター博士と同様、映画「内」では魅力的なアンチヒーローである。

映画が現実に影響を及ぼす力があるんだという「皮肉な」証明にもなる事件ではあるが、
問題は誰も得をしないことで、ノーランの来日まで中止になってしまった。


うーむ。

ときどき、こういう真のキチガイが現れるものだ、、、と一蹴することも出来るが、
この映画が懸命に創り上げたはずの世界観とマッチし過ぎていて、
この後味の悪さといったら、ない。


※あった、あった。
このシーンである。




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明日のコラムは・・・

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コメント (4)
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