とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

「さわやかに夏を」大谷康子さん

2013-06-13 23:24:24 | 社会人大学
第4回目の社会人大学は、ヴァイオリニストの大谷康子さんの登場である。社会人大学には16回連続だというから、もうお馴染みの人だ。愛器ピエトロ・グァルネリは305歳になったという。そして、ピアノ伴奏は榎本潤さんである。今年のコンサートも、素晴らしいヴァイオリンとピアノが奏でる音色に感銘した。

今回のプログラムは下記の通りだ。

エルガー/愛の挨拶
モーツァルト/ヴァイオリン・ソナタK.304
ドボルザーク/ユーモレスク
ドボルザーク/わが母の教え給いし歌
シューマン/アダージョとアレグロ
ブラームス/ハンガリア舞曲№5
    休憩
佐村河内守/無伴奏ヴァイオリンのためのシャコンヌより
アラール/椿姫ファンタジーより 乾杯の歌
サラサーテ/ツィゴイネルワイゼン

愛の挨拶から始まって、ユーモレスク、ハンガリア舞曲、乾杯の歌、ツィゴイネルワイゼンなどお馴染みの曲も多く、年に1回のクラシックコンサートを堪能した。


大谷さんのコンサートは、演奏だけでなくいろんなトークもあって楽しいのだが、今回はシューマン、ブラームス、シューマンの妻クララの三角関係の話が興味深かった。ブラームスはシューマンに師事することになったのだが、実は、シューマンの妻クララに恋していたのではなかったのかという話だった。ブラームスの曲には、クララをイメージさせるような部分がいくつもあるそうだ。ブラームスは14歳年上のシューマンの妻クララと知り合い、シューマンの死以降も、生涯に渡って親しく交流を続けたが、生涯独身を貫いたという。シューマンの最後の言葉は、「私は知っている」とクララに囁いたというが、何を知っていたのだろうか?なかなか意味深な最後の言葉だ。今も昔も、男女の仲は複雑なものだ。

さて、今回の大谷さんのドレスは社会人大学50周年を記念して新調したという可愛らしいデザインだ。最後のアンコール時には、観客席をぐるっと回って演奏してくれるので、思わず写真を撮らせてもらった。社会人大学の講師陣のなかでは大谷さんが、一番華がある。ヴァイオリニストは何で、こんなにも美人揃いなんだろう。



「笑う門に福」渡辺誠弥さん

2013-06-06 23:05:43 | 社会人大学
第3回目の社会人大学は、48歳でNHKのアナウンサーをやめ、飛鳥に住み宮司となった渡辺誠弥さんだ。飛鳥藍染織館の館長として、蕎麦を打ちながら、藍染めと土鈴を展示する民芸館を営んでいたというが、今年から拠点を室生に移され、『伽藍洞(がらんどう)』という民芸館をオープンしたそうだ。

渡辺さんの将来の思いは、地上は万葉集、地下は日本書紀といわれている飛鳥の地に飛鳥神話館を創館。神話の伝承、伝播の拠点化を図ることだという。

さて、講演の内容は藍染とか飛鳥の話はそれほどなく、いろんな話が取り留めもなく出てきて何を話したいのか今一よくわからなかった。元NHKアナウンサーだけあって話はうまいし豊富な話題で飽きることはなかったが、ちょっと焦点がぼけてしまった感が強かった。

最後に話されたいくつかの言葉が一番言いたかったことだろうと思い、それだけはメモった。
・思ったことは必ず形になる。思い続ければ、いいほうに向かう。
・明るく元気で素直にいよう。
・運は縁に支えられている(縁を大事に)。

「健康寿命を延ばす食事力」宗像伸子さん

2013-05-30 23:08:03 | 社会人大学
第2回目の社会人大学の講師は、宗像 伸子(むなかた のぶこ)さんである。東京都出身の管理栄養士で、食生活アドバイザー、(有)ヘルスプランニング・ムナカタ取締役社長などの肩書を持ち、健康を保つ食事の大切さをメディア、講演会、書物などを通して訴える活動を行っている。また、予防医学の普及のために、病院・クリニック・銀行のコンサルタント、大学講師をはじめ、栄養バランスを考える料理教室を開催するなど多方面で活動を行っている方だ。

管理栄養士ということで、健康寿命を延ばすための食事のとり方のお話がメインだった。まず第一は、減塩に心がけなさいという。ラーメンの汁は、全部飲まない。漬物や佃煮は少量に。ソース・醤油をかけすぎない。味噌汁は一日一杯に。加工食品はひかえる。といった項目がいろいろ挙げられた。この中に挙げられた内容は、結構思い当たることが多い。昔から、知ってはいることだが、なかなかそれを守れそうにはない。どうも、濃い味付けから薄味に慣れるのは難しい話だ。

そして、第二は減量することだという。栄養バランスの取れた食事を行う。一日三食決められた時間に食事を行う。早食いを避ける。外食や買い食いを控える。運送と食事を組み合わせる。趣味の時間を持つ。といったことで減量に励んだほうがいいという話だ。この話は、十分納得できるし、問題ない事柄ばかりだった。

つまり、“ただ食品や料理を口にする”“栄養を体内に収める”という一面でとらえるのではなく、食事のもつ意味、文化性、調理技術についてきちんと考え、食事の楽しさを再確認することが必要だという。そして、その実践によって、病気にならない体を維持するとともに、病気になっても、それに打ち勝つだけの対応力を身につけなさいという。すなわち、それが健康寿命を延ばす「食事力」だというお話であった。

講演では、いい食事や悪い食事の例がスライドショーで紹介されたが、夕食抜きで講演を聞いている身にとっては、どれも美味しそうに見えてしまう。見ているうちに、ますますお腹がすいてきてしまい、早々に家に帰り夕食にありついた。講演を聞いたら、今すぐに実践してくださいと言われたが、夕食もしっかり塩分の多い食事になってしまっていた。

「清く、正しく、美しく」古城都さん

2013-05-23 23:02:05 | 社会人大学
今年度第1回目の社会人大学に行ってきた。第1回目の講師は、元宝塚歌劇団月組のトップスターだったという古城都さんだ。月組では男役で活躍し、代表的な役は、「ウェストサイド物語 」の トニーや、「嵐が丘」のヒースクリフだという。残念ながら、宝塚歌劇には一度も行ったことがなく、女性の園というイメージがあって、敷居が高いと思い込んでいたジャンルだ。

講演の前半は、宝塚創設者の「清く、正しく、美しく」の考え方を団員全員が受け継いで現在に至っているという話や歌劇団に入ってから、いろんな苦労や努力をしてトップに躍り出たという話などを聞かせてもらった。ご主人は、俳優の故本郷功次郎さんで、現在はエンターテイメントスクールを主宰し、後進の育成や芸術の振興のための活動を続けているそうだ。

後半は、古城都オンステージとなり、3曲歌が披露された。1曲目は、お馴染み「すみれの花咲く頃」だ。宝塚歌劇団を象徴する歌であり、この歌は誰でも知っている。歌を聴きながらつい口ずさんでしまった。そして、2曲目は「5月のバラ」。いろんな歌手がカバーしているようだが布施明が歌っていたのは覚えている。3曲目は、あの名曲「マイ・ウェイ」だ。古城さんは、今年で70歳になるようだが、年齢からは想像がつかないほどのパワーある歌声にびっくりした。さすが宝塚の男役で何年もトップを張っていた方だけあって、声量は抜群だった。最後は、拍手が鳴りやまなかった。いつまでも、あんなふうにエネルギッシュでいたいものである。

報告:今年初めて、事務局長にあったので社会人大学のパンフレットにあった大道芸の不思議な写真のことを聞いてみた。写真自体は本物で合成写真ではないそうだ。ただ、実際に女性が宙に浮いているのではなく、二段になった鉄の椅子に二人が腰かけているらしい。衣服にうまく隠されているので仕掛けが見えないだけなのだ。
http://blog.goo.ne.jp/maduka/e/f8fd1c042dac52cb44df7963a6c7c9eb

2013年の社会人大学の募集案内が届いた

2013-03-28 19:36:56 | 社会人大学


今年はどんな先生の話を聞けるのかと気になっていた社会人大学の案内が先日届いた。
今年で創立50周年を迎えるということから、100名の講師をお願いしようという構想もあったそうだが、
あまりにも大変なことだし、100人も呼んでしまったら「社会人大学が終わってしまう」
と考え直して、例年通りの開講になったそうだ。
たしかに100人も呼ぶのは、とてつもなく大変だし、受講する方としても、全て参加するのはとても無理だろう。
今後も続けられるよう、局長はじめ事務局に負担がかかりすぎない程度で活動してほしいものである。

さて、今年のテーマは、「文化を学ぼう」だという。
《書く、読む、見るの文化が衰えていく、それを食い止めようと過去の世代の文化の再現に努力している人たちがいる。》

このテーマに因んだ講師陣は下記の通りだ。

1回:元宝塚歌劇団月組主演 古代都 「清く、正しく、美しく」
2回:食生活アドバイザー 宗像信子 「健康寿命を延ばす食事力」
3回:伽藍洞店主 渡辺誠弥 「笑う門に福」
4回:ヴァイオリン奏者 大谷康子 「さわやかに夏を」
5回:永井画廊代表 永井龍之介 「美術を身近に」
6回:評論家・拓殖大学国際学部教授 呉善花 「韓国人と日本人~その本質を探る~」
7回:落語家 古今亭志ん輔 「泣き笑い」
8回:静岡文化芸術大学学長 熊倉功夫 「日本人のマナー」
9回:東京医科歯科大学名誉教授 藤田紘一郎 「125歳まで元気に生きる 病まない ボケない 老いない 腸健康法」
10回:ノンフィクション作家 沖藤典子 「元気よく機嫌よく老い迎え」

お馴染みの大谷康子さんをはじめ、昨年に引き続き古今亭志ん輔さん、藤田紘一郎さんは、事務局長のお気に入りの講師陣である。熊倉功夫さんも一昨年来ていたはずだ。また、新たな講師として登場した韓国籍の呉善花さんや元宝塚ジェンヌの古代都さんもどんな話が聞けるのか期待が高まる。早速申し込みをしようと思っている。

ところで、パンフレット写真の二人、北イタリアでの大道芸だというが、棒一本で宙に浮いているような女性に驚いた。仕掛けを見つけようと20分ほど周りを歩いたそうだが微動だにもしなかったというから恐れ入る。

2012社会人大学卒業式

2012-11-17 23:36:15 | 社会人大学
社会人大学に参加するようになって今年は4年目である。今年も4回目の卒業証書と皆勤賞をもらうことになった。
今回は、静岡市のあざれあホールが会場である。浜松教室のメンバーで雨の中、会場に向かった。


静岡教室、島田教室、浜松教室の順番で卒業証書と皆勤賞の授与が行なわれた。


今年の皆勤賞の記念品は、直木賞作家で講師として講演もされた出久根 達郎(でくね たつろう)さんの色紙だった。朝顔の絵と「朝顔 素顔 笑顔でお早う」と書かれている。


そして、卒業式の記念講演は、1986年:内閣官房首席内閣参事官(現在の内閣総務官にあたる)を勤め、昭和天皇の崩御による「大喪の礼」や今上天皇の「即位の礼」に関係する一連の行事を、官僚の事務方として指揮。その後、1995年から内閣官房副長官 を8年7ヶ月にも渡り勤めたという、歴代最長の在任記録保持者である古川貞二郎氏だった。在任中はアメリカ同時多発テロ事件直後に、内閣にイラク攻撃の米軍支援のため、日本の自衛隊艦船(イージス艦)を戦争域内に派遣するための具体的方策策定のためのプロジェクトチームを作ったり、現総理大臣官邸整備事業を取り仕切ったという霞ヶ関のトップ官僚だった人である。


講演の内容は、「皇族はどうなるのか」という話で、現在の皇室が抱える問題点を話された。つまり、現代日本社会が抱える少子高齢化という現象は皇族にも押し寄せているというわけである。現在の皇族は天皇を除くと21名だが、高齢化、晩婚化で皇族の血がいずれ途絶えてしまうかもしれないという事が危惧されている。皇室典範では、天皇になれるのは男子と定められており、皇太子殿下や秋篠宮文仁親王殿下に男子の子供がいないという事で、現在の皇室典範を改正する必要に迫られているのだがなかなか論議が進んでいないという。女性天皇あるいは女系天皇を容認するかも、いろんな意見があってまとまっていないという。権力はないが権威がある象徴としての天皇制は、世界の中でも残していきたい日本の文化でもある。ただ、日本人としては皇族の話をむやみやたらにいえないという空気もあり、結論を出すのはなかなか難しい話である。講演でも、そのあたりをどうすればいいと言う話までは言及されず問題提起で終わったような感であった。

卒業式が終わり、打ち上げパーティー会場に移動する。パーティーでは抽選会があり、私は今年もワインが当たり家へのお土産が出来た。
その後、安木節のどじょうすくいや南京玉すだれの余興等で楽しませてもらった。


最後は、カラオケで懐かしい「青春時代」や「若者たち」を歌って終了となった。ただ、みなさん自分の姉や兄の世代の人が多く、選曲も一回り世代が上かなという印象だ。もっと自分と同世代の人たちが増えるといいなと思った。



歌舞伎鑑賞会「通し狂言 塩原多助一代記」

2012-10-23 22:38:18 | 社会人大学


社会人大学の野外講座として、今年は歌舞伎鑑賞会に参加した。バレエ、文楽、歌舞伎と3回あったが、日程の都合がついたのは歌舞伎だった。歌舞伎を見るのは、今回で3回目である。長い話だったが、涙なくして見られないシーンが多くついつい話にのめりこんでしまっていた。

「塩原多助一代記」はもともと幕末から明治に人気を博した噺家(はなしか)・三遊亭円朝が人情噺として高座で取り上げたものだ。歌舞伎では五代目尾上菊五郎が一八九二(明治二十五)年に歌舞伎座で初演した。戦前は六代目菊五郎、初代中村吉右衛門らが多助を演じたが、戦後は一九六〇(昭和三十五)年に二世尾上松緑が演じたきり、途絶えていたという。今回、五十二年ぶりに復活した演目であったということだ。

公演の詳細は下記の通り

《国立劇場十月歌舞伎公演》

通し狂言塩原多助一代記(しおばらたすけいちだいき) 六幕十一場
                  
   序  幕         上州数坂峠谷間の場   
   二幕目  第一場   下新田塩原宅門前の場
         第二場   同 奥座敷の場
         第三場   沼田在田圃道の場
         第四場   同 庚申塚の場
   三幕目  第一場   横堀村地蔵堂の場
         第二場   同 裏手の場
   四幕目         神田佐久間町山口屋店先の場
   五幕目         昌平橋内戸田家中塩原宅の場
   大 詰  第一場   本所四ッ目茶店の場
         第二場   相生町炭屋店の場

(出演)
 坂 東 三津五郎
 中 村 橋 之 助
 中 村 錦 之 助
 片 岡 孝 太 郎
 中 村 松   江
 坂 東 巳 之 助
 中 村 玉 太 郎
 上 村 吉   弥
 河原崎 権 十 郎
 坂 東 秀   調
 市 村 萬 次 郎
 市 川 團   蔵
 中 村 東   蔵

坂東三津五郎が、東京・国立大劇場で上演中の十月歌舞伎公演「通し狂言 塩原多助一代記」で主人公の多助と悪党・道連れ小平の二役を早替わりで演じている。多助は江戸時代に実在した人物(塩原屋太助)で多くの苦難を乗り越え江戸屈指の炭商人となった。立志伝中の人物として昔は芝居や講談でよく取り上げられたが、戦後は忘れられ、歌舞伎としては五十二年ぶりの復活。三津五郎は「古くさい物語と思われがちですが、多助は近代的でユニークな発想の持ち主。全身全霊で命を吹き込み、現代によみがえらせたい」と意気込む。 (東京新聞より)


この作品は、落語家が人情噺として取り上げた題材だけに、かなり長い話である。それを歌舞伎で演じるわけなので、ところどころ話が飛んでいる。幕間で借りたイヤホンガイドで話が飛んでいる部分の説明があったので、なんとか話は理解できた。イヤホンガイドがないと、話の繋がりが分からない。歌舞伎では、イヤホンガイドは必須である。

このお話で特に泣けるのが、二つのシーンだ。一つは、多助出奔の際に、愛馬・青と別れる件である。多助の袖をくわえて別れを惜しむなど青の演技がいい。青は二人の人間が馬の前足と後足になって演じているのだが、ピッタリ息のあった動きを見せていた。

またもう一つは、昌平橋内戸田家中塩原宅の場である。子供の頃、両親と別れ別れになった多助が、炭を運んだ屋敷で偶然に母お清(東蔵)と再会する。そして、多助とお清の話を聞いていた父角右衛門が、ふすまの奥で多助とは顔を合わさず、あえて非情に振る舞うシーンが泣かせる。父角右衛門は、義理を通すためにあえて息子とは顔を合わせないのだ。昔の武士は、情に流されず筋を通すという日本人の気概のようなものに感動した。姿を現さない父の前で必死に耐える多助と、息子に会いたいのにぐっと堪える父の姿は、涙なくしていられない。

しかし、最後は豪商の娘お花が多助にほれ込んで女房になり、昔助けた炭商人から千両もの炭を運び込まれ、江戸屈指の炭商人になって大団円という幕切れであった。最初は、いろんな困難に合うが、本人の努力で困難を乗り越え、やがては大成功を収めるという立志伝であり、見ている側としても安心してみていられる話だ。ハラハラドキドキしたあとは、じっくり泣かされ、最後はお約束のめでたしめでたしである。日本の古典話、たまにはじっくり見て感動するのもいいものだ。

「エレガントな響きを」大谷康子さん

2012-10-18 23:05:14 | 社会人大学
今年度最後の社会人大学は、毎年来られているヴァイオリン奏者の大谷康子さんだ。今年は、若い演奏家を3人引き連れ弦楽四重奏団で登場した。


弦楽四重奏団のプロフィールである。

[第1ヴァイオリン]  大谷康子
愛器1708年製ピエトロ・グァルネリで熱演。今年で15年連続の来静である。

[第2ヴァイオリン]  中川直子
東京音楽大学大学院修士課程終了。現在、東京音楽大学ピアノ伴奏科助手。長野県立小諸高等学校講師。


[ヴィオラ]  加藤和美
東京音楽大学卒業。6歳からヴァイオリンを始める。音楽教室でヴァイオリン講師。


[チェロ]  門脇大樹
東京芸術大学音楽学部卒業。その後、イタリアの音楽院大学院へ留学。現在。アムステルダム王立音楽院にて研鑽を積む。2012年ザルツブルグ=モーツァルト国際室内楽コンクール1位。

今年は、若い演奏家が3名も登場したこともあり、うち二人は若く美しい女性なので一際華やいだ雰囲気だった。天は二物を与えずというが、ヴァイオリン奏者は大谷さんはじめ、みんな美人で、音楽の才能に秀でていて、頭もよさそうだ。何故かそんな事を思いながら演奏に聞き入った。




さて、今回の演奏曲は下記のとおりだ。
1.モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジークより第1楽章
2.ハイドン:皇帝より第2楽章
3.ベートーベン:作品第59
4.ドヴォルザーク:アメリカより第1楽章
5.ショスタコーヴィチ:第8番より第2楽章
6.80日間世界一周
7.… タンゴ?(題名聞き逃した)
8.ラ・クンパルシータ
9.炎のキス
10.ツィゴイネルワイゼン(アンコール)

アンコールでは、いつものように大谷さんが、観客の直ぐ脇を演奏しながら回ってくれた。座っている間近で弾いてくれるので、凄く迫力があり感激する。


今年の社会人大学最後の講演は、大谷康子さんら弦楽四重奏団の豪華な演奏会で幕を閉じた。

「免疫力を高める生活」藤田紘一郎さん

2012-10-13 11:30:39 | 社会人大学
先週の社会人大学は、東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎さんの講演だった。その後、浜名湖ウルトラマラニックなどあって、なかなかアップできず、今頃になってしまった。

藤田紘一郎さんのプロフィール

1939年中国東北部(旧満州)生れ。東京医科歯科大学医学部卒業。東京大学伝染病研究所(現・医科学研究所) 大学院終了。テキサス大学で研究後、金沢医科大学、長崎大学医学部教授を経て、87年より現職。専門は寄生虫 学と熱帯病学。日本医学会議のメンバーとして、マラリア、フィラリア、住血吸虫、成人T細胞白血病やエイズ関 連の免疫研究の傍ら、寄生虫と人とのより良い共生をPRしている。主な著書に「笑うカイチュウ」(94年、講談社-写真下-)、 「ボンボン・マルコスの犬」(96年、ルック)、「癒す水、蝕む水」(96年、NHK出版-写真下-)、 「空飛ぶ寄生虫」(96年、講談社)、「体にいい寄生虫」(97年、ワニブックス)等がある。

藤田さんは、「カイチュウ博士」とも呼ばれ、実際自分の体にはカイチュウがいるそうだ。ほんの数十年前まで、日本人の半分以上はお腹に寄生虫を“飼って”いたが、戦後の高度経済成長期を経て、生活が豊かに、清潔になるにつれて、寄生虫の感染率は急速に下がっていった。しかしその後は、花粉症やアトピー性皮膚炎などに代表されるアレルギー病が急増している。藤田さんによれば、ここには明確な因果関係が存在するという。

藤田さんの仮説によれば、寄生虫の人体感染によるアレルギー抑制効果があるという。40年にわたって寄生虫や菌と人間との共生について研究を続けているそうで、なかなか面白い説である。なるほどと頷けることもある。しかし、いまさらカイチュウを体内に飼うことまでは正直言ってやりたくはない。

ただ、「清潔」を追求するあまり、人間の汗や体臭までをも消し去ろうとする現代日本の「キレイ社会」のエスカレートぶりはやりすぎだともいえなくない。確かに、抗菌グッズや消臭剤、防腐剤などが普及すれば、それに伴い寄生虫や各種菌などを撲滅に追い込むが、ますます人間の免疫力が低下していくのは目に見えている。

過度な潔癖嗜好は人間が生きていくうえでは、考え物だ。毎日風呂に入り、体を石鹸でゴシゴシ洗い過ぎると肌の潤いがなくなってしまうというのも納得できる。水で洗い流す程度で充分だそうである。わたしも、どっちかというと石鹸で念入りに洗うのは面倒くさいので今までどおりでよかったと安堵した。

また、食べるものはやはり添加物のない手作りのものがいい。野菜、豆類、果物、穀類等だ。発酵食品の納豆、味噌、漬物、ヨーグルト等もいいそうだ。特に色付きの野菜や果物を採ることで体に害がある活性酸素をとることができる。赤ワインに含まれるポリフェノールも効果があるという。この辺りの話は、何度もテレビや本で紹介されており、いろいろ思い当ることばかりだったが、改めて聞くとやはり勉強になる。カイチュウは飼いたくないけど、野菜や果物はしっかりとらねばと思った。

「梵心」森清範さん

2012-09-21 20:05:46 | 社会人大学
第8回目の社会人大学は、京都清水寺の貫主である森清範(せいはん)さんだった。昨年の卒業式の記念品が森清範さん直筆の色紙だったことを思い出す。

森さんのプロフィールを紹介する。
京都・清水で生まれ、祖父が僧侶だったので清水寺へ貰われてくる。16歳のとき得度、入寺。花園大学卒業。真福寺住職などを経て、1988年清水寺貫主。北法相宗管長に就任。「梵心」とは生きるエネルギーをいただき、それをありがたいと思う心。

清水寺は、778年の開創で、1200余年の歴史がある。京都ではそれだけの歴史を持つお寺は少なく、太秦の広隆寺に次ぐ古さになるという。昔から多くの人々に愛され、今で言う文化センターのような性格をもち、民衆の中に深く生きてきたお寺でもあるという。

また、平安中期の作家である清少納言にたいへん気に入れられていたらしく、「春は曙ようよう白くなりゆくやまぎは…」という有名な言葉から始まる随筆文には、清水寺の事が数多く書かれているそうだ。中でも、清少納言が気に入った僧侶の名前が「清範」という名前だったらしい。森さんが得意げに話していたのが面白かった。

清水寺といえば、頭に浮かぶのがあの「清水の舞台」である。崖に建つ舞台には欅(けやき)が使われている。欅の柱は139本あり、400年から500年かけて育った木が使われているという。本堂の柱で長いものだと11メートル、太さは人間が両腕を回してもとても届かない巨大な欅である。欅はとても硬く、現代の釘を打ち付けようとしても、木が硬いので釘が曲がってしまうそうだ。さらに清水寺の山には、何百年先を見越して、欅と檜(ひのき)の苗木を何万本も植林しているそうだ。今の政治家は1年、2年先のことしか考えていないが、清水寺では百年単位で先のことを考えているというわけである。まさに世界に冠たる遺産ならではといえる。

また、2007年には「新・世界七不思議」の候補地として、最終ノミネートの中に清水寺が入っていたそうだ。残念ながら、七つの中には入らなかったが、あの木造の舞台に世界の注目が集まっていたことは間違いない。最終的に選ばれたのは下記の場所だ。

1.チチェン・イッツァのピラミッド(メキシコ)
2.イエス・キリスト像(ブラジル)
3.万里の長城(中国)
4.マチュ・ピチュ(ペルー)
5.ペトラ(ヨルダン)
6.コロッセオ(イタリア)
7.タージ・マハル(インド)

この新・世界七不思議と称されている場所だが、英語の「wonder」には「驚異的なもの」という意味があり、もともとの世界七不思議の原語のギリシア語も「不思議」という意味ではないため「不思議な」物件とは考えないほうがいいそうだ。また、この最終候補の決定は、インターネットによる投票だったので、国家レベルで自国の候補地への投票を過剰に煽った組織票によるものが大きく人口が多い国が有利だったという指摘があるらしい。

まあ、そんな訳で清水寺の舞台がやたらに印象に残ってはいるのだが、ところで清水寺のご本尊は何ですかと聞かれても何だったかよく知らなかったのに気付いた。本尊は千手観音様だというが、33年に1度開扉の秘仏であるため、ほとんど見る機会はない。どうりで、思い出すことが出来なかったわけだ。

清水の舞台といえば、年末に発表される“今年の漢字”(日本漢字能力検定協会主催)が有名である。テレビを見ていると漢字が大きな筆で揮毫されるが、その時揮毫している人が森清範さんである。本人は、テレビで顔も映して欲しいと思っていたらしいが、テレビ局ではなるべく顔が映らないように揮毫して下さいといわれているそうで、大変残念がっていたのが笑えた。今年も、森清範さんがどんな漢字を書いてくれるか楽しみである。

ほかにもいろいろ面白い話があったが、魂はなくならないという日本人の宗教感、仏心とは慈悲の心、人を思いやる心(絆)といった話が印象に残った