19日から、綾瀬はるか主演の、NHKの大河ファンタジー『精霊の守り人』が始まった。本屋大賞受賞作家“上橋菜穂子”の大ベストセラーファンタジーの完全テレビドラマ化作品である。全12巻にも及ぶ大作を、大河ドラマなどで培ったNHKのノウハウと最新の映像技術を駆使し、全編4Kで制作するというのだからNHKの意気込みとやる気を感じさせてくれる。今年は、4話までの放送で、来年、再来年と3年かけて計22話の放送になるそうだ。
まずは、第1回を見た感想である。やはり、一番の見どころは、綾瀬はるかのアクションシーンの完璧さだ。ほぼスタントなしで挑んだアクションシーンだといい、橋から川に飛び込んだり、刺客からチャグムを守って短槍を自在に操り出し戦うシーンは、凄い迫力だった。まさか、彼女がこれだけのアクションができるとは思わなかった。セリフも男っぽい口調で、いかにも手ごわい用心棒という貫禄が出ていた。泥だらけの黒い顔からは、白い眼が際立ち、野性味むき出しの雰囲気がすごくいい。この作品は、綾瀬はるかの代表作にまちがいなくなるだろう。
また、ファンタジーということで、実際にはない世界を、登場人物の衣装、住居、小道具、環境など全て0から作らなければならない。また、異世界の風景やこの世には存在しない物、精霊の姿などもどう表現するかが、重要なポイントとなってくるが、このあたりも丁寧に作られているようだ。守り人シリーズの世界観を、しっかり構築しようとしているのだろう。また、4K(我が家のTVは4Kではないが…)で撮影しているだけあって、映像もきれいで映画をみているようだった。
第1話は、バルサとチャグムの出会いから、刺客の手を逃れ二人で旅に出ていくまでが描かれている。その他の登場人物は、帝役が藤原竜也、二ノ妃役が木村文乃、聖導師役が平幹二郎、ジグロ役が吉川晃司と、個性的な役者が演じている。第2話以降は、タンダ役の東出昌大、トロガイ役の高島礼子なども登場してくるだろう。とくに特殊メークで200歳の老婆になった高島礼子の演技は見どころだ。しばらく、土曜の夜の楽しみが続きそうである。