とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2022第4回信越トレイル:セクション10 苗場山から下る

2022-10-06 18:03:12 | 信越トレイル
早朝5時過ぎにヒュッテを出て、近くの見晴らしの良い場所に向かう。既に雲が赤みを差し、日の出が近いことを予感させてくれる。日の出を待ちわびる登山者の姿も見えている。


湿原の先に見える谷川連峰の辺りが輝きだし、雲が黄金色に染まってきた。


5時41分。素晴らしいご来光が見えた。


草紅葉も赤く染まり、人のシルエットが長く伸びている。


ヒュッテに戻り、朝食を済ますといよいよ下山だ。


ヒュッテ横のテラスで記念写真。


前日歩いてきた木道を下っていく。


まだまだ、みんなの影が長く伸びている。


朝の空気は澄んでいて、遠くの山々がくっきり見える。


山頂台地の景色も見納めだ。


池塘と湿原をバックに最後の集合写真。


池塘の先に見える岩肌が赤く剥き出しになっているのは、鳥甲山だ。


高層湿原とバックの鳥甲山が一緒に見えるのは、苗場山の中でも絶景だ。


頂上台地が終わると、6合目までは険しい岩場の道が続く。




3合目登山口の駐車場に到着する。下山は2時間40分ほどで着いてしまった。3合目からは、止めてあったMさんの車で0号目の「とねんぼ」まで乗せて行ってもらい、車を回収してから残りのメンバーを迎えに行く。


全員揃ったところで、小赤沢温泉の楽養館の温泉に入り、昼食も食べて帰路についた。信越トレイルのセクション1~10までの全コースを完全踏破できたのは10数人参加したメンバーのうちの8人だ。帰路の途中で寄った飯山駅の信越自然郷アクティビティセンターで全線踏破証も発行してもらい、いい記念になった。


参考1.信越トレイル・セクション10(苗場山・帰り)の高低図&コースタイム


参考2.信越トレイル・セクション10(苗場山・帰り)のコースマップ

2022第4回信越トレイル:セクション10 苗場山へ

2022-10-04 22:43:17 | 信越トレイル
信越トレイルの最後のセクション10の苗場山にいよいよ挑戦だ。前の日から、登山口に近い秋山郷の切明温泉に前泊し、朝8時過ぎに宿を出発する。


20分ほどで登山口となる苗場神社の入り口にある秋山郷総合センター「とねんぼ」に到着する。


前回のセクション9のゴールとなった苗場神社にお参りしていく。


しばらくは舗装道路を歩く。


諏訪神社のある1合目に到着する。


1合目から少し進むと、大瀬の滝(おぜのたき)だ。苗場山を水源とする小赤沢川のやや上流にある落差25メートルの滝で、雪解けの頃は温泉成分を含んでいるせいか、日光が差すと滝壺の色はコバルトブルーに近い神秘的な色となるという。


舗装道路から離れ、いよいよ本格的な登山道となる。


緑が眩しいブナの森の中を進む。


水量の多い沢を渡る。


沢を渡り切ると急な登りだ。


傾斜がキツイところは梯子を上る。


1時間45分で3合目駐車場に到着する。3合目までには車で行ける道があるので、一般的には3合目から登る人が多い。紅葉の時期となり、快晴の下、駐車場はほぼ満車状態だ。新潟から参加のMさんも加わり、11名のパーティで苗場山を目指す。


6合目からは急峻な岩場となり、鎖場を登りだす。


大きな岩がゴロゴロしている。


8合目までは、いくつもの鎖場がありなかなかの難所が続く。


ひと頑張りすると、苗場山の山頂台地の端っこに到着する。この先は、険しいところがほとんどなく、展望を見ながらの楽しいハイキング道の始まりだ。


2000mを越える場所だけあって、山頂台地では紅葉が始まっている。


草紅葉の湿原の中の木道を進んで行く。


木道がどこまでも続き、見晴らしが素晴らしい。


池塘には、ミヤマホタルイやヤチスゲなどが自生しており、その姿が苗のよう見えることから、「苗場山」としたと言われているのも頷ける風景だ。


木道の途中で歩いてきた道を振り返る。池塘や草紅葉の広がる山頂台地に感動だ。


木道の分岐から少し先にあるのが苗場神社の奥の院だ。奥の院にも山頂台地に着いたことに感謝してお参りする。


分岐に戻り、しばらく歩くと苗場山頂ヒュッテの屋根が見えてきた。


ヒュッテ前にある役行者像の前で記念撮影。


ヒュッテから歩いて1分の場所にあるのが苗場山山頂2145mだ。私は3回目の山頂だが、他のメンバーは全員初登頂だ。


山頂近くの池塘。稲の苗を育てる苗代田を想起させられる。


山頂ヒュッテで荷物を降ろし、一休みした後、ヒュッテの裏手にある展望台で日の入りの瞬間を待つ。


鳥甲山の後方にある北アルプスの先に日が沈んで行く。右には、妙高山と火打山の姿もくっきり見える。


素晴らしい夕日を見ることが出来てみんな大満足だ。ヒュッテに戻り、夕食を食べると翌日のご来光を眺めるために、早めに眠りについた。

参考1.信越トレイル・セクション10(苗場山・行き)の高低図&コースタイム


参考2.信越トレイル・セクション10(苗場山・行き)のコースマップ


「2022第4回信越トレイル:セクション10 苗場山から下る」に続く。

2022第3回信越トレイル:セクション9

2022-08-10 21:22:19 | 信越トレイル
セクション9は、秘境秋山郷の集落を結ぶ山旅だ。秋山郷の入り口に当たる結東温泉「かたくりの宿」からスタートする。


すぐに出てくるのが、「見倉の吊り橋」への案内看板だ。“ゆれる”とわざわざ書いてあるのが吊り橋への興味をそそる。


看板前で記念写真。


いざ、「見倉の吊り橋」に向けて出発だ。


木立の中をグングン下っていく。


木立の間から中津川渓谷とエメラルドグリーンの中津川の流れが見えてきた。


吊り橋の入り口に着いた。


確かに、この吊り橋は揺れそうだ。この橋、実はオダギリジョー、香川照之、真木よう子といった今をときめく俳優が出演した西川美和監督の映画『ゆれる』や、NHK大河ファンタジー『精霊の守り人』のロケ地にもなったことで有名な橋なのだ。


間隔を空けて恐る恐る橋を渡り始める。下を見ると流れは美しいが、やはりそこそこ揺れて怖い。


映画「ゆれる」では、橋の中ほどで真木よう子が転落するシーンがあり、それを思い出すと尚更怖い。一緒にいた香川照之がわざと落としたのか、事故だったのかが焦点となり、映画の重要なポイントとなった場所なのだ。


吊り橋を渡りきると、急な山道を登り返す。登り終えると見倉集落に出た。わずか4軒の庭先には小さな田んぼと畑があり、自然と共生した循環型の暮らしが営まれているという。


見倉集落の中を通り、先に進むと栃の森だ。栃の実は大事な食料源になるそうだ。


風穴の前まで来た。風穴というからには大きな穴でもあるのかと思っていたが、草に覆われそれらしき穴はよくわからないが、やけに涼しい場所だった。


草むらを掻き分けてみると、小さな穴が所々にあり、そこから冷たい風が出ていた。まるで冷蔵庫の入り口にいるかのような心地よい場所だった。


見倉トンネルの前に出る。どうやら我々はトンネルの上を歩いてきたらしい。


その後は、舗装路を歩き大赤沢の集落までやってきた。山源木工さんの手前から「蛇渕の滝」の看板を見て、滝見物に向かう。


蛇淵の滝。その名前の由来は、その昔秋山郷の熊取名人がこの付近に熊を追ってきて、川にかけられた丸太を渡り終え、ふと後ろを振り向いたところ、それは丸太ではなく大蛇であった。恐ろしさのあまり一目散に山道を逃げ去ったということで、以来この滝を「蛇淵の滝」と呼ぶようになったと言われているそうだ。


大赤沢の集落を出ると、再び山道に入る。「牧之の道」と呼ばれる道で、今から250年程前に、越後の魚沼郡塩沢村(現・南魚沼市)に生まれた鈴木牧之が、歩いた道とされている・


鈴木牧之は、江戸をはじめ、しばしば各地に旅をしていた。文政11年(1828) 59歳の時、初めて秋山郷を訪れた。彼が書いた「秋山記行」は、この地の珍しい風俗や習慣などを絵と文章で克明に綴った大変貴重な記録で、秋山郷を全国に知らしめたとされていることから彼が歩いた道が現在もしっかり整備されているのだ。


「牧之の道」で見かけたキノコ。


甘酒村跡に到着する。江戸時代、鈴木牧之が訪れた時には2軒の家があったと書かれているが、その後、甘酒村は天保の飢饉(1833〜1839)において住人が餓死し、廃村となったと言われている。現在は、記念碑と石造物がならび、村が存在したことを今に伝えている。


現在も誰かが管理している水田が広がっており、集落の面影が残っている。


甘酒集落跡を出てグングン下っていくと苗場神社だ。苗場神社で、信越トレイルの完歩を祈る。


鳥居を抜ければ、セクション9のゴールだ。


ゴールとなる小赤沢の秋山郷総合センター「とねんぼ」に到着する。


「とねんぼ」には到着したのは、まだお昼前だが、朝が早かったので2階のテラスでランチ休憩をする。


この日は、お迎えが来るまで時間が十分にあったので、「とねんぼ」から数分先にある「保存民家」を見に行く。今から230年ほど前に作られた茅葺き、中門造の民家で1975年に修復し、保存展示している。秋山郷を襲った飢餓の歴史の紹介や、江戸時代後期の住まいの様子が伺える。


13時半頃お迎えが到着し、無事戸狩温泉に戻り帰路についた。第4回は、10月上旬に苗場山登山をして信越トレイルの最終回とする予定だ。

参考1.信越トレイル・セクション9の高低図&コースタイム


参考2.信越トレイル・セクション9のコースマップ

2022第3回信越トレイル:セクション8

2022-08-09 22:03:14 | 信越トレイル
前日のセクション7だが、健森田神社から森宮野原駅までのルートが間違っていたことがわかり、健森田神社から信越トレイルをやり直すことにした。


国道迄行かずに、健森田神社前の細い道から住宅の間を下っていく。


しばらく進むと、森宮野原駅の線路側が見えてきた。


踏切を渡る。ガイドブックに載っていた写真通りの風景を確認できた。


これで、正規のルートでセクション7を歩き終えた。


森宮野原駅からいよいよセクション8が始まる。道の駅「信越さかえ」を通り過ぎ、河岸段丘を登りきると広大な田園地帯に出る。ここからは、起伏ある台地の舗装路歩きがずっと続く。


中子の湖の横を通る。


道路脇で見かけたオオウバユリ。あまり見た事のないユリだった。


坂を上がって行くと、中子の湖が見えた。


人が住むような家もない山の中に大きな建物が見えてきた。


妙法育成牧場の建物だ。ここは、新潟県が管理運営する牧場で、県内の酪農家から子牛を預かり、大きく育てて返すという。苗場山麓に広がる河岸段丘は、育ち盛りの牛にとってはとても良い生育環境なのだ。


広大な牧草地の中を進む。


牛が何処かにいないか、気になって見渡してみたが、あまりにも暑い日だったのか、どこにも牛の姿が見えない。建物の中に入ってしまっていたのかもしれない。


舗装路がまだまだ続く。


久しぶりに木陰の道に入るとホッとする。


舗装路が終わり、やっとブナの森に入っていく。


大きな杉木立の下にたたずむ道祖神「あずき地蔵」が見えてきた。


可愛らしいお地蔵さんだ。ここが結東への分岐となり、秋山郷への急な九十九折のあずき坂に続いていく。あずき坂は、昔の人たちも利用した古い道だ。


長い下りが終わり、古峯神社の裏手に出ると、「佐藤佐平治の救済」という看板が立っていた。新潟県津南町と長野県栄村の山間にまたがる秋山郷は、特殊な断崖地形や生活文化など、伝統的な暮らしの匂いが残る秘境で、江戸時代当時の往来は過酷で、大雪で閉じ込められると飢饉に見舞われ、村人が餓死する村も出てしまう。遠く三島郡片貝村の造り酒屋・佐藤佐平治は、有名な”米百俵”どころか、籾3000俵という、とてつもない規模の救援を江戸時代から昭和まで100年以上に渡る援助をしていたという事が書かれていた。江戸時代にこのような人がいたとは、驚きで畏れ入った。


古峯神社の鳥居を抜けると、セクション8のゴールが間近だ。


秋山郷結東温泉「かたくりの宿」に到着する。


「かたくりの宿」は、旧中津峡小学校を宿泊施設としてリノベーションし、1993年にオープンしたそうだ。この日は、「秘境秋山郷のマタギ展」が開催中だった。壁に書かれたマタギの言葉が興味深かった。


参考1.信越トレイル・セクション8の高低図&コースタイム


参考2.信越トレイル・セクション8のコースマップ


「2022第3回信越トレイル:セクション9」に続く。

2022第3回信越トレイル:セクション7

2022-08-08 22:30:03 | 信越トレイル
8月の第1週から第3回となる信越トレイルの再開である。前の日から戸狩温泉の民宿に宿泊して、翌朝セクション7の入り口となる松之山口の駐車場まで送ってもらう。


天水越のブナ林の中を登っていく。




関田山脈のブナ林はこれで見納めとなる。


信越トレイルの分岐に出ると、前回からの続きとなる。しばらくは急坂が続くが、やがてピークを越えると徐々に下り坂となり、新潟県津南町方面の展望が開けてきた。


里山出合に出ると、登山道は終わり林道となる。この日のゴールとなる森宮野原駅までは、残り3.6キロだ。


その後、舗装道路に変わり田園地帯の中を進む。


所々に大きなため池があり、水田に送る水が蓄えられている。


日差しが強くなり、アスファルトからの照り返しや直射日光を避けるため、女性陣は日傘を差すことになった。


水田の稲穂や里山の木々の緑が眩しいくらいだ。


下の方に国道が見えてきたと思ったら、健森田神社の前に出た。


そして、その先にあるのは、ゴールとなる森宮野原駅だ。セクション7は2時間ちょっとで終わりだ。


森宮野原駅には、最高積雪7.85mの標柱が立っている。昭和20年の豪雪の際に、森宮野原駅付近で最高積雪7.85mを記録した。積雪量は当時としては日本一で、その凄さを示す標柱が立てられたそうだ。当時、2階建ての家の屋根まで雪が積もり、電柱の電線をまたぐことができたと言う。現在でもJRの管轄する駅においては日本一の積雪記録となっているらしい。 


あまりにも早くゴールしてしまったので、森宮野原駅近くの栄村震災復興祈念館「絆」に立ち寄る。


東日本大震災の翌日、2011年3月12日未明、長野・新潟県境付近を震源とする、マグニチュード6.7、震度6強の地震が栄村を直撃し、激しい揺れが村を襲った。暗闇の中で家屋は傾き、道路は寸断され、村の8割の人々が避難を強いられたが、震災直後から多くの人々によるボランティアや義援金、物資の支援があり、復旧も早い段階で行うことができたという。


今後もこの未曾有の災害を忘れることなく、後世に伝えていくために記録を残し防災意識をいつも持ち続けていけるよう、復旧・復興の記録の展示室を整備したそうだ。東日本大震災の影響は、遠く離れた栄村にも甚大な被害を及ぼしていたことは、あまりよく知らなかったが、この施設を見て改めて大変な災害だったのだという事を思い知らされた。


栄村震災復興祈念館「絆」を出るとお昼だ。駅前の八百屋で美味しそうなスイカを売っていたので、冷えたスイカを買ってみんなで分け合う。




近くの道の駅「信越さかえ」まで歩き、屋根のある休憩所でランチ休憩する。




まだ時間は十分あるので、信越トレイルからは外れ、道の駅「信越さかえ」から3キロほど先にある栄村歴史文化館「こらっせ」まで足を延ばす。「こらっせ」は、旧東部小学校志久見分校を改修し設立された施設だ。栄村の伝統技術や文化を残し、伝え、発展させ、村らしさを究めることを目標にしているという。


2011年の震災で一度は失いかけた村の歴史や文化を保管・展示しており、常駐している職員の方からいろいろ説明を聞くことが出来た。


一通り説明を聞き終わる頃、民宿のお迎えのバスが到着して、宿に帰ることができた。

参考1.信越トレイル・セクション7の高低図&コースタイム


参考2.信越トレイル・セクション7のコースマップ


「2022第3回信越トレイル:セクション8」に続く。

2022第2回信越トレイル:セクション6

2022-07-14 07:02:25 | 信越トレイル
第2回の最終日は、セクション6の伏野峠からスタートだ。宿のバスで峠の入り口まで送ってもらう。


伏野峠から、しばらくは急斜面が続く。


須川峠まで来ると、大分緩やかな道になってきた。


間違えやすい分岐点が二つほどあり、最初の間違えやすい分岐。道なりに進んでしまうと、キューピットバレイスキー場のゴンドラ山頂駅に向かってしまう。野々海峠方面に行かなければならない。


この辺りは、明るいブナ林が続く。


2番目の間違えやすい分岐。ここも、野々海峠方面に曲がる。


西マド湿原の横を通過。少しだけ開けた場所から湿原があることを確認できた。植生保護のため立入り禁止になっている。開けた場所がなければ、湿原がある事すら気付かなかっただろう。


野々海峠に到着する。


長野県最北地点を通過し、深坂峠に到着する。関田山脈のなかでも最も古くから存在し、奈良時代頃から人々が行き来した歴史ある峠。大きな石碑が目印で新潟県側の眺望が開ける絶好の休憩ポイントだ。


上越市内や日本海がうっすらと見える。


三方岳1139mに到着する。


新潟県側の景色が良く見える。


天水山に近づくにつれて、素晴らしいブナ林が広がってきた。




信越トレイルの中でも、屈指のブナ林だという天水山周辺。


セクション6のゴールとなる天水山1088mに到着する。


天水山山頂にもブナの巨木がある。


ブナの巨木の前で記念撮影。


天水山からセクション7のコースを少し歩き、松之山口方面への分岐に下る。


天水越のブナ林の間を下る。


松之山口に到着。ここまでは車が入ってこられる。


これで第2回の信越トレイルは終了である。次回は、セクション7~セクション9までのコースを歩く予定だ。

参考1.信越トレイル・セクション6の高低図&コースタイム


参考2.信越トレイル・セクション6のコースマップ

2022第2回信越トレイル:セクション5

2022-07-13 06:35:52 | 信越トレイル
前日ゴールだった関田峠からスタートだ。


その後、しばらくは急坂が続くが、あとはなだらかな歩きやすい道が続く。西側の展望が開けると、百名山の妙高山と火打山がくっきり見える。第1回の時も、所々で見えていたが、今回はかなり近づき大きく見える。


やがて下り道となり、グングン下がっていくとトイレやバンガロー風の建物が出てきた。案内板を見ると、光ヶ原高原キャンプ場と書いてある。どうもおかしいなと思って地図を確認すると、いつの間にか信越トレイルを外れ、全く違うルートを歩いていたことが分かった。


女性陣は、トイレがあって助かったようだが、かなり余分に歩いてきてしまった。間違えた分岐地点まで20分ほどで戻る。分岐点まで戻ると、通った記憶があるものの、歩きやすい道で、話しながら歩いていたこともあって、道なりに沿って通り過ぎてしまったらしい。

分岐点からほどなくして梨平峠に到着する。


牧ノ小池は、モリアオガエルとクロサンショウウオが産卵する場所だ。


よく見ると、木の枝にモリアオガエルの卵塊がくっついている。


牧峠に到着する。牧峠から舗装道路を15分ほど下ると水場があるという事で、水を求めて道を下る。


道路脇から長いパイプが突き出ていて、冷たい湧き水が流れ出ている。湧き水で生き返ったような気分になり、休憩したくなったが、風があって日陰で休憩できるような場所がなく、牧峠まで戻る。


牧峠から信越トレイルに戻り、しばらく坂を上り、たいらで風が通りそうな場所でランチ休憩だ。


花立山に到着。セクション5のほぼ中間地点だ。


「幻の池」と呼ばれる小さな池に到着する。大きなブナの樹が林立する深い森の中にひっそりとたたずむ池である。決して眺望のいい場所ではなく、周囲はうっそうとしている。


なぜ「幻の池」というのか。ちょっと気になって調べた。以前はここに池がある、ということをはっきり確認できておらず、25000分の1地形図にも池記号がなかった。でも山仕事をする人や一部のヤブ山マニアには知られていたらしい。「信越トレイル」ができ、だれでも行けるようになると「あ、ちゃんと池があるね」と確認でき、幻でなくなったというわけだ。


セクション5のゴール地点となる伏野(ぶすの)峠に到着する。戦国時代は、軍用道路として利用されたそうだ。


お迎えのバスも、待っていてくれたので、一安心だ。


参考1.信越トレイル・セクション5の高低図&コースタイム


参考2.信越トレイル・セクション5のコースマップ

2022第2回信越トレイル:セクション4

2022-07-12 09:12:48 | 信越トレイル
7月の第2週目から第2回の信越トレイルだ。今回は、セクション4からセクション6を歩く予定。まずは、戸狩温泉スキー場のとん平ゲレンデまで、宿の車で送ってもらう。今回もずっといい天気が続きそうである。


ゲレンデ内の道を歩き、信越トレイルのセクション4の起点に進む。


ここが、セクション4の起点となる仏ヶ峰登山口だ。スキー場では真ん中くらいの場所となる。


ゲレンデ内は花も咲き出し、蝶々も飛んでいて昆虫採集もできそうな場所だ。


ゲレンデを抜けると、ブナの森に入っていく。


この辺りは、信越トレイルの中でも屈指のブナの森だという。美しいブナ林に目を奪われる。


仏ヶ峰を抜け小沢峠で一休み。


展望が開け、飯山市内や千曲川の流れも見える。


鍋割山1288mに到着する。鍋割山は、関田山脈の主峰で、この山のブナの樹1本で、300坪の水田を潤すほどの保水力があるのだという。水源に恵まれた山であることがよくわかる。


久々野峠から信越トレイルのコースを外れ、巨木の谷に下りていく。巨木の谷には、樹齢数百年以上というブナが林立しているという。


中でもシンボル的なブナの巨木が、「森太郎」だ。信越トレイルが制定された象徴的な場所を見に行くのがこの旅の最大のテーマであるかもしれない。


ただ、残念な事に今年の春頃、「森太郎」は老齢の為、倒壊してしまったという。それでも1時間近く藪をかき分け、倒壊した場所まで行くことが出来た。


根元から下には、倒壊した残骸が無残にも散らばっている。


残った根本の太さを見れば、いかに巨木だったのかが良くわかる。また、「森太郎」の先にあった「森姫」はさらに10年くらい前に倒壊してしまっていたそうだ。「森姫」までには行かず、引き返して久々野峠に戻る。


久々野峠からすぐに黒倉山1242mに到着する。


ブナの枝が横向きになって、道をふさいでいるような場所が次第に目立ってくる。


筒方峠に到着。この日のゴールとなる関田峠まであとわずかだ。


道は広くて歩きやすいのだが、ブナの枝が横向きになっている場所がかなり増えてきた。この辺りは、冬には積雪8mにもなるという豪雪地帯であることから、雪の重みで枝が曲がってしまうのだ。それでも折れることなく横に伸びていくというブナの生命力には驚く。




15時過ぎ、関田峠に到着する。お迎えのバスが待っていてくれてホッとする。関田峠は、上杉謙信が通ったと言われ、信濃と越後を隔てる関所があったという。


参考1.信越トレイル・セクション4の高低図&コースタイム


参考2.信越トレイル・セクション4のコースマップ

2022第1回信越トレイル:セクション3

2022-06-30 10:40:55 | 信越トレイル
セクション3は、前日のゴールだった涌井からスタートする。


30分ちょっとで富倉峠に到着する。富倉峠は、北信濃と越後を結ぶ交通交易の重要なルートであった富倉道(現飯山市から妙高市に通じる)の旧峠。川中島の戦いでは、上杉謙信が越後から兵を率いて信濃に進軍する際、主要路の一つとして利用されたという。


富倉峠からしばらく行くと、上杉軍が陣を張った場所といわれる大将陣跡がある。


この日の最初の池は、「ソブの池」。


秋になると、紅葉で色付いた木々が水面に映り、美しいらしい。


池の周りを散策した後、信越トレイルのコースに入っていく。


黒岩山からは、東側の展望が開け、飯山市内や高社山、志賀高原などの山並みが展望できる。


人の声がするなと思い、道を下っていくと、地図にはない小さな池があり、学生とガイドの人が自然観察会を行っていた。我々も、仲間に入れてもらいガイドの説明を聞く。


木の枝に小さな袋状の塊がくっついていて、モリアオガエルの卵塊だという。


ミズバショウが群生しているが、花は終わっているので緑だらけだ。


桂池の手前にある水場。太郎清水と呼ばれる水場だが、水量は少なくちょろちょろ出ているだけだった。それでも触ると冷たく、飲んでも美味しかった。


水場からは舗装道路となり、桂池に向かう。


黒岩山のほとりに佇む神秘的な桂池。秋は紅葉が美しいそうだ。


桂池テントサイトの片隅でランチ休憩する。


ランチ休憩後、桂池から仏ヶ峰登山口に向かって再スタートする。


中古池の畔を通過する。


信越トレイルを歩き始めて、初めての渡渉。


ハルジオンに蝶々が止まっている。


沢に下ったので、再び登り返す。


仏ヶ峰登山口に到着する。セクション3のゴール地点だ。だが、ここは車が来られる場所ではないので、スキー場のゲレンデを突っ切り下っていく。


目の前に見えるのは戸狩温泉スキー場のリフトだ。


シーズン外なのでリフトは止まっていて、さらにゲレンデを下っていく。


星降るキャンプ場(とん平ゲレンデ)には、舗装道路が繋がっていて車が来られるが、民宿まで歩いて行けない距離ではなく、時間も早く、お迎えを頼むのも申し訳なくて、さらに舗装道路を歩き民宿まで着いてしまった。第1回信越トレイルは、これで終わりだ。来月、第2回を予定しており、セクション4~セクション6を歩くつもりだ。今回6月とは言え、予想外に暑い日が続き、7月は暑さ対策が必要になりそうだ。

参考1.信越トレイル・セクション3の高低図&コースタイム


参考2.信越トレイル・セクション3のコースマップ

2022第1回信越トレイル:セクション2

2022-06-29 09:24:57 | 信越トレイル
前日、セクション1のゴールだった赤池からセクション2のスタートだ。この日もいい天気で朝から暑くなりそうだ。


駐車場から少し歩くと、セクション②-1の標柱がある。


ブナの森は、木漏れ日が差し込み歩きやすい道だ。




30分ほどで沼の原湿原に到着する。


湿原を一周すると1時間ほどかかるが、時期的に咲いている花はほとんどないので信越トレイルのコースに従って進み、湿原の入り口にあるトイレ前に出た。


トイレ前で一休みして、コースに入っていく。雪の重みで曲がったようなブナの枝が所々に見える。


森を抜けると、急に明るい場所に出た。希望湖(のぞみこ)という池だ。希望湖という名前は何か現代的な感じがしたが、やはり以前は「沼の池」という地元での通称しかなかったらしいが、昭和56年(1981)には、沼の池から希望湖(のぞみこ)と改名し現在に至っているそうだ。


現在は、ボートやフィッシング、周遊トレッキング等で観光に使用されており、管理小屋も建っている。また、希望湖は信州を愛した日本画家・東山魁夷が絵のモデルにしたことでも知られていて、緑の美しさと湖のみすみずしさを表現した「静映」と名付けられたその作品は、長野県県民文化会館の中ホールの緞帳としても見ることができるそうだ。


ボート乗り場の前には、大きな看板が立っている。「沼の池」にまつわる伝説だ。


沼の池に関わる伝説
昔、柳原の南條部落に「こく衛門」という男がおり、この男乱暴者ではあったがなかなかえらい男でもありました。川中島の戦いの後、上杉謙信は武田信玄の軍勢に追われ安田の渡しまで逃げてきたが、その時、こく衛門が渡しの綱を切って信玄の追っ手を足止めし、謙信を越後に逃がしました。謙信は命の恩人である「こく衛門」を呼び、「望みの物はなんでも与えるから好きな物を言え」といったところ、こく衛門は柳原地域が水に不便をしているのを思い、「他になにも望みはありませんが、沼の池をいただきたい」と言いました。謙信は、こく衛門の望みを聞き入れ沼の池を彼に与えました。当時沼の池は、越後領であったが、水は信州側に流れ落ちるようにしたのです。


天狗のうちわみたいなヤツデの葉に木漏れ日が当たっている。


毛無山1022mに到着する。山頂からは大展望が望まれるとガイドマップに書いてあったが、周りは樹木で覆われ全く展望がない。


山頂から東側に出ると、展望が開けた場所があり、野沢温泉、飯山、木島平、志賀高原などが展望できた。景色がいい場所なので、ここでランチ休憩する。


再び信越トレイルのコースに戻り、森の中を進む。


3つ目の池は涌井新池だ。


希望湖同様に近世初期から集落の共同用水として利用されてきた溜池で、今でも地域の暮らしに欠かせない大切な水源として利用されているそうだ。


涌井新池を過ぎると農道となる。しばらく歩くと、道の左側に水場があった。地図には案内看板はないとあったが、水場の降り口にしっかり水の表示があった。


水量も豊富で、冷たくて美味しい水をたっぷり飲むことが出来た。


あとは、農道から見える田園風景をのんびり見ながら歩く。


農道の脇でクワの実がたくさん成っているのを見つける。


農道から舗装道路に出て、しばらく歩くとセクション2の終点である涌井だ。


涌井でお迎えのマイクロバスを待ち、宿に向かうが、あまりにも時間が早く着いてしまったので、途中で道の駅に寄ってもらい、お土産などを買う時間にあてた。

参考1.信越トレイル・セクション2の高低図&コースタイム


参考2.信越トレイル・セクション2のコースマップ


「2022第1回信越トレイル:セクション3」に続く。