昨日のクローズアップ現代では、興味深いテーマが放送されていた。それは、日本の排他的経済水域である南鳥島沖の海底に、大量のレアアースが存在することが明らかになったというニュースだ。去年、大量のレアアースが存在することが、東京大学の研究で明らかになっていたが、先月船舶による現地調査が行われ、分析の結果、レアアースは6000PPMという高い濃度で含まれていることが確認されたという。元素によっては中国の鉱山の30倍余りに上っているそうだ。
濃度は海域や深さによって異なっていたというが、濃度の高い場所では、レアアースの中でも特に重要とされ、ハイブリッド車の製造などに欠かせない「ジスプロシウム」が、中国南部の鉱山のおよそ20倍の濃度で含まれている。また、この泥の中には、LED照明などに利用される「ユウロピウム」が35倍、IT機器に必要な「テルビウム」も16倍の濃度で含まれていたという。ただ、5000メートルを超える深海なので、深い海からの引き上げ技術の確立や、採算がとれるかといった課題があるようだ。
この南鳥島の海底に眠るレアアースは、日本の年間消費量の230年分にも上ると推定され、資源のない日本としては夢のような発見である。特に注目すべきことは、陸上のレアアース鉱山で問題となる放射性元素のトリウムが非常に少ないか全くないかもしれないという点である。トリウムの処理が不要になるという点では、深海から採取という困難さをカバーできるのかもしれない。
既に、三千メートルの深海から石油やガスを採取する技術は海外では確立されているそうで、泥を吸い出すだけで高濃度のレアアースを確保できるのだから、いずれ5千メートルまでも延長することは可能と思われる。レアアースは世界の生産量の90%近くを中国が占めていて、日中関係が冷え込む中、安定供給が課題になっている。今すぐ、商業ベースで採取ができるのは無理だろうが、日本が安定的にレアアースを確保していく上で、中国への重要なカードの一つになると言えるだろう。嫌なニュースが多い中、これはちょっと明るい気持ちになったニュースだった。
濃度は海域や深さによって異なっていたというが、濃度の高い場所では、レアアースの中でも特に重要とされ、ハイブリッド車の製造などに欠かせない「ジスプロシウム」が、中国南部の鉱山のおよそ20倍の濃度で含まれている。また、この泥の中には、LED照明などに利用される「ユウロピウム」が35倍、IT機器に必要な「テルビウム」も16倍の濃度で含まれていたという。ただ、5000メートルを超える深海なので、深い海からの引き上げ技術の確立や、採算がとれるかといった課題があるようだ。
この南鳥島の海底に眠るレアアースは、日本の年間消費量の230年分にも上ると推定され、資源のない日本としては夢のような発見である。特に注目すべきことは、陸上のレアアース鉱山で問題となる放射性元素のトリウムが非常に少ないか全くないかもしれないという点である。トリウムの処理が不要になるという点では、深海から採取という困難さをカバーできるのかもしれない。
既に、三千メートルの深海から石油やガスを採取する技術は海外では確立されているそうで、泥を吸い出すだけで高濃度のレアアースを確保できるのだから、いずれ5千メートルまでも延長することは可能と思われる。レアアースは世界の生産量の90%近くを中国が占めていて、日中関係が冷え込む中、安定供給が課題になっている。今すぐ、商業ベースで採取ができるのは無理だろうが、日本が安定的にレアアースを確保していく上で、中国への重要なカードの一つになると言えるだろう。嫌なニュースが多い中、これはちょっと明るい気持ちになったニュースだった。