とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2020北海道大雪山系・十勝山系ツアー:4日目三段山登山&観光

2020-07-31 19:55:08 | 山登り
4日目の朝。いつもよりのんびりして、午前7時に白銀荘を出発する。


この日も色とりどりのテントが並んでいる。


キャンプ場の上にある三段山登山口に入っていく。登山道の脇にあるササがきれいに刈り取られ歩きやすくなっている。


ササ原を抜けると展望が開けてきた。


前十勝岳から幾筋もの噴煙が上がっているのが見える。


登山道で見かけた高山植物。ウサギギク。


エゾノマルバシモツケ。


ゴゼンタチバナ。


山頂までもう少しだ。


山頂直下からは安政火口が見える。


8:52。三段山山頂1748mに到着する。


三段山は十勝連峰の展望の山だ。だが、ガスがかかって十勝岳ははっきり見えない。


三段山での展望を堪能して、元来た道を下山していく。白銀荘の屋根が少し見えてきた。


キャンプ場に着くと、いつの間にかすべてのテントが撤収されていた。


白銀荘でゆっくり温泉に浸かってから、Nさん、Tさんと別れ残りの3人で美瑛の“青い池”見物に向かう。何年か前に来た時よりも、駐車場が整備され大勢の観光客で賑わっていた。この日の青い池は、いつもに増して青かった。


その後、富良野で一番大規模な農園だという“ファーム富田“に向かう。この時期は、やはりラベンダー畑が一番の見頃である。ラベンダー園の向こうには十勝連峰の山並みが見えるのがいい。




他にも、赤、色、黄色、オレンジなど、色とりどりの花が整然と並んで植えられている。




最後に向かったのは、同行したYさんのたっての希望でドラマ「北の国から」の舞台となった“麓郷の森”に向かう。


もちろん私も、是非行ってみたかった場所だ。


年代ごとのキャストの写真を見ると彼らの成長の様子が見えて懐かしかった。


五郎の丸太小屋だ。


純と蛍がこの上で寝ていたシーンを思い出す。


五郎の3番目の家。


お風呂があった小屋。


この場所以外にもロケ地となった家があるのだが、時間がないので諦め旭川に向かい、旭川空港から帰路についた。ところが、無事羽田空港に到着したのだが、この日の東京は雷雨に襲われ、駐機場まで誘導する人間が外に出られないという事で、機内で40分ほど待たされてしまった。最終便だったため、最終の新幹線に乗ることが出来ず、やむを得ず近くのビジネスホテルに泊まらざるを得なくなってしまった。結局、翌日の朝帰りだった。

参考1.三段山のコースマップ


参考2.三段山の高低図&コースタイム

2020北海道大雪山系・十勝山系ツアー:3日目十勝岳~美瑛岳~吹上温泉

2020-07-30 19:38:44 | 山登り
十勝岳山頂から美瑛岳方面に向かう。生き物の気配は何も感じられず、地球とは思えない景色が続く。


振り返って十勝岳山頂を眺める。


そして、進行方向には美瑛岳に向かう稜線と鋸岳の荒々しい峰が見える。


左側の斜面は、ソリにでも乗れば一気に下まで滑っていけそうだ。


富士山の砂走のような登山道。一歩で一気に1m近くも進んでしまう。




雪渓をトラバースする。


草木が全くない場所から、やっと緑に覆われた斜面が出てきた。


対面に見えた雪形。まるで人が走っているような奇妙な形だ。


この先から、やっとお花畑が出てきた。


おなじみの高山植物をいくつも見ることが出来たが、一際目を惹いたのがエゾツツジだ。鮮やかな赤紫の花はとても印象的だ。


11:50。美瑛岳山頂2052mに到着する。昼食休憩で1時間ほどゆっくりする。


美瑛岳からはグングン下っていく。雲の下には、美瑛の丘陵地帯が良く見える。


13:20。美瑛富士との分岐に到着する。


ボンビ沢を渡る。


大きく抉れた溝に残った雪渓に降りていく。


ノーアイゼンで慎重に登っていく。


途中で見つけたウコンウツギ。黄色いウツギだ。


十勝岳避難小屋が見えてきた。


この先に進めば、望岳台からのコースと合流する。


16時。吹上温泉に到着する。ほぼ10時間のロングトレイルで結構きつかったが全員無事到着できてよかった。

参考1.十勝岳・美瑛岳縦走のコースマップ


参考2.十勝岳・美瑛岳縦走の高低図&コースタイム


「2020北海道大雪山系・十勝山系ツアー:4日目三段山登山&観光」に続く。

2020北海道大雪山系・十勝山系ツアー:3日目吹上温泉~十勝岳

2020-07-29 22:00:48 | 山登り
5:50。吹上温泉白銀荘を出発する。


白銀荘の前は、広いキャンプ場となっており、たくさんの車が止まり、テントが張られている。


キャンプ場の奥から登山道に入っていく。


熊が出そうな森の中を抜けると、沢の前に出た。


飛び石を乗り越え渡渉していく。


望岳台からのコース分岐に出る。


十勝岳避難小屋前まで登ってきた。


避難小屋前の空き地で暫し休憩する。


真っすぐ下を見ると、望岳台の駐車場とそこから登ってくる登山者が良く見える。


避難小屋を抜けると、十勝岳縦走路の核心部へ入っていく。雪渓も出てきた。


十勝岳昭和噴火口の縁に到着する。


噴火口の縁前で少し休憩。青空が出てきた。


十勝岳山頂がくっきり見える。


草木1本も生えていない荒涼とした登山道。まるで地球外の惑星にいるかのようだ。


十勝岳がグッと間近になってきた。


十勝岳をバックに記念撮影。


荒涼とした砂漠地帯を抜けると、いよいよ最後の急登だ。


泥流が流れた跡のような登山道の上を歩いていく。


最後は溶岩だらけのゴツゴツした道を登る。


9:35。十勝岳山頂2077mに到着する。ここも2回目の山頂だ。




十勝岳からは、美瑛岳への縦走路となる。この先は、未踏のルートになるので、どんな景色が飛び込んでくるか期待と不安でいっぱいだった。

「2020北海道大雪山系・十勝山系ツアー:3日目十勝岳~美瑛岳~吹上温泉」に続く。

2020北海道大雪山系・十勝山系ツアー:2日目大雪山旭岳ピストン登山

2020-07-28 18:21:38 | 山登り
大雪山白樺荘は大きな建物で、威風堂々としている。


5:30。入り口前で集合写真を撮って出発する。


旭岳ロープウェイ山麓駅に到着する。建物は、白い霧の中に包まれている。


6時始発のロープウェイに乗って姿見駅に到着する。


姿見駅前は大きな雪渓が残っている。さすが北海道は、夏でも雪が多いなあとビックリする。


ロープウェイ駅を出て少し行くだけで、広大なお花畑が広がっている。


姿見の池前にある「大雪山愛の鐘」前に到着する。昭和37年に北海道教育大学函館分校山岳部の10名が遭難して死亡した事故があり、彼らを弔い登山客の安全を願って設置されたものだ。


姿見の池は白く霞み、その先では噴煙が幾筋も上がっている。旭岳は、今も活動を続ける活火山なのだ。


姿見の池の脇から登山道を上がって行く。景色は全く見えず、周りは霧に包まれている。


ほぼ真四角の金庫岩。


9時。旭岳2291mに到着する。2回目の旭岳山頂であった。


5分後、陽が射してきたのでもう一度山頂記念写真を撮る。


一瞬青空も出てきたので、いそいで周辺の展望写真を撮るメンバー。


30分ほど山頂で霧が晴れるのを待ったが、あまり良くなりそうもなかったので元来た道を下山する。金庫岩とニセ金庫岩も見える。


姿見の池まで戻る。朝よりは大分くっきり見えている。


帰りは噴気孔近くまで行ってから、夫婦池方面に向かう。二つの池が並んでおり、二つ合わせて夫婦池と呼ばれる。大きい池は鏡池だ。


小さい池は擂鉢池。


夫婦駅周辺もお花畑が広がっている。エゾコザクラの大群落。本州では、ハクサンコザクラと呼ばれているが、それよりは少し小さいという。


コエゾツガザクラの群落。


コエゾツガザクラの中で目立つアオノツガザクラ。


ミヤマアキノキリンソウ。


メアカンキンバイ。


お花畑前で記念撮影。


11:38。姿見駅に到着。


ロープウェイ山麓駅に降りて昼食。その後、十勝岳山麓にある吹上温泉白銀荘に移動する。白銀荘前からは、4日目に登る三段山や十勝岳の一部が良く見えた。


白銀荘は、温泉付きの自炊宿なので、夕食は買いだしてきた食材で自炊だ。“男山”のTシャツがかっこいい。


料理が揃ったところで夕食だ。


3日目は、いよいよ十勝岳縦走だ。

参考1.大雪山旭岳のコースマップ


参考2.大雪山旭岳の高低図&コースタイム


「2020北海道大雪山系・十勝山系ツアー:3日目吹上温泉~十勝岳」に続く。

2020北海道大雪山系・十勝山系ツアー:1日目旭山動物園

2020-07-27 22:23:04 | 山登り
Nさんの呼びかけで、北海道の二つの名山を縦走登山する機会が出来た。4泊5日で大雪山と十勝岳周辺を縦走するというプランだ。ただ、初日は自分の都合で参加できなかったので、1日遅れで現地集合して参加する事にした。

Nさん達は、初日から大雪山の旭岳温泉から層雲峡へ縦走する計画でいたらしいが、初日から雨で急遽計画変更して観光プランにしたという。私の1日目は、旭川空港に迎えに来たメンバーたちと共に旭川で一番の観光地である旭山動物園に向かう。旭山動物園は既に行ったことがあったが、女性メンバーが初めてだという事で楽しみにしていたようだ。

旭山動物園は、動物の自然な生態が見られる行動展示を実施して、一躍有名になった動物園だ。ほとんど動かない動物しか見られない普通の動物園と比べ、リアルな動物の動きが目の前で見ることが出来るので、いつまで見ても飽きない。以下、いろいろな動物たちの様子だ。

優雅に寝そびるライオン。


水中を自在に泳ぎ回るカバ。


水槽の中を一気に潜っていくペンギン。


整列しながら歩いていくペンギン。


ノッシノッシと歩き回るアムール虎。その大きさに圧倒される。


シロクマ。ちょっと動きが少なかった。


眼光が鋭いオオカミ。


立派な角を持ったニホンジカ。


猿山を縦横無尽に駆け回るニホンザル。




ゆっくりだが確実に塔の先端に登っていくオランウータン。


旭山動物園を充分堪能して、旭岳温泉・大雪山白樺荘に向かう。大雪山白樺荘は、大雪山国立公園の主峰・旭岳の中腹にある旭岳温泉街にある。旅館とユースホステルを兼ねた宿で、源泉掛け流しの温泉と旭岳を正面に望む位置にあり、旭岳登山の絶好の基地となる。この日の夜は、参加メンバー6人で翌日からの登山の無事を祈り英気を養う。


「2020北海道大雪山系・十勝山系ツアー:2日目大雪山旭岳ピストン登山」に続く。

2020飯豊山縦走登山:4日目梅花皮小屋~北股岳~門内岳~飯豊山荘

2020-07-23 06:29:01 | 山登り
前日の深夜から、雨と風が強くなり急激に天候が悪化していた。午前2時半くらいには起きて朝食を済ます。当初、4時には小屋を出て出発する予定だったが、あまりにも風が強いので様子見しながら1時間ほど小屋で待機する。このまま風が強くて出発が遅れると、帰りの電車に乗り遅れ、今日中に帰れないのではと不安がよぎる。

風はあるが、雨は止んできていたので、とりあえず出発してみようと梅花皮小屋を出る。辺りはガスに覆われ視界が効かないが、天気は回復傾向にあるとの天気予報を信じ、5時少し前にスタートする。


風に晒されながらも、20分もかからずに北股岳2025mに到着する。


北股岳から門内岳に向かうルート上も、ニッコウキスゲの群落が凄い。ガスの中でも、黄色がやけに目立つ。


6:09。門内岳1887mに到着。幾分風も収まり、視界も広がってきた。


門内岳直下の門内小屋で、前日先行して歩いていた単独行の登山者と出会う。かなりハイペースで歩く人だったが、小屋ではのんびりしていたようだ。我々が先に歩いて行っても、あっという間に追いつかれ、直ぐに見えなくなった。


門内小屋からは、いよいよ下山ルートに入っていく。登山道には、ヒメサユリがまたしても咲き乱れていた。


6:32。胎内山1890mを通過。


扇ノ地紙から下山ルートの梶川尾根に入る。大きな木がなく、しばらくは広い草原の中を下っていく。


ガスも薄くなり、遠くの山々が少しずつ見えてきた。


やがて陽が射し、水滴に濡れた草がキラキラ光ってきた。


気持ちの良い稜線歩きとなり、池塘もちらほら出てきた。


前日歩いた縦走ルートが一望できた。雲の上にチラッと頭を出したのが飯豊本山だろうか?


7:30。梶川峰に到着する。前日泊った梅花皮小屋も見えた。


だが、気持ち良い稜線歩きは、梶川峰で終わりだった。その後は、急な下りが続く。ロープに捕まって下る岩場も出てきた。


標高が下がるにつれて、気温が上がり暑くなってきた。五郎清水で休憩して、冷たい水を汲みに行く。飯豊山は水場が豊富にあることが一番有難い。


もう上りはないと思っていたら、いきなりの急登があり最後の休憩所、湯沢峰に到着する。


その後は、休憩できるような場所はほとんどなく、グングン下っていく。ちょっと足を踏み外せば、一気に転げ落ちていきそうな登山道である。最後の岩場もロープを持って慎重に下る。


11:19。湯沢峰からの標高差600mほどを一気に下り、登山口に到着する。百名山の中でも最難関と呼ばれる飯豊山を縦走できて本当に良かった。当初、天気があまり良くないと予想していたが、実際歩いてみれば、登山中は全く雨に降られることもなく、絶好の登山日和だったことは奇跡的だった。


橋を渡れば、登山口の駐車場だ。


その先には、温泉がある飯豊山荘の建物があり、4日ぶりに風呂に入ることが出来た。


スタート時間を1時間遅らせての山行になったが、終わってみれば予定時間よりも早い下山となり、ハイペースの下山だった。健脚のメンバーが揃っていたことが大きな要因だ。みんな事故もなく無事に下山できたことも良かった。飯豊山荘からは13時のバスに乗って小国駅に向かう。


小国駅は、マタギのカオハメ看板やクマの剥製が飾られている。


その後、米沢まで向かい、山形新幹線で帰路についた。

参考1.4日目のコースマップ


参考2.4日目の高低図&コースタイム

2020飯豊山縦走登山:3日目切合小屋~飯豊本山~烏帽子岳~梅花皮小屋

2020-07-22 18:28:45 | 山登り
3日目は、今回のメインルートとなる飯豊山縦走コースだ。飯豊山の主要な峰々をいくつも越えていかなければならない。5時の朝食を食べ終えると、急いで支度をして切合小屋を出発する。


切合小屋を出ると、さっそく雪渓歩きだ。まだ、夏道が露出しておらずコチコチに凍った雪渓の上を歩いていかなければならない。


見た目以上に傾斜もあり、ちょっと気を抜くと滑り落ちてしまいそうだ。念のため持ってきたアイゼンがさっそく出番となった。


6:22。「姥権現」に着いた。飯豊山は、昔は女人禁制の山であった。江戸時代に禁を破って飯豊山中に入った「小松のマエ」という女が、神の怒りに触れて石に変えられたという伝説が残っており、「姥権現」は、マエを祀ったものと言われている。


「御秘所(おひしょ)」と言われる岩場を通過する。鎖があり、注意して歩けば大丈夫だが、両側がスパッと切り落ちた断崖絶壁のスリルある場所だ。


前方には、飯豊山の最高峰である大日岳の姿も見えている。


ここからの長い上りの岩場は、「御前坂(おんまえざか)」だ。ここを超えると本山小屋・飯豊山神社が待っている。


本山小屋近くに咲いていたイイデリンドウ。飯豊本山の山頂付近にだけ咲く貴重な花だ。しかも、天気の良い日にしか咲くことがないという非常に珍しい花でもある。


7:17。本山小屋に到着する。本山小屋の前には、飯豊神社がある。


飯豊山の主峰・飯豊本山は、まだもう少し先だ。山頂を示す標柱が、うっすら見えた。


山頂のすぐ手前で、ヒメサユリが群生していた。途中途中で何度も見かけたが、これほどかたまって咲いているところを見られたのはラッキーだった。


7:47。飯豊本山2105mに到着する。日本百名山・飯豊山の盟主にふさわしい展望が広がっている。


目の前には、雲海が広がり東北の山並みが一望できる。


ほとんどの登山者は、飯豊本山で折り返して下山してしまっていた。縦走コースで行く登山者は、この日は全くいないようだ。30分ほど進むと、駒形山2038mに到着する。


御西岳2012mは、どこが山頂なのかよくわからないようなピークだ。お花畑が広がるなだらかな山稜でコバイケイソウが所々で見られる。


ニッコウキスゲが、見渡す限り咲き誇っている。


ミヤマキンポウゲも群生している。


一瞬霧が晴れて、御西小屋と大日岳が見えた。大日岳は標高が2128mあり、飯豊山の最高峰ではあるが、今回は時間の関係で姿を見るだけで済ます。


9:29。御西小屋に到着する。ここで、行動食を食べたりして小休止だ。資料を見ると、三国岳から御西小屋までの幅1m程度の登山道の土地は、全て福島県の土地だという。新潟県と山形県との境に福島県が細長く入り組んだ何とも奇妙な県境だ。かつて新潟県と福島県が県境を巡り、争ったことがきっかけでこのような形になったそうだ。


御西小屋から烏帽子岳に向かう稜線は、雪渓が至る所に残っていて、緊張を強いられるルートだ。


御西小屋で出会った単独行の男性登山者が、ピッケル一つで颯爽と雪渓を歩いて行くのが見える。


とりあえずの目標は、前方に見える尖ったピークの烏帽子岳だ。まだまだ先は長い。


10:06。「天狗の庭」に到着する。


シラネアオイがかたまって咲いていた。5月から6月くらいの雪解けを待って咲く花だが、今頃咲いているという事は、雪解けが如何に遅いという事なのだろう。


10:54。「御手洗ノ池」に到着する。まだ、半分近くは雪に埋まっている。


こんな雪渓を何度も渡る。


12:26。烏帽子岳2018mに到着する。御西小屋から約3時間。なかなか険しい道のりだった。


烏帽子岳から梅花皮(かいらぎ)岳を経て下っていくと、今日の目的地である梅花皮小屋が見えてきた。


13:15。梅花皮小屋に到着する。スタート時間が早かったこともあるが、コースタイムをかなり上回るペースで歩いていたようで、予定より大分早く小屋に着いてしまった。あと、1時間半くらい歩けば、次の小屋まで行けそうだったが、疲労満杯で歩けそうにないメンバーもいて、この日は、予定通り梅花皮小屋で宿泊することにした。

この日は、夕方まで好天が続き、快適な山小屋でまったりと時間を過ごす。我々以外に泊まる登山者はなく、この日も貸し切り状態となった。

参考1.3日目のコースマップ


参考2.3日目の高低図&コースタイム


「2020飯豊山縦走登山:4日目梅花皮小屋~北股岳~門内岳~飯豊山荘」に続く。

2020飯豊山縦走登山:2日目大日杉小屋~地蔵岳~切合小屋

2020-07-21 18:59:13 | 山登り
早朝、小屋の窓から外を見ると、数人の登山者が山に入って行ったのが見えた。6:00。大日杉小屋を出発する。


登山道に入ってすぐ、大日杉という大きな杉の木がかつてはあったらしいが、今はその切株跡しか残っていない。奥深い山の雰囲気を感じながら、しばらく登っていくと、突然鎖場が現れた。


飯豊山は、どこのコースから登っても厳しいと聞いていたが、大日杉登山コースも半端じゃなかった。どのコースも距離が長く、登山口から山頂までの標高差は約1,500mもあり上級者向けの山である。


鎖場を登り切ったところの看板を見ると、“ざんげ坂”と書いてあった。標高差300mを一気に登ってきたわけだ。食料や寝袋を詰め込んだリュックがいつもに増して重たいから、急坂は応える。あまりにもキツイ坂だから神様にざんげして楽にして欲しいという気にさせられる場所なのだろうか。


ざんげ坂からさらに1時間ほど登っていくと、木立の隙間から雲海に浮かぶ山々が見えてきた。やっと雲の上に出てきたわけだ。


そしてさらに1時間ほど歩くと、まだら模様に残った雪渓を被った飯豊山が見えてきた。


登山道の湿った片隅には、ギンリョウソウが咲き出していた。ギンリョウソウは、葉緑素を欠いているため、大部分が白色で、菌類から栄養を得ているという。特に光を必要としないため、暗い森の中でよく見る植物だ。


回りの景色が良く見えるようになってきたので、気分的に楽になってきた。


そして、登山道の脇には、可憐な花が見られるようになってきた。


ピンクの花は、東北地方の一部の山域でしか咲いていないというヒメサユリだ。この花を最初に見ることが出来て、やはり、飯豊山は花の百名山でもあるのだと改めて思い知った。


8:52。地蔵岳1539mに到着する。地蔵岳は、大日杉小屋からの登山道にあり、飯豊山を展望する山として知られている。


地蔵岳山頂から少し上がった展望がいい場所から飯豊山を臨む。


草原の中には、いたるところでニッコウキスゲが見られるようになってきた。


花の百名山と言われるだけあって、いろんな花が見られるようになってきた。ピンクの花は、クルマバナだろうか。


もう終わりかけのハクサンチドリ。


タコが口を広げたようなヨウラクツツジ。


11:40。御坪と呼ばれる場所に到着する。小さな社の前には、賽銭が供えられており、信仰の場所なのだろう。


雪渓が間近に見られるようになってきた。前の方には小屋が見える。この日の宿となる切合小屋のようだ。


雪渓の雪が溶けだし、沢となって流れ落ちている。


沢水は豊富で、触ってみると冷たい。


雪渓が近いこともあり、雪解けを待って咲き出した可憐な花々が至る所で見られる。岩場に多く生え、葉に光沢があることから「鏡」に見立てたイワカガミ。


高い山では必ず見かけ、大群落を作るチングルマ。


日本海側の高山帯(白山から飯豊山にかけて)に分布し、雪渓周辺や湿地帯などの湿った場所に群生するハクサンコザクラ。


いよいよ最後の上りだが、切合小屋まで行く登山道が雪渓に埋もれているので、雪渓を避け、踏み跡を探しながら登っていく。




13:17。切合小屋に到着する。計画では14時くらいの到着予定だったが、思ったより早く着いてしまった。


大分時間があり、寒くもないので小屋の前の休憩スペースでこの日の反省会だ。小屋で買った高額のビールを大事に飲み干す。


切合小屋は、飯豊山の中では唯一、食事が出る小屋だ。17時の夕食のカレーをお代わりまでして、たらふく食べたあと、しばらく横になっていると、夕焼けが見えるという声を聞き、いそいで小屋の外に出てみる。なんと、飯豊山の最高峰である大日岳や尾西岳が赤く染まっているのが見える。神秘的な風景だった。


小屋に戻ると、もうやることはない。明かりもなく、明日の山行に備えて早めに眠りについた。翌日は、今回のメインである縦走ルートの山行だ。

参考1.2日目のコースマップ


参考2.2日目の高低図&コースタイム


「2020飯豊山縦走登山:3日目切合小屋~飯豊本山~烏帽子岳~梅花皮小屋」に続く。

2020飯豊山縦走登山:1日目大日杉小屋へ

2020-07-20 16:42:59 | 山登り
3年ぶりに、福島、山形、新潟3県に跨る飯豊山を歩いてきた。飯豊山は、朝日山地と並び東北アルプスの異名を持ち、山容が非常に大きく万年雪も残るため、充分な装備が必要な山域である。前回は、飯豊本山と最高峰の大日岳迄のピストン登山であったが、飯豊をとことん味わって歩くなら縦走登山しかないと、前から思っていたので、今回はその思いをどうしても達成したいと考えていた。

因みに飯豊山の飯豊は「いいで」と読む。名前の由来は、いろんな説があるらしいが、会津側から見た飯豊山はまるで山盛りに盛られたご飯茶碗の様だという意味の、「山容飯を豊に盛るが如き」と昔の文献に記されていたことだと言われているらしい。そして、古代の読みでは「豊」を「で」と読んでいたとも言われている。

飯豊山はさまざまなコースから登ることができるが、今回は、山形県側の大日杉登山口から登る事にした。山形新幹線で米沢まで行き、そこから米坂線に乗り換え、羽前椿駅で下車する。羽前椿駅で現地集合のSさんと合流し、予約しておいたタクシーに乗って4人で大日杉小屋に向かう。


大日杉小屋までの道路は、舗装されたいい道で、車で簡単に行くことが出来る。小屋に近づくと道路沿いの川には、雪解け水らしい豊富な水が流れていた。


タクシーを降りて、前方を見ると赤い三角屋根の立派な山小屋が見えてきた。


小屋前には、大日杉からの登山道を開拓した山田長之助さんの顕彰碑が建っている。


階段を上がると玄関があり、中に入ってみる。通常は避難小屋なので無人の施設だ。この日も誰もいないようで、3階の寝床に思う存分荷物を広げてくつろぐ。その後も、誰一人入ってくる様子はなく、我々だけの宿泊となった。


2階のきれいな食堂で、夕食を食べる。奥には、トイレも完備していて山小屋とは思えないほどの立派な施設だ。


電気が止められているので、日が暮れると、辺りは全くの暗闇になってしまう。食事をしたらやることもないので19時過ぎには、みんな就寝していた。翌朝は、早々に起きて、飯豊山縦走登山の開始だ。

「2020飯豊山縦走登山:2日目大日杉小屋~地蔵岳~切合小屋」に続く。

2020夏・塩の道トレイル:根知駅~糸魚川

2020-07-07 22:38:59 | マラソン
姫川温泉は、武田信玄も好んだ信州の秘湯である。長野県小谷村と新潟県糸魚川市の二つの県境にまたがり、美しい清流姫川沿いに位置し、北アルプスに連なる美しい山並みとローカルな雰囲気を持つ大糸線の電車が目の前を走り、山奥の田舎ならではの景色が楽しめる温泉だ。前日の雨は一休みで、曇り空だが雨は止んでいた。早朝、目が覚めてさっそく名物の露天風呂に向かう。宿の裏口から外に出ると、更衣室の建物があった。


前日の疲れが、露天風呂に浸かると、どんどん癒されていくようだった。


朝食を済ませ、宿の玄関前に集合してスタート前の記念写真を撮る。


2台の車に便乗して、2日目のスタート地点となる大糸線の根知駅まで向かう。前日のゴール地点として予定していた場所だ。


根知駅に車を置いて、塩の道の入り口まで向かう。


途中で、この辺りの地酒を造っている酒蔵を見つけ、立ち寄って行く。“根知男山”というブランドの日本酒を作っているそうだ。開店時間までは、まだ大分早い時間だったが、ちょうどお店の人が外にいて、中に招き入れてくれた。


酒蔵で買い物をしてから、塩の道の続きコースに入る。塩の道コースからすぐ近くには、“フォッサマグナパーク”という、糸魚川-静岡構造線を人工的に露出させた断層見学公園がある。フォッサマグナという名前だけは知っているが、どんな場所なのか知らないので、ここにも寄り道していく。入り口にはなぜかドラえもんが立っていた。


フォッサマグナとは、ラテン語で「大きな溝」という意味だという。明治時代に日本に来たドイツの地質学者・ナウマン博士が発見し、命名したそうだ。断層破砕帯をはさんで、東側の約1600万年前の岩石と、西側の約4億年前の岩石が接しており、その断層の一部が展示されている。


下の方に見える断層が、実際のフォッサマグナの西側境界線になる「糸魚川-静岡構造線」だ。


フォッサマグナパークを出て、再び塩の道の本ルートに戻る。


松本街道とよばれた緩やかな丘陵地帯に入る。


中山峠。この下を大糸線のトンネルが通っている。


杉林の中の緩やかな道を進む。昨日のアドベンチャーコースとは打って変わって気持ちよく歩ける。


ウトウと呼ばれる場所を抜けていく。ウトウとは、塩の道の勾配をゆるやかにするために、人工的に削られたU字形の凹地だ。大野のウトウは特に見事で、塩の道の名所となっている。


大野神社は船主や船頭たちが航海の無事を祈り、船絵馬を奉納し信仰を集めたという。


十王堂。十王とは仏教と道教とが混じり合って伝えられ信仰されたものと云われており、閻魔大王をはじめとした死者を司る10人の大王が祀られている。十王堂は村の出入口にある場合が多いそうだ。


塩の道と並行して大糸線の1輛だけの車両が走っていく。


美山公園に着くと、かつて糸魚川から松本迄塩を運んだ歩荷の像があった。歩荷の苦労を偲びつつ歩荷像と一緒に記念撮影。


北陸自動車道の上を通過する。ここまでくれば日本海は近い。


坂を下っていくと、日本海が見えてきた。長い山道を下ってきて、やっと海が近付いてきたと思うと感慨深い。


西性寺境内の「牛つなぎ石」。塩を運ぶ牛方衆が商いをする際にこのような円柱型の立石に縄を廻して、同伴の牛を繫ぎ止めたとされる。


11:38。塩の道の起点に到着。松本から120キロ、よくぞここまで来たものだ。


みんな、お疲れさまでした。


ここで終わりでは、ちょっと寂しい。もう少し歩いて日本海が見える場所まで行ってゴールとする。国道を地下道で横断して階段を上がって行くと大町展望台だ。


展望台の前は、テトラポッドが敷き詰められ、海岸に入ることはできない。日本海の水に手を漬けてみたいと思っていたが、展望を楽しむだけで良しとした。薄曇りだったが、佐渡島や能登半島がうっすら見えた。


糸魚川駅前の「海望公園」にある奴奈川姫と建御名方命の母子像。奴奈川姫(ぬなかわひめ)とは、神話の時代、ヒスイを用いて祭祀を行い、現在の新潟県南西部(旧西頸城郡)を治めたとされる女王。古事記では出雲の大国主命と結ばれ建御名方命(たけみなかたのみこと)を産んだ母神とも伝わっている。


北陸新幹線も止まる立派な糸魚川駅。


糸魚川駅から大糸線に乗って根知駅まで戻り、車を回収して小谷まで向かう。


小谷村の道の駅の温泉に入って、今回の塩の道トレイルツアーを解散した。塩の道の起点と終点はこれで終わったが、白馬村の一部がまだ未踏破である。年内にもう1回やって、塩の道トレイルの完全制覇としたい。

参考1.根知駅~糸魚川のコースマップ


参考2.根知駅~糸魚川の高低図&コースタイム