とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

映画『おくりびと』を見た

2009-02-28 21:48:38 | 映画
アカデミー賞外国語映画賞を受賞して一気に注目度が上がった『おくりびと』をやっと見ることができた。今日から地元映画館でもアカデミー賞受賞凱旋公演として1週間ほど再上映される。ニュースでも映画館がすごい賑わいという話を聞き、前日インターネットでチケットを取っておいたので入場は楽だった。映画館はほぼ満席で、中高年のお客がほとんどであった。

内容は、何度もテレビで報道されており、ほとんどの人が知っていると思うが、ひょんなことから遺体を棺に納める“納棺師”となった男が、仕事を通して触れた人間模様や上司の影響を受けながら成長していく姿を描いた作品だ。監督は『壬生義士伝』の滝田洋二郎、キャストには本木雅弘、広末涼子、山崎努ら実力派がそろっている。

今までこんな職業があることすら知らなかったが、納棺師の行う死化粧と納棺の儀式は死者の尊厳を最後まで保ち美しくすら思える。死者を扱うというだけで、汚らわしい職業として差別されかねない。しかし、死者へのいたわり、着替えも肌を見せないようにする配慮、生前の美しさを引き立てる優しさは遺族の態度を変化させる。この納棺師の美しい死の儀式は一度でも家族をおくったものであれば涙が浮かんでくることであろう。自分の父親をおくった時、これに似た情景があったことを思い出した。この時は納棺師という職業は知らなかったが、丁重に遺体を扱ってくれていた記憶がある。

本木雅弘演じる納棺師の所作は、死に装束の着物の衣ずれの音まで耳に心地よく響く。彼の所作ひとつひとつが指先まで神経が行き届いてまさに“匠の仕事”である。重いテーマながら軽妙なタッチで見せられるので時折笑いも出てくる。ドラマチックな部分はそれほどないが、しんみり山形の町並みや四季、ストーリーが流れ、一人の納棺師として成長していく様が描かれている。映画としての派手な部分はまったくないが、この日本的な儀式に外国人の心にも訴えるものがあったのであろう。

涙がとめどなく溢れるということはないが、死者をおくるいろんな家族のシーンを見るたびに涙がにじんできた。大事な家族や愛する人を失った時、こんなにも美しく丁重に扱ってくれたら安心しておくる事ができる。火葬場でのシーンで「死は門である」という言葉があった。つまり死は終わりではなく、次の世界への門をくぐり抜けるに過ぎないという意味のようだ。そんな話を聞くと安心できるような気がする。普段ドライに考えて終わってしまいがちなテーマだったが、この映画を見て死者をおくるという意味を改めて考え直すことができた。

立山に生きる奇跡の鳥 ライチョウ

2009-02-27 22:18:46 | 山登り
NHKの『金とく』という番組でライチョウの生態についての放送があった。8メートルもの雪が積もる北アルプス・立山。その厳しい世界で生きるライチョウは、「氷河期の生きた化石」と呼ばれてる。年に数回北アルプスに登ると、運がよければライチョウに会える。高山で出会える生き物の中ではライチョウに会えた時は特に幸せな気分になる。

番組では、ライチョウたちが懸命に生きる姿を一年にわたって撮影していた。初めて見た映像もたくさんあり、貴重な映像を見せてもらった。ライチョウの体の特徴は3つある。1つ目がアイゼンの役目の滑り止めになる足の爪、2つ目がピッケルのように尖った嘴、3つ目がダウンジャケットのように温かい羽毛である。この3つの特徴が厳しい雪山の中で生きていくことができる要因である。特に足の形はウサギの足に似ている。ライチョウの学名が「ウサギ足のだんまり屋」というのは面白い表現である。

ライチョウの縄張りはハイマツ帯の中である。冬は雪の下にあるハイマツを鋭い嘴で突っつく。雪が溶け花が咲き出すと、花に集まる虫を食べる。花が終わり実がなると果実が餌となる。日本全体でのライチョウの生息数は3000羽といわれており、立山が最も生息数が多いそうだ。立山は、ライチョウが生息する条件が最もいい地域であり、まさに楽園なのである。

ライチョウが面白いのは、山の景色にあわせて姿を変えることである。夏はまだら模様で岩肌のような羽の色をしているが、冬になると純白の羽に変わる。これは天敵のハヤブサやオコジョ等から身を守るためである。冬は雪に中に同化、夏は岩に同化してハヤブサの目から逃れる。また、天気のいい時は、ハイマツ帯の下に隠れ行動しない。出会えるのは、ガスがかかり視界が悪くなった時が多い。気圧の変化を感じ取り、天気が悪く空から見つけられないような時に行動するのである。だから、ライチョウに出会うと天気が悪くなると言われている。

番組に中で、特に驚いたのがオス同士で縄張り争いをするシーンである。飛ぶことがないと思っていたライチョウが別のオスを追い払う為に見事に飛んでいた。飛ぶのに疲れると走りながらバトルを繰り広げるシーンにはびっくりした。まさに壮絶な肉弾戦である。この戦いに勝ったオスだけがメスと交尾して子孫を残すのだ。7羽ほどの雛が孵るが1年を生き延びるのは1羽か2羽しかいないそうだ。その厳しい自然の中で生き延びているライチョウはまさに奇跡の鳥である。このライチョウにまた出会えることを楽しみに、アルプスの山々に今年も出かけてみたい。



自動車免許の更新

2009-02-26 23:12:46 | 
手続き期間の終了までの日は大分あるが、免許証の更新の案内が来ていたので、午前中、近くの免許センターに行って更新の手続きをしてきた。免許証の色はブルーで講習区分は違反運転者である。実は3年前に、指定方向外通行禁止違反をやってしまい、それまで守ってきたゴールド免許をフイにしてしまっていたのだ。山登りに出かけた時だが、駐車場を探してウロウロしていて、たまたま見えた駐車場のマークに目が合ってしまいあわてて右折したのだ。だが、そこは右折禁止の場所だったのである。しかも、反対車線にはパトカーが止まっていて、即座に追いかけられて違反切符を切られてしまった。パトカーが前にいたのも気付かなかったのだから、どうしようもない。

ゴールド免許だったら、講習も直ぐに終わるのだが、違反運転手ということでみっちり講習を受けさせられた。交通安全の講習は、毎度ながら最初にビデオを見せられる。今回は、飲酒運転で人を死なせてしまい交通刑務所に入った男の話だ。会社は首になり、妻は流産、子供も親がいなくて寂しい毎日と悲惨な話である。交通事故がいかに被害者と加害者のそれぞれに深い傷を残すという教訓めいた話が多い。見終わった後は、こんなことにならないように気をつけようといつも思う。だが、日が経つにつれ、そんな気持ちが薄らいでいってしまうのが心配だ。

ビデオの後は、最近の事故の事例や改正された交通法規の講義等があり、最後に更新された免許証が交付された。まだ色はブルーだ。3年後の次の更新時まで無事故無違反が続けばゴールド免許に戻ることができる。頑張って、無事故無違反を続けていかねば。

最近のエコに関する話題

2009-02-25 22:32:07 | エコ
ちょっと不景気な話が多いこの頃だが、最近発売されたホンダの「インサイト」が好調らしい。販売価格が189万円と、トヨタの「プリウス」(233万円)より大幅に安いことから注文が殺到しているとの事だ。インサイトの国内販売目標は月5000台だが、受注台数は今月末までに1万5000台を超える見通しである。また、販売店には客が増え小型車「フィット」などの販売も増加していて、ホンダの販売全体を底上げしているそうである。一時期急速に落ち込んだ来年度の自動車販売計画も、最終的には今年度と同水準になりそうである。

高燃費で値段も安ければ消費者も手が出しやすい。今は、消費者のニーズに合致すれば不景気ながら売れるものは売れるのである。まだまだ日本の経済はどん底ではないのだ。先が見えないから、みんなお金をしまいこんでいるのだが、魅力的で買ってよかったと思わせるものにはお金を出せるのが日本人である。また、インサイトに対抗するプリウスの新型は6月発売になる。こちらは値段が少し高いが、燃費はインサイトをさらに上回る高燃費になる。今年はホンダとトヨタのハイブリッド車が日本の自動車業界を牽引していくものと思われる。

もう一つエコに関する話題として、経済産業省で太陽光発電による電力を電気事業者が1kWh当たり50円弱という高値で買い取ることを義務付ける仕組みを検討しているというニュースだ。つまり現在の電力料金の2倍程度で買い取るようにするということである。ただ、電力会社が買い取り金額を負担するので一般の電気料金への上乗せでカバーすることになる。つまり電気料金は少し高くなる。高くなっても一月あたり100円以下らしいのでそんなに負担感はないかもしれない。経産省は今国会中に法案を提出し2010年にも実施する方針で,さらに予算がついている家庭向け太陽光発電システムの設置補助金制度と併用するとしている。早くシステムを導入するほど大きいメリットを得られるしくみだ。

今までの買取金額では、太陽光発電の償却は20年とされていたが、この仕組みができると10年くらいで償却できそうである。あとは、補助金の額を上積みして一般家庭でも手が届く値段になってくれば太陽光発電も大幅に増えるかもしれない。利用者が増えればシステムの単価も下がり、さらに普及が進む。このあたりを政府が大きく後押ししてくれたら、日本の産業構造の転換が進み、新たな雇用の創出など経済効果が見込めるのではないかと思う。



アカデミー賞を見ていた

2009-02-24 20:55:28 | 映画
昨日はWOWOWでアカデミー賞の中継があったので予約録画して見た。結果はわかっていたが、やはり「おくりびと」の受賞の瞬間は感激した。滝田監督、本木君、広末涼子、余貴美子が壇上に上がった時は鳥肌が立った。日本人俳優や日本映画がいままでにも何度もノミネートされていたけど、いつも肩透かしだったので本当にうれしい。とはいえ、この映画まだ見てない。見たい見たいと思ってる間に終わってしまい、がっかりしてたのだが、各地の映画館で凱旋上映が決まったようだ。地元の映画館でも上映が決まったようなので見に行くつもりである。

今年のアカデミー賞の司会はヒュー・ジャックマン。X-menのミュータントのイメージが強いのだが、近日公開の「オーストラリア」では二コール・キッドマンと競演でかっこいい役をやっている。司会はもちろん、歌や踊りも入って芸達者振りを見せていたし、ジョークも決まっていた。

主要部門の発表方法は、過去に受賞した五人の男優、女優が出てきてノミネート者を讃え最後に受賞者の発表となる。これも有名な俳優ばかりなので、見ごたえがあった。賞をとった作品のなかで見たことがあるのは「ダークナイト」と「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」だけなのだが、やはり「スラムドッグ$ミリオネア」は見てみたい。他にもノミネートだけで終わった作品でも良さそうな映画が幾つかあった。アカデミー賞の雰囲気はやはり華やかで映画のよさを感じさせてくれる。来年はどんな映画が選ばれるのか楽しみである。

各賞の結果はこちら。

☆作品賞
「スラムドッグ$ミリオネア」
「☆監督賞
ダニー・ボイル監督 「スラムドッグ$ミリオネア」
☆主演男優賞
ショーン・ペン 「ミルク」
☆主演女優賞
ケイト・ウィンスレット 「愛を読むひと」
☆助演男優賞
ヒース・レジャー 「ダークナイト」
☆助演女優賞
ペネロペ・クルス 「それでも恋するバルセロナ」
☆外国語映画賞
「おくりびと」 日本
☆長編アニメ映画賞
「ウォーリー」
☆長編ドキュメンタリー賞
「マン・オン・ワイヤー」(原題)
☆短編ドキュメンタリー賞
「スマイル・ピンキ」(原題)
☆脚本賞
「ミルク」
☆脚色賞
「スラムドッグ$ミリオネア」
☆撮影賞
「スラムドッグ$ミリオネア」
☆編集賞
「スラムドッグ$ミリオネア」
☆美術賞
「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」
☆衣装デザイン賞
「ある公爵夫人の生涯」
☆作曲賞
「スラムドッグ$ミリオネア」
☆歌曲賞
“Jai Ho” (「スラムドッグ$ミリオネア」)
☆録音賞
「スラムドッグ$ミリオネア」
☆音響編集賞
「ダークナイト」
☆メイクアップ賞
「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」
☆視覚効果賞
「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」
☆短編実写映画賞
「トイランド」(原題)
☆短編アニメ映画賞
「つみきのいえ」

「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」を見た

2009-02-23 21:07:07 | 映画
今日、アカデミー賞の発表があった。結果は、『スラムドッグ$ミリオネア』が作品賞を含む8冠に輝いた。『ベンジャミン・バトン 数奇な運命』を先日見たので、こちらが作品賞をとったらちょうどタイムリーな日記になると思い投稿を伸ばしていて、あてが外れたがそれでもメイクアップ賞などの3冠をとっており、いい映画に変わりはない。また、外国語映画賞に『おくりびと』が選ばれたことは快挙だ。これは期待していただけあって嬉しい。『スラムドッグ$ミリオネア』は未公開なので、公開されたら見ることにして、まずは『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』について語ることにする。



解説: F・スコット・フィッツジェラルドの短編小説を『セブン』のデヴィッド・フィンチャーが映画化した感動巨編。第一次世界大戦時から21世紀に至るまでのニューオリンズを舞台に、80代で生まれ、徐々に若返っていく男の数奇な運命が描かれる。主人公のベンジャミン・バトンを演じるのはフィンチャー監督作に3度目の主演となるブラッド・ピット。共演は『バベル』でもブラッドと顔を合わせたケイト・ブランシェット。誰とも違う人生の旅路を歩む、ベンジャミン・バトンの運命の行方に注目だ。

解説のとおり、老人として生まれた子供が、成長するにつれ若返り、赤ん坊として一生を終えるという、とんでもない主人公の設定は予告編でも流されており話の流れは大体の人がわかっているはずである。なぜそんな人間が生まれたかなどの疑問はこの際どうでもいい。もちろんホラー映画ではない。普通の人生の流れの中に、まったく逆の人生の流れにのった男が交差する感動のドラマだ。そこから生まれるさまざまな人生の問題と物語を、見ることになる。

ドラマは、子供の戦死を嘆き悲しむ時計職人が逆回りする時計を作ってしまったというエピソードから始まる。ボタン職人の息子として生まれた赤ん坊は、母親の死と引き換えに生まれる。父親は、80代の老人の顔をしている赤ん坊を見て忌まわしいものとして捨て子にしてしまうのだ。捨て子は、黒人の女性に引き取られベンジャミンと名付けられる。ベンジャミンは、老人ホームの中で育てられていく。子供の体をした老人が徐々に颯爽とした老人に変わっていく様は不思議である。この役はブラッド・ピットが演じるのだが子役に代わるまでは、すべて本人が演じている。皺だらけの老人顔から10代の青年の時代まで特殊メイクで演じきっている。ただ、身長も変化しているわけでこのあたりはCGで合成されたものだと思うが、違和感ない映像となっている。そして、後半青年の顔になったブラッド・ピットは、息を呑むほど美しい。若い頃の映像を使ったのかメイクだけで若く見えているのかわからないが、これを見るだけでも一見の価値がある。

ベンジャミンは、老人ホームで少女だったデイジー(ケイト・ブランシェット)と運命の出会いをする。この二人の恋が成就するのはそれぞれの成長の流れが交差し心と体が一致した時だ。しかしそれも長い間続かない。デイジーは年を重ね老いてゆく。ベンジャミンはますます若返っていく。時間の流れを止められず、誰とも違う数奇な人生を歩まなくてはならない彼は、愛する人との出会いと別れを経験し、人生の喜びや死の悲しみを知りながら、時間を刻んでいくのである。

年をとるに従ってベンジャミンのように若返ることができたらどんなに素晴らしいかと思える部分もあるが、愛する人と一緒に生きていけなければ寂しい。3時間近い長い映画であったが、数奇な運命に惑わされる男女に目が離せなかった。どんな人生になったとしても人間は過去をやり直すことはできないのだ。人は常に前向きに生きていかなければならないということを感じさせられた映画だった。





浜松シティマラソンを走る

2009-02-22 18:54:35 | マラソン


今日は温かい日差しの中、地元の「浜松シティマラソン」を走ってきた。種目は3キロ、5キロ、10キロ、10マイルの4種目であり一番長い10マイルを走った。第1回の開催時はハーフの種目があったのだが、周辺の主要国道の交通規制の絡み等から、マラソンに理解ない人たちからのクレームにより10マイルという変則的な種目が設けられるようになった。本当は、ハーフにして制限時間も緩めにして欲しいのだが、マラソンにはあまり先進的でない浜松市なので仕方ない。

コースは陸上競技場をスタートして、国道を横切り航空自衛隊の広大な敷地の周りを半周ほどして折り返し、元に戻る単調なコースである。3キロ、5キロは既に終わっているが10キロの選手たちが折り返し戻ってくる頃、10マイルの選手達とすれ違う。折り返しコースは顔見知りを見つけることができるので、声をかけたり、かけられたりするのがいい。

10マイル(約16キロ)の制限時間は、96分なので1キロあたり6分のペースで走らなくてはならない。普段からマラニックやウルトラマラソンをやっているので10キロ前後の大会はどちらかというと苦手だ。ゆっくり長く走るのを主力にすると5キロ、10キロあたりは早く終わってしまいキツイだけで楽しくない。それでも、制限時間には間に合いたいので、今日はいつもよりずっとハイペースで走った。結果は1時間25分ほどで走ることができた。1キロあたり5分20秒くらいの計算になる。昔はもっと早く走れたときもあったがこの程度で走れば充分だ。走り終えた後もダメージはなく、久しぶりにメリハリの利いた練習になったと思う。

10マイルが終わる頃には、3キロ、5キロの選手たちは帰ってしまい、会場は潮を引くように寂しくなっていた。距離が短い大会は選手間の交流はほとんどない。みんな自分の種目が終わればさっさと帰ってしまう。思い出が残るのはやっぱり距離の長いウルトラマラソンだ。今はウルトラに向けて、短いレースにも出て走りこむしかない。

人類がはじめて見る映像

2009-02-21 12:46:22 | サイエンス
動画はこちらへ

月周回衛星「かぐや(SELENE)」が2月10日に半影月食時の地球を撮影し、地球のダイヤモンドリングが見られる瞬間をとらえることに成功した。新聞でも報道されたので知っている人も多いかもしれないが、動画も公開されていたのでブログに載せてみた。

写真は「半影月食」時の地球をとらえた動画から切り出した静止画で、明るく光っているのが太陽、細いリングで囲まれた黒い部分が地球である。半影月食とは、太陽、地球、月がほぼ一直線に並び、月が地球の半影に入る(月から見て太陽が地球により一部隠されて(部分食となって)見える)現象である。「かぐや」が月食に遭遇するのは、最大で年に2度程とのことだ。

「かぐや」は、NHKが開発したハイビジョンカメラ(HDTV)を使って、「かぐや」から見た地球が太陽の大部分を覆い隠してダイヤモンドリングが見られるようすを動画に収めた。この現象が月から撮影されたのは、世界初のことであり人類が初めて見る映像となる。

月から見た地球の大気は青く、リング状に光って見える。宇宙から見た地球は、やはり美しい。こんな映像を見ると地球の環境は、かけがいのないものだと感じた。そして、今の時代は、自分の部屋で宇宙空間の様子を簡単に見ることができる。科学の進歩はすごいものだ。

落語会に行った

2009-02-20 21:02:05 | 呟き
昨日は、仕事が終わると直ぐに家に帰り、市内の市民ホールで行われた落語会に行ってきた。落語会に行くのは初めてである。出演した落語家は、笑点で有名な三遊亭楽太郎師匠と桂歌丸師匠である。講演タイトルは「二人会」だが、前座で桂花丸という落語家が登場したので3人の話を聞くことになった。

まず最初に登場した桂花丸さんは、開口一番「私のこと知ってる人いますか?」と始まった。もちろん知っている人はほとんどいない。最初から自虐的なギャグだが、これで一気に会場の空気が和んだ。花丸さんは、笑点にいつも出ているそうである。でも誰も顔を見た人がいない。座布団を運ぶ山田君に舞台裏から座布団を渡す役をやっているそうである。手ぐらいはテレビに映ったこともあるかもしれないが、顔は写ったことないようである。そんな話の後、蕎麦屋で代金をうまくごまかした男のまねをして、自分も代金をごまかそうとした男の話をしてくれた。オチは、ごまかすどころか余分に払ってしまうというバカな男の話である。前座とはいえ、最初から大いに笑わせてもらった。しかも、扇子を箸に見立てて蕎麦をすする仕草は、名人級であった。見ていて本当に美味しそうで、お腹が減ってきたくらい見事だった。

そして、次に登場したのが「楽ちゃん」こと三遊亭楽太郎師匠である。笑点でも歌丸師匠を罵倒しているだけあって、最近入院したばかりの歌丸師匠が今日も楽屋で寝てましたなんて話から始まった。そのまま入院してくれてたら自分が笑点の司会者になれたなんて話で笑わせてくれた。二人とも仲はきっといいから、こんな悪口を言い合えるのだろう。他には最近の政局の話題(先ごろの閣僚の飲酒?会見)をチクリと皮肉ったりして落語家はニュースも良く見てるんだなと感心した。楽太郎師匠の話は、お得意様の武士に酒を持ってくるように言われた酒屋が、門番の武士を騙してあの手この手で酒を持ち込もうとする話である。門番は酒の持込を禁ずる役目なのでなかなか簡単に持ち込むことができないのだ。門番が結局は何度も酒を飲んでしまい、頼んだ武士に届けることはできないのだが門番がどんどん酔っていく様が面白い。これも扇子一つで面白おかしく話が進む。このオチは結局門番も酒が飲みたかったということだ。

最後は、桂歌丸師匠である。今月の2日、肺気腫に伴う感染増悪のため、横浜市内の病院に1週間入院していたので、今回は病み上がり後の初高座だったのである。ニュースで入院したのを聞いた時、今日の高座がどうなるか心配であったが元気に登場してくれたので安心した。時折、水を飲みながらの話であったが声も張りがあり病気を感じさせなかったのは大したものだ。歌丸師匠の話は、古物商の男が、薄汚れた古い太鼓をお殿様に持っていったところ、たいそう太鼓が気に入られ大金で買い取ってくれた話である。二束三文と思っていた太鼓が法外な値段で買われていった様子を面白おかしく話してくれた。

3人とも、飽きることなく笑わせてくれ、楽しくひと時を過ごすことができた。会場も満員で、小学生から年寄りまで幅広い年代が集まり、落語を楽しんでいた。コンサートでは、終わった後もアンコール等でまた出てきてくれるが、落語会はいたってシンプルだ。司会も何もなく、最後はあっけなく師匠が戻っていくと幕が下りて終わった。昔ながらの落語会とはこんなものかもしれない。初めてであったが、落語家の話術がいかに人を引きつけるかを追求してきたことを感じた。日本の文化の一つを改めて再認識した。

ここまで来た先端技術 その2

2009-02-19 23:26:33 | サイエンス
昨日に続き、近い将来可能な先端技術の紹介。

⑥衝突防止技術
これは、車同士が追突や衝突をしないよう車にいろんなセンサーを設け、事故防止を図る技術である。カメラや超音波などを用いて前後の障害物を察知し、アクセルやブレーキの操作を自動でやってしまうというものである。これなんかは、当然実現可能だといえる。ただ、完全自動化にするのは、運転の楽しみがなくなってしまうということもあるし、法律的にも問題があるらしく、音や光での警告を入れて人間の操作を促すようにするようである。

⑦会話キャンセラー
病院や薬局、会議室等で人に聞かれたくない話をする時、会話の内容を意味のわからない音に変換する装置である。人が話しているのはわかるようだが、まったく意味がわからない音になってしまうため安心して会話ができる。盗み聞きや盗聴防止に役立つだろう。

⑧人工まつたけ
簡単に人工まつたけができてしまうと、まつたけの高級感がなくなってしまいそうだ。しかし、たくさん供給されることによって、香りを手軽に楽しめるようになるだろう

⑨花粉症ワクチン
花粉症とは、人体の花粉を排除するための免疫機能が大きく働くため、くしゃみや涙が出てくるのである。つまり免疫機能が働きすぎるから、不快な状況になるのだ。そこで、免疫機能にブレーキをかけるためのワクチンが開発されている。このワクチンの実用化は来年以降、期待できそうである。

⑩空陸両用自動車
007等の映画には良く出てくるが、市民(金持ちだが)でも購入できるような製品が来年アメリカで発売されるそうである。陸上では時速105kmで走り、空では時速190kmで飛ぶことができるそうだ。日本円にして1750万円。ただし、空を飛ぶには直線で数百mもの道路が必要になる。買ったとしても日本ではなかなか飛べないだろう。