句集『だだすこ』
句集『だだすこ』のカバーイラストは、彫刻家峯田敏郎先生のリトグラフを使用させていただきました。昔私が学生だったころ、(何十年も前……)先生はよく学生をモデルにデッサンをしたり、彫塑を作成したりされていました。私も一度だけモデルになり、それがこのリトグラフになったわけです。一枚いただいたのを、家にずっと飾っています。肖像画ではないので、似ているか? というとちょっと違うかもしれませんが、ちょっと似ていなくもない……? (ホントに若いときのものですと言っておかないとね)
ずーーーーっとご無沙汰していたのに、句集の表紙に使わせていただきたいといういきなりの手紙に、ご快諾をいただき、感激。
実は装幀一切を自分でやりました。バックが白のままだと汚れてしまうので、どうしようと悩み、薄い黄色にしたり。それに紙見本からできあがりを想像するのは、初心者にはほとんど無理な仕事。様々な本を手にしては、カバーをはがしたり、見返しの色具合をチェックしたり。これ、とても楽しい仕事でもありました。
自分なりの一番のこだわりは帯です。普通に帯をつけるとせっかくのイラストが首の部分で切れてしまいます。そこで厚手のトレーシングペーパーでできないかと。そして、だだすこ、とローマ字を薄く全体に模様として入れて。
青木印刷さんは、私のそんな注文を丁寧にきいてくださいました。何度も変更したり、訂正したりもあったのですが、それに対しても、内心は「うるさい客」と思われたかもしれないけど……。 三重県鈴鹿市の印刷所ですが、全てメールでのやりとりでした。
それにしても、普通の出版では、そういった一切を編集者さん、そして出版社さんがやってくださる。これって、すごい! ともつくづく思った次第。よく作家一人で本ができるわけじゃないというあとがきに書かれているのを読みますが、本当ですね。全国の顔を知らない方に届けてくださるわけだし。
*こちら で、峯田先生の彫刻を見ることができます。
はあー。ただ、作家としては、やはり肝心なのは中身ですけどね。俳句に関しては、こうしてまとめるとある程度自分の問題点も見えてきたなあと思っているところです。