血のつながりがなくても、地域というコミュニティの中で育ち、関係を育むことができる。
そんな映画です。
主人公タケは、ちょっと気の弱い4年生。となりのじいちゃんが脳梗塞で倒れてから、じいちゃんから笑顔が消え、だんだん怖くなり、ばあちゃんに「来て」と言われても「忙しい」と言って訪れずにいた。
とうとうじいちゃんの命がつきたその日。弔問客が訪れる中、一人の少年がタケの前に現れ、「遊ぼう」と誘ってくる。
原作は仙台在住児童文学作家佐々木ひとみさんの『オレとあいつのラストラン』(ポプラ社)。椋鳩十文学賞受賞作品だ。
私は今年、佐々木さんの講演を童話in仙台で聴いている。原作はもともと佐々木さんのふるさと茨城県の高原という町を舞台に書かれたもの。それをこのたび映画化に伴い、鹿児島を舞台に変えている。だが、佐々木さんは、海と桜島がなければ、高原にそっくりだとおっしゃってもいる。岩手の近くにも、この景色はある。そう、日本人の心の故郷を描いている作品なのだ。
原作通りの部分と原作にはない、じいちゃんとばあちゃんの馴れ初めなど過去の回想シーンとが違和感なく描かれていた。
一番好きなシーンは、じいちゃんと少年の頭をくかしぐさが重なり、タケが「まじかよ」とつぶやくところ。
エンドロールで、「原作 佐々木ひとみ」と出たときは、感激。
有楽町のすばる座の観客は高齢とおぼしき人達が多かったが、子どもにも観てもらいたいなあ。いや、世代を選ばない映画じゃないかな。
私達が小学校のころは、学校で映画鑑賞なんてやってくれたけど、(何観たっけ「小さな恋のメロディ」?)今はやらないのかな。子どもさんを連れて観に行ってほしいなあ。
元ちとせさんの歌もよかった!
「君の名は。」は、DVDになるのを待つかな。でもこのタイトルの句点は、何を意味しているのだろうか。こういうところ、理解できない。
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精霊蜻蛉
それにしても、有楽町すばる座。駅を出て目の前なのに、見つけられず、一回りしてうろうろしてしまったのでした。
それにしてもそれにしても、この映画、私にとってタイムリーすぎました。いずれお話しするかもですが。