fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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『なまはげ』池田まき子文・早川純子絵(汐文社)

2020年12月27日 | 本の紹介
          

 大晦日の夜、秋田県男鹿半島で行われている伝統行事なまはげは、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。
 恐ろしい形相の鬼が、出刃包丁を手に、家々を回り、「泣く子はいねがぁ」「なまけものはいねがぁ」と叫びます。そこだけクローズアップされると、ただただ、怖い鬼。
 でも、そのなまはげが、どういういきさつでこの地に根付いたのか。その伝説を知ると、男鹿の人達が、どうしてこの行事を大切にしているのかが、よくわかります。
 なまはげは、神として999段の石段を上ったところにある五社堂に祀られているのです。

 この民話が、秋田在住児童向けノンフィクション作家池田まき子さんが文、早川純子さんの迫力満点の版画で絵本になりました。

 なまはげは、本来家の中にずかずかと入り、子どもや嫁を脅したあと、「まあまあ」と家主から接待を受けます。今年はどうなのかなと尋ねたところ、かなり縮小して行われるようです。家には入らず、接待も受けず。仕方がありませんね。

 小さい頃、大晦日ではないけれど、男鹿に行って、なまはげを見て、泣いた記憶がしっかりあります。そりゃあ、子どもにしたら怖いですよ。でも、なまはげという鬼は実は神様だと大人になり気づくわけで、そうやって、ちゃんとしろと言われることって、大事だなと思います。
 叱られないように、勉強する。家の手伝いをする。最初はそうでも、それが身につくように、という先人の知恵でもあると思うのです。

 池田まき子さん、以前も書いたことがありますが、高校の同級生です。池田さんはノンフィクションの分野ですが、同じ児童書の世界で、こうして活躍されていること、とても励みになっています。