fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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いとうみくさんが、河合隼雄物語賞を受賞!

2022年06月09日 | 日記
 いとうみくさんが、『あしたの幸福』で、河合隼雄物語賞をご受賞されました。
          
 これは、児童文学を対象とした賞ではなく、児童文学が受賞したのは初めてとのこと。すごすぎます。
 今年は、すでに産経児童出版文化賞もご受賞しているし、もう総なめという感じです。

 この物語、父親を事故で失ない、独りになった少女が、かつて父と離婚した実母と、父が再婚するはずだった女性と、三人で新しい暮らしを始めるというもの。実母が、ちょっと変わった人で、それがとても現代的です。幸せの形なんてない。人それぞれが違うと感じることができるものです。
 
 いとうみくさん、ちょうど今年デビュー10年なのだそうです。10年前、『糸子の体重計』でデビューのお祝い会をしたときのことが、ずっと前のような、そしてつい最近のような、不思議な気持ち。10年、人を描くということをがっちりやってらした、その成果が、このすばらしい賞につながっているのだと思います。いとうみくの力はまだまだこれからです。どんな作品を読ませてくださるか、楽しみでなりません。
 同じ「季節風」という会にいることが、誇らしいいです。

 これまでの河合隼雄物語賞の受賞者は、、
 第1回 西加奈子 『ふくわらい』 (2012年8月 朝日新聞出版)
 第2回 角田光代 『私のなかの彼女』 (2013年11月 新潮社)
 第3回 中島京子 『かたづの!』 (2014年8月 集英社)
 第4回 いしいしんじ 『悪声』 (2015年6月 文藝春秋)
 第5回 今村夏子 『あひる』 (2016年11月 書肆侃侃房)
 第6回 松家仁之 『光の犬』 (2017年10月 新潮社)
 第7回 三浦しをん 『ののはな通信』(2018年5月 KADOKAWA)
 第8回 該当作品なし
 第9回 寺地はるな 『水を縫う』(2020年5月 集英社)

 昨年ご受賞された、寺地はるなさんは、最近のお気に入りです。昨日も『ガラスの海を渡る舟』を読んだばかり。とてもよかったです。このラインナップにいとうみくが! みくさんには、もちろんこれからも児童文学を牽引していっていただきたいけど、大人の小説の編集者さんも、放ってはおかないでしょう。うう、楽しみです。