fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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新刊『ぼくたちのだんご山会議』について①

2019年12月23日 | 自作紹介
        

 自然に生きるとか、自然に帰るとか、自然派とか、自然を守るとか、自然を大切にするとか、いろいろな言葉があります。
 でも、私達は、全くの自然のままに生きるなんてことは、実はできない。
 文化的な生活をする権利があるわけです。

 私自身、田舎は好きだけど、ずっと住んではいられない。都会の便利さも、好き。人は矛盾した生き物です。

 今住んでいる町には、12年前に引っ越してきました。
 当時、田んぼもたくさんあり、夏にはカエルの大合唱が響いていました。でも、バイパスができ、田んぼは住宅地になっていき、今ほとんど残っていません。カエルの声も聞こえません。それが寂しくもあり、でも、町が発展するってことなのかとも思ったり。

 そんな中で、できた物語です。

 だんご山が町はずれにある。そんな町のイメージは、かなり前から私の中にありました。

 「ヒゲせんせいとタヌキのゴロー」という短編を「母の友」(福音館書店)に載せていただいたことがあるのですが、ここに出てくるヒゲせんせいは、「ぼくたちのだんご山会議」のカンジン先生の若いときです。つまり、タヌキのゴローは、だんご山から来たのです。けやき動物病院としていますが、これをけやきペットクリニックにして。

 その後、雑誌「児童文芸」に「にげだしただんご山」という民話を発表もしています。これも、今回中に取り入れています。

 一度ファンタジーで、別の物語を書いたこともありました。(これは、お蔵入り)そこに、この物語の小学生達が出ています。一のだんご山が開発された年に生まれた子達、そして十年後、二のだんご山も開発されることになった。すると、その子達が、次々と原因不明の病気になる、というファンタジーです。ファンタジーは難しい。そして時を経て、リアリズムとして書き直したのが、今回の作品なのでした。

   

 これは、私が住んでいる町の南側の丘陵。こんなふうに山に家が建っています。

  

 これは、私が描いた10年前の町。一のだんご山がまだあります。
 この10年前の町と今の町の下絵を編集者さんにお渡しし、佐藤真紀子さんが、現在の「だんご山とぼくの町」(見返し地図)を描いてくださったのです。
 この地図、たくさんの方が、「いい!」「何度も見てる」と言ってくださっています。

 

 これが私が描いた現在の「だんご山とぼくの町」。お恥ずかしい(笑)。真ん中が切れたようになっているのは、一枚に山から駅までを入れることができなかったから。佐藤さんは、そこを自然につないでくださいました。画家さんって、すごいです。
 こんなに長いのに②があります(笑)。次は猫のことについてです。
 


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