小学生のバレーボール物語です。
佐渡島ご出身で、佐渡を舞台の物語をこれまでも何冊も出してらっしゃる高田さん。今度は、バレーボールに熱中する少年達の物語です。
バレーボールというのは、今まであまり児童文学で書かれていませんでした。
それも、都会の話ではなく、日本海に浮かぶ島が舞台。県大会に出るために、船に乗って海を渡らなくてはなりません。
その設定がまず魅力的。
でも、大事なのは、少年達の心の動き、そしてバレーボールの練習、試合の流れです。
だれもが憧れるのは、アタッカー。でも 新潟市から転校してきた大和が、そのアタッカーの座につき、主人公空良はセッターになります。
そのセッターという位置の難しさ、やりがい、実際のテクニック、練習方法など、ばっちり書かれていて、感心しました。そうとう取材されたか、ご自身でもやっていなければ書けないなあと。
大和が切れやすい性格というのも、とても興味深かったです。今、大人でもそういう人がいますよね。
彼もまた、バレーチームの仲間の中で、成長していきます。
完全燃焼できなかった火は、いがいと強い。
この一行、力強いです。後半は、予想と違う展開になり、そこもよかったです。ぜひ、お読みください。
今バレーボールをやっている子は「おれたちの物語が出た」と喜ぶでしょうし、やっていない子は、「やってみたい」と思うでしょう。安定した文章で物語を紡ぐ高田さん、今後もご活躍に目が離せません。
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