fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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二百十日かと思ったら

2012年09月02日 | 俳句

 だいたい二百十日は9月1日か2日です。でも今年は8月31日だったのですね。(こういうところが抜けています)

 この二百十日という言葉が、なぜかとても好きです。立春から210日目って、誰が考えたんでしょうね。先日の「くるみの森」の方も、二百十日が、胡桃の落ちる日だとおっしゃっていたし、岩手の家の田んぼの水が来なくなるのも、二百十日です。台風がもっともくる日。

 そして、風の又三郎がやってくる日でもあります。賢治の物語は、子どもの頃は筋をおって雰囲気を感じるというくらいだったけれど、大人になってから読むと「へえ、そういうことかあ」という部分が多くあります。この又三郎も、転校してきたのは二百十日、そして正確ではないけれど、ほぼ二百二十日にまた挨拶もしないでいなくなってしまうのです。この両日は強い風が吹く日、農家の厄日とされています。厄日だけでも、この日を表す季語です。

 貯金箱ぎつちり二百十日かな

 外に立つ二百十日の冷蔵庫    あぶみ

 蹴躓く二百十日の石畳     舟 まどひ(「童子」)

 曳き歩く厄日のスーツケースかな    三島ひさの(「童子」)

  きいちゃんと消防車

 

   『注文の多い料理店/銀河鉄道の夜』(集英社みらい文庫)

 森川成美さんが、子ども向けに読書の手引きを書いてらっしゃいます。花巻のホテルのロビーには、『銀河鉄道の夜』の賢治の全原稿を本にしたものがありました。主宰が一冊購入したら、もう在庫がなく、いつか手に入れたいと思っています。(たぶん賢治記念館に行けばあると思う)『星めぐりのうた』や、他の賢治の作曲した歌のCDもほしいです。


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