何度も書いていますが、アテルイの資料はあまりにも少なく、家族のことや幼年期、少年時代、何もわかっていません。そこは、全て想像です。
既出の小説でも、アテルイはそのように書かれています。
『火炎』(高橋克彦)では、アテルイは胆沢地方の長の息子。
『まほろばの疾風』(熊谷達也)では、アテルイの父はアザマロと設定されていました(すみません、記憶で書いているので、違っていたらご指摘ください)モレを女性としても描いています。
私はアテルイを書くにあたり、強いだけではなく、人の痛みをわかるリーダーであってほしいと思いました。そうなるためには、どのような少年時代を過ごしているのか。長の息子として、鍛えられたというだけでは、何か足りないとも思いました(なにしろ、児童文学を書いているので)。幼年期に辛い出来事があり、そこを乗り越えていてほしい。
そんな思いで、この物語を書きました。
そのため、実の父親カンガという男をかなりひどい人間として描いています。
ネタバレになるので、あまり詳しくは書けませんが、でも最後の最後、ただの悪役だけではないカンガを書けたようにも思っています。
なので、表紙の絵には、いろいろな登場人物が描かれていますが、カンガ、案外大きいです。
最初は、このカンガを道嶋大楯という男を同一にしようかとも思ったのですが、大楯は、実在の人物なので、制約があり、やめた次第です。
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