『童子』の大先輩、しの緋路さんの句集です。『俳句って楽しい』(辻桃子 朝日新聞社・残念ながら絶版)を読んで『童子』に入会した私ですが、当時、ああこういう句いいなあ、こういうのを作りたいなあと思っていた句がこの句集にはたくさん載っていて嬉しくなりました。
オオミズアオ蛾バレエスタジオにて死せり
少しずつ近づいてくる毛糸玉
野遊びのつもりが頂上めざしけり
セーターの闇を抜ければあなた居る
月謝袋に西瓜の汁がついている
キャンプアイヤー杉山君は火の向こう
別れの手紙書くに辞書引く雪の夜
などなどなどなど。やっぱりいいなあ。小難しい言葉なんて何も使わないで、クスッとなってうんうんと頷けて、西瓜(すいか)の汁まで愛おしくなる。杉山君は、今はどこで何をしているんでしょうか。たった575なのに、描かれていない世界までくっきり見える。やっぱりこういう俳句、作りたい。このごろ難しい言葉に頼りがちかなっている自分を反省。初心に帰らせていただいた句集でもありました。(でもそれが難しい・・・)
きわめつけは、
しばらくは柚子湯に父を浸けておく
父や母を詠んだものは、とかくしめっぽくなりがちなのに、このあっけらかんとした描写! 愛情がなくてこんな句は作れません。
しの緋路さんは、埼玉でバレエスタジオを主宰してらっしゃいます。表紙はご本人。
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さて、きのうの野菜クイズ2 答えは、①~⑤(上5枚)は、これから旬で食べられるもの(スナックえんどうは今どんどんとれていますが) ⑥⑦(下2枚)は、時期がもう終わったもの。つまり食べ頃を逸して花が咲いてしまったものです。
きょうは、
http://love.ap.teacup.com/kodomono/
「子どもの本・九条の会」4周年の集いがありますが、私はまだ岩手なので、行くことができません。ご盛況をお祈りいたします。当日券もあるということです。
「子どもの本・九条の会」に入会もしました。あまりあれこれ首をつっこまないようにしようと思いつつ、なんだかこのごろあっちこっちに……。でもこの会は入会費が1000円ですから、負担がありません。