fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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いまさらですが『赤毛のアン』

2019年04月22日 | 本の紹介
 

朝日新聞社から出ている『赤毛のアン』を買いました。
 村岡花子さんではなく、岸田衿子さん訳です。挿絵は安野光雅さん。

 2800円。正直言って躊躇しました。2800円って高い……。文庫本が出てるんです。っていうか、読んでるわけだし。
 でも、何か本能的に買ったほうがいいと思い。
 正解でした。一冊読んでいる間の幸福感ったら!!! その後も!!
 ずっしりとした厚みのあるこの本が嬉しかった!!!

 買おうと思ったのは、この物語の冒頭について書いた文章を読んだからでした。所属している俳句結社「童子」の「童子図書館」に、如月真菜さんが書いてらっしゃったのです。
 
 冒頭……私、アンがホームで迎えにくるマシューを待っているシーンだったかなと思っていました。二人の出会いから始まったような……。
 みなさんは、いかがですか?
 違うんですよ。第一章のタイトルは、「レイチェル・リンド婦人おどろく」。なんと、プリンスエドワード島の川の描写とリンド婦人のことから始まるんです。この描写が素晴らしい!! 川を描写していて、かつリンド婦人がどういう人かを物語っている。
 リンド婦人は脇の脇役なのに! でもこの年になってわかります。『赤毛のアン』は、アンの魅力だけじゃない。マシューやマリラ。そしてリンド婦人が魅力的なんです。
まったくもって、いまさらです。

 確かに読み進むと、飾り立てた自然描写がすこしうざい気もします。アンが乙女チックに語るだけじゃなく、地の文でもそれが目立つ。でも、いい! いいと思えました。

 以前も書いたけれど、宮本輝さんが、毎年読み返す本の一冊に『赤毛のアン』をあげてらっしゃいます。しかもシリーズ全部。あとは西行の歌集と島崎藤村の『夜明け前』だったかな。とくに『アンの娘リラ』をお勧めでした。戦時中の話。アンの息子達も出征します。大河ドラマですよね。
 『赤毛のアン』、やっぱりすごい。
 プリンスエドワード島に行ってみたいなあ。でも、もう無理かな。
 本を読むだけで、想像はできます。観光で行くのは意味がないかもしれない。
 
 私にとってのプリンスエドワード島が必要なんです。

で、結論。2800円で、こんな気持ちになれるなんて、安い!! 美容院でカットしてもらうより安いんですよ。
 本は、安いよ~~。もっとみんな買おうよ(笑)。
 
 さあ、次は『アンの青春』を読み返そう。

朝ドラの「なつぞら」も、久しぶりに待ち遠しい思いで観ています。戦争孤児の主人公と北海道の大自然、そして血はつながっていなくとも彼女を慈しむ家族。赤毛のアンやハイジを彷彿させるものがあります。
 
 
 

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