fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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杏(あんず)日記①

2020年03月06日 | 自然観察
 庭の杏がつぼみになっています。

 桜もそうですが、つぼみのときは、色がぎゅっと凝縮されていて赤いんですよね。
梅が終わりかけ、桜はまだつぼみになっていません。杏はちょうとこの二つの花の間で、ひっそりと咲き始めるのです。桜か梅と思っている方も多いでしょう。こういう私も、自分ちのは杏とわかりますが、よそのお宅のは、これが「杏」とわかったことがありません。
  写真では、よくわかりませんね。すみません。記録なので。

 私は物語を書いていますが、その中で自然描写をよく取り入れます。
 春の物語なら、春の花を、秋の話なら秋の空を。などなど。
 
 そのとき、たとえば、春の象徴として「たんぽぽ」を書くと、物語は平凡なまま。

 先日も、主人公のもとに鳥がとんできて春を告げる一文を書きました。
 「タンポポが咲いたよ」でもいいんです。でも、私は、
 「カタクリが咲いたよ」と書きました。カタクリがどんな花か、どこに咲いたかは描写していません。字数制限もあったし(笑)。でも、カタクリを見たことがなければ、カタクリを見て「春だなあ」としみじみとした経験がなければ、この一文は書けないと思うのですよ。
 今ネット検索すれば、画像も情報も手に入りますけどね。実際に見たことなくても、この一文は書ける。でも、何かが違うと思う。

 このブログに、四季折々のヤマナシを見に行っている様子も書いていました。最近、これも役立ちましたよ(笑)
 
 こうして、自然を実感することが、作品に反映できるのは、俳句をやっているおかげかもしれません。物語にリアリティと深みを与えられると思っているけど、どうでしょうか。

 と書いて、以下は、追加で書き足したことです。

 「カタクリが咲いたよ」
 山も、春になりました。

  これだけで、小さい読者が共感できるかどうか? 共感には、相手もカタクリを知らなければなりません。
  もう少し字数がとれたら、カタクリは、早春、日当たりのいい場所に咲くむらさき色の花です。とか書けて、見たことのないにも子も「へえ。見て見たい。春の花なんだね」と思ってもらえるのですがね。編集者さんによっては、ここ、もっとわかりやすい花に と言ってくるかもです。
 じゃあ、何? スミレ? イヌフグリ? ハコベ? 「コブシの木に花が咲いたよ」とか? と、こんな風に悩む日々です。←結論、出ないんかいっ! 
 以前書いたカタクリの記事。


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