fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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マンガ『チャンネルはそのまま』(佐々木倫子)・小学館

2013年01月17日 | 本の紹介

                  小学館            

 ご存じ『動物のお医者さん』の作者のものです。『動物のお医者さん』も全巻持っています。『おたんこナース』『ヘブン』と職業シリーズの現在進行形、5巻まで出ています。

 年末年始、マンガ読みたいなー、大人買いするなら何かなーと思いつつ、『大奥』1巻買って、これは全部買うのもなと思いやめていました。年明けでこの『チャンネルはそのまま』を勧められ、そうだったと、買いました。ただ書店に行って、あれ? タイトルなんだったっけ? となってしまった自分にはちょっと情けなかったです。「えーっと、佐々木りんこだったか、みちこだったか‥、(のりこですかね)それでタイトルは『なんとかはおまかせ‥』」。書店員さんにそう告げて、ちゃんとこの本が出てきたのですから、プロですね。(○○は○○の「は」があっているだけなのに……。『テルマエロマエ』を買いにいった方が書店で「カタカナのタイトルでギリシャ彫刻が表紙のマンガ」といってそれが出てきたというエピソードを思い出しました) 

 さて、『チャンネルはそのまま!』では、北海道のローカルテレビ局に「バカ枠」で採用された雪丸花子が、期待を裏切らずバカっぷりを発揮します。バカはでも、周囲の迷惑も顧みず、いざというときに思わぬ力を発揮します。それが周囲を巻き込んで、思わぬ展開? というか効果が生まれてしまう。そして本来はエリートな人材である山根は自然とバカと会社のグリースのような役目をする「バカ係」となっているのです。そこに恋などは生まれないというのも、『動物のお医者さん』と同様のさっぱり感。「動物のお医者さん」の傍若無人な漆原教授的な存在の上司も出てきて、この人物は大泉洋を一躍有名にした「水曜どうでしょう」という番組のプロデューサーとそっくりなのだそうです。

 たぶん作者は札幌在住。雪国ならではのエピソードも『動物のお医者さん』同様楽しめます。

 作者一人ではなく、チームを組んで取材や構成をしている様子が巻末にはエピソードとして描かれています。最近のマンガの専門的な深みにはもう個人では立ち向かうことはできません。映画が監督がいて、スタッフがいて、役者がいて、というのに近くなっているように思えます。


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