所属している俳句結社「童子」副編集長の牧康子(俳号は、牧やすこ)さんの、2冊目となる小説が発売されました!
やすこさんは、長年主婦の友社の編集者として、インテリア雑誌などを作ってらした方で、でもずっと小説家を志してもいたのです。定年後、本腰を入れ小説に取り組み、いろいろな賞をご受賞されています。
とくに表題の「夢の夢こそ」は、福井県のさばえ近松文学賞で近松賞をご受賞されたもの!
以前にも拝読していましたが、改めて味わい深い作品だと思いました。ラストがいい。予想を裏切ってくれるというのは、大事。それがあるんです。
そして、どの主人公も丁寧な暮らしをしている。これはやすこさんの暮らしが反映されているのだと思います。
そして俳人ならではの視点も。四季折々の描写がこの小説にアクセント奥行きを与えています。
最近の芥川賞作品などは、実は私はついていけない。私から上の年代はそういう方が多いのではないでしょうか。『夢は夢こそ』は、そういうことがありません。どの文章もしっかりと伝わってきます。そして自分の日常の延長にある物語として味わうことができます。
短編集なので、夜寝る前に1作品ずつ読むのがお勧めです。
このたびは、新潮社からの発売ということで、リアル書店、ネット書店でも購入できます。ぜひ、お読みください。
こういう小説が書きたくなりました。あ~、だめだ。今は目の前のことをきちんとやらなきゃ。