句集をご恵贈いただくと、まず序文を読む。あとがきがあれば、後書きを次に読む。
ふむふむ、いいぞ。
そして、句を順番に読み進む。
高弘さんとは、何度も句座を共にしていて、ツイッターの相互フォローもしているけど、俳句界にとても詳しい方という印象。
以前は短歌をやってらして、歌集も出されているので、短歌界にも詳しい。
でも、俳句をやってることで何者になれる人なんて、一握りもいない。結社の主宰だって、私は存じ上げない名前の方がずっと多いくらいの世界であって、主宰をやってらしていても、それで食べていってる方は、ほんのほんの一握り。高弘さんは、そこを目指していらっしゃるのかなあ。大変だなあと、常々思っていた。
そう、有名になりたい、という。
そのあたりを、今回素直に吐露されていて、よかった。
そして、俳句がよかった!
正直言って、有名になりたい気持ちのほうが、俳句を上回っている印象だったから。
難しいことだけど、この方の俳句だけを読んでいたら、もっと印象が違っていたかも。と、読後思った。(すみません、正直なところです)
年守る店守りとして立ちながら
螢籠光れ光れと夜明けまで
雨傘を束ね捨つるやみどりの日
河豚食ふに上るや夜の神楽坂
十五夜の神事立つたり座つたり
靖國祭ここも右折はできぬらし
冬告ぐる雷とどろくや宴あと
雛の間やひとり二つの膝小僧
この句集のどこかの一句が誰かの心に残れば、それでいいのでは? 違うのかな。 私の心には、雛の間やひとり二つの膝小僧 が特に残りましたよ。
主宰も、序文に書いています。俳句は夏炉冬扇のようなもの(芭蕉の言葉)。それをやってるからといって、役に立つということでもないのです。
いくらやっても、これでいいということもない。
時々、なんのためにやってるんだろうと思ってしまう。
あー、でも無性に吟行がしたい。吟行して句会して、楽しかったあの日! うん、やっぱり楽しいからやってるんだよ、ね、高弘さん!