蕎麦はお箸で食べるから美味しいんです。落語にもあるように、ズルズルズルッとすするから美味しいのだと思います。
ところが、かの麗人のそれがいかにも美味しくなさそうなんです。
お箸は使っていました。でもとっても変なんです。なんと表現してよいか困ってしまいますが、始めて箸を使う外人さんのようです。それでもぎこちなく持ち直すこともなく、いつもこうですよと使い慣れた様子で食べています。
外国で生活していたので箸が使えないという感じではなく、たぶん変な持ち方使い方が身についてしまっているのでしょう。
これがお見合いの席だったら、きっとうまくいかないだろうと思ってしまいました。大変勝手で失礼ですが、100年の恋も一瞬で醒める気持ちでした。
お箸の持ち方と鉛筆の持ち方はよく似ています。
どちらも使い始めの時から正しい形を教えておく必要があるんじゃないかな。大人になってから矯正するのは大変難しいものです。
でも子供に教える前に、自分はきちんと持てているのか確認しておくことも必要かもしれません。
お箸もそうですが、字を書く時に筆記用具を自己流に持っている大人がとても沢山います。「え゛!」って感じ。
これでお箸の国の文化も終わりにならないか不安です。
ところが、かの麗人のそれがいかにも美味しくなさそうなんです。
お箸は使っていました。でもとっても変なんです。なんと表現してよいか困ってしまいますが、始めて箸を使う外人さんのようです。それでもぎこちなく持ち直すこともなく、いつもこうですよと使い慣れた様子で食べています。
外国で生活していたので箸が使えないという感じではなく、たぶん変な持ち方使い方が身についてしまっているのでしょう。
これがお見合いの席だったら、きっとうまくいかないだろうと思ってしまいました。大変勝手で失礼ですが、100年の恋も一瞬で醒める気持ちでした。
お箸の持ち方と鉛筆の持ち方はよく似ています。
どちらも使い始めの時から正しい形を教えておく必要があるんじゃないかな。大人になってから矯正するのは大変難しいものです。
でも子供に教える前に、自分はきちんと持てているのか確認しておくことも必要かもしれません。
お箸もそうですが、字を書く時に筆記用具を自己流に持っている大人がとても沢山います。「え゛!」って感じ。
これでお箸の国の文化も終わりにならないか不安です。
バイオリストコンピュータは直ちに次の処理にかかった。
コンピュータとは言ってもバイオリストコンピュータは、実際には使われていない脳の一部を他と切り離して機能させるもので、本人の意思と協力し合いながら最適の判断をする生理的なものだ。生物組織的に変化は全くなく、ACTIVE-MRAスキャニングでもその存在自体全く分からないだろう。
ハートマンのリストから発生するパルスは主に外部とのインターフェイスの役を担っている。膨大な処理を行っているのはリストではなく彼自身の脳なのだ。
それら最も信頼のおける彼の神経細胞群は発熱しながらも冷静に処理を続け、起こりうるあらゆる事態に対応するプログラムを組み立てていった。だが働き続けるこのコンピュータに言葉が話せるなら、きっとこう言ったに違いない。
「やばいことになったぞ、おい。」
本人のリラックスしきった表情とは裏腹に、実際緊急事態と言ってよかった。
感覚器官からの刺激が遮断され、リストからのパルスがフィードバックされなくなった。バイオリストコンピュータはその本来の任務から全くリストラされてしまった訳だ。
だがほんの一瞬の差で、いくつかの重要なプログラムを大脳の各部署に送り込むことが出来たのは幸運だった。大脳に対する刺激にトラップをかけ、何らかの攻撃がなされた時はすぐに別の部分に機能をスワップする。現状を記録し、いつでも必要な時、出来る限り元の状態に近い形で復帰させる。「ハザードスワップシフト」に入ったのだ。
リストからのパルスが戻るまでそれぞれの感覚器官は独立してノルマを実行することになった。
ハートマンの視覚分野はPS計画の実体を詳細に記録し続け、その言語に絶する悲惨な映像は後に記録の解析作業に当たったセクションの科学者達を驚愕させた。 つづく
コンピュータとは言ってもバイオリストコンピュータは、実際には使われていない脳の一部を他と切り離して機能させるもので、本人の意思と協力し合いながら最適の判断をする生理的なものだ。生物組織的に変化は全くなく、ACTIVE-MRAスキャニングでもその存在自体全く分からないだろう。
ハートマンのリストから発生するパルスは主に外部とのインターフェイスの役を担っている。膨大な処理を行っているのはリストではなく彼自身の脳なのだ。
それら最も信頼のおける彼の神経細胞群は発熱しながらも冷静に処理を続け、起こりうるあらゆる事態に対応するプログラムを組み立てていった。だが働き続けるこのコンピュータに言葉が話せるなら、きっとこう言ったに違いない。
「やばいことになったぞ、おい。」
本人のリラックスしきった表情とは裏腹に、実際緊急事態と言ってよかった。
感覚器官からの刺激が遮断され、リストからのパルスがフィードバックされなくなった。バイオリストコンピュータはその本来の任務から全くリストラされてしまった訳だ。
だがほんの一瞬の差で、いくつかの重要なプログラムを大脳の各部署に送り込むことが出来たのは幸運だった。大脳に対する刺激にトラップをかけ、何らかの攻撃がなされた時はすぐに別の部分に機能をスワップする。現状を記録し、いつでも必要な時、出来る限り元の状態に近い形で復帰させる。「ハザードスワップシフト」に入ったのだ。
リストからのパルスが戻るまでそれぞれの感覚器官は独立してノルマを実行することになった。
ハートマンの視覚分野はPS計画の実体を詳細に記録し続け、その言語に絶する悲惨な映像は後に記録の解析作業に当たったセクションの科学者達を驚愕させた。 つづく
友人とお蕎麦屋さんに入りました。美味しいと評判の店でお客さんも皆なんとなく「つう」のような顔をしています。
「やっぱりザルだよな、蕎麦湯がまたいいんだな」
等と言いながら食べ始めたその時、友人の箸が止まりました。
視線の先をたどると、お店の入り口にハッとするほどの美人。
女性のランクは上から佳人、麗人、べっぴん、美人、普通、ブス、夕日に鬼瓦、醜女・・・と10段階あるそうですが、それが本当とすれば正に麗人クラス。
そんな人が入って来て、なんと私の斜め向かいの席に座りました。
失礼ですからなるべくそちらは見ないようにしていましたが、それでもとても気になり蕎麦ツユをこぼしたりしてしまいました。
それからしばらくは蕎麦の味に集中して友人とグルメ談義に花を咲かせておりましたが、ふとその人を見て驚きました。今風に言えば、
「え゛っ」
という感じです。 つづく (今日は初めて記事と写真が合ってます♪)
「やっぱりザルだよな、蕎麦湯がまたいいんだな」
等と言いながら食べ始めたその時、友人の箸が止まりました。
視線の先をたどると、お店の入り口にハッとするほどの美人。
女性のランクは上から佳人、麗人、べっぴん、美人、普通、ブス、夕日に鬼瓦、醜女・・・と10段階あるそうですが、それが本当とすれば正に麗人クラス。
そんな人が入って来て、なんと私の斜め向かいの席に座りました。
失礼ですからなるべくそちらは見ないようにしていましたが、それでもとても気になり蕎麦ツユをこぼしたりしてしまいました。
それからしばらくは蕎麦の味に集中して友人とグルメ談義に花を咲かせておりましたが、ふとその人を見て驚きました。今風に言えば、
「え゛っ」
という感じです。 つづく (今日は初めて記事と写真が合ってます♪)
大きなあくびがひとつ出る。
その時突然後頭部に蜂が刺したような刺激が走り、底なしの空間に落下していくようなめまいを感じた。刺激は一秒に数十回の規則的なものでハートマンの首から上を端から端まで素早く移動していった。
バイオリストコンピュータのファイアーウォールが作動しハートマンの異常を検知した。細胞単位で情報処理を行うバイオリストコンピュータが直ちに各感覚器官に警鐘を鳴らす。網膜に解毒不能のマクロファージ型ドラッグリストが流れていく。数種類の細菌を組み合わせ遺伝子操作したドラッグだ。
最初の警鐘が脳内のどこで鳴ろうと、ハートマンはすぐに反応できるはずだった。
彼の脳を常時スキャンしているバイオリストコンピュータは緊急時には大脳の判断を待たずに必要な処理を施すことが出来る。
はずだった。
だが、そうならなかった。花の香りに紛れて鼻孔から入り込んだナノワーム(超微細病原虫)が香りをおとりに振りまきながら真っ直ぐに視床下部に進み、ハートマンの大脳とバイオリストコンピュータとの連絡シナプスを麻痺させたのだ。
バイオリストコンピュータが異常を感知し、大脳へ緊急事態を告げたときハートマンはもはやただの観光客になってしまっていた。 つづく
その時突然後頭部に蜂が刺したような刺激が走り、底なしの空間に落下していくようなめまいを感じた。刺激は一秒に数十回の規則的なものでハートマンの首から上を端から端まで素早く移動していった。
バイオリストコンピュータのファイアーウォールが作動しハートマンの異常を検知した。細胞単位で情報処理を行うバイオリストコンピュータが直ちに各感覚器官に警鐘を鳴らす。網膜に解毒不能のマクロファージ型ドラッグリストが流れていく。数種類の細菌を組み合わせ遺伝子操作したドラッグだ。
最初の警鐘が脳内のどこで鳴ろうと、ハートマンはすぐに反応できるはずだった。
彼の脳を常時スキャンしているバイオリストコンピュータは緊急時には大脳の判断を待たずに必要な処理を施すことが出来る。
はずだった。
だが、そうならなかった。花の香りに紛れて鼻孔から入り込んだナノワーム(超微細病原虫)が香りをおとりに振りまきながら真っ直ぐに視床下部に進み、ハートマンの大脳とバイオリストコンピュータとの連絡シナプスを麻痺させたのだ。
バイオリストコンピュータが異常を感知し、大脳へ緊急事態を告げたときハートマンはもはやただの観光客になってしまっていた。 つづく
体操をしていた時のことです。
「はい、かかとをつけて、ぎゅーと伸ばしましょう」
一人なんとなくみんなと違う変な動きをしているようです…
「かかと」と「つまさき」が反対だよ。
昔、10回10回クイズというのが流行った時のことです。「ピザピザ」と10回言ってから、ひじを示して「ここは何?」と聞く楽しい遊びです。のはずが子ども達と遊んでみるとあまり面白くないのです。
5才児でも「ひじ」と「ひざ」の違いをきちんと把握していない子どもが沢山いて、ピザ→ひざ(本当はひじ)と間違えても、それがどうしたの?という顔をしているのです。
いろいろな運動をしながら確かめてみました。
体には子どもの知らない名前が沢山ついているようです。大人でも迷いそうなちょっと難しいものも含めて、頭から調べてみましょう(ご一緒にどうぞ)。
こめかみ、めじり、めがしら、みけん、こばな、ここまではいかがですか?
「おでこ」や「みみたぶ」はみんな知っています。続いて、
うなじ、ぼんのくぼ、うで、てくび、みぞおち、わき、わきの下(本当はわきの上なのにね…)こし、また、もも、ふくらはぎ、すね、あしくび、そしてかかと、つまさき、となります。全部知ってましたか?あたりまえじゃん♪バカにしないでよぅ~
「手の平」と「手の甲」「肩」等はよく知っていますが「うで」は分かりません。私(のような一見若そうで実はお年寄り)はウォーキングの後、「足の三里」にお灸をしてみたりします。
そう言えば指圧の世界では体のあちこちに沢山の名前が付いていて、それぞれが皆違う大切なポイントなんですね。調べてみると面白いです。
先日相撲実況を聞いていて気が付いたことがあります。「がぶりより」とか「おっつけ」等、相撲独特の言葉の中に、
「かいな」
という言葉が度々使われます。何度か聞いていると体の部分の名称のようです。さてどこでしょうか?
「はい、かかとをつけて、ぎゅーと伸ばしましょう」
一人なんとなくみんなと違う変な動きをしているようです…
「かかと」と「つまさき」が反対だよ。
昔、10回10回クイズというのが流行った時のことです。「ピザピザ」と10回言ってから、ひじを示して「ここは何?」と聞く楽しい遊びです。のはずが子ども達と遊んでみるとあまり面白くないのです。
5才児でも「ひじ」と「ひざ」の違いをきちんと把握していない子どもが沢山いて、ピザ→ひざ(本当はひじ)と間違えても、それがどうしたの?という顔をしているのです。
いろいろな運動をしながら確かめてみました。
体には子どもの知らない名前が沢山ついているようです。大人でも迷いそうなちょっと難しいものも含めて、頭から調べてみましょう(ご一緒にどうぞ)。
こめかみ、めじり、めがしら、みけん、こばな、ここまではいかがですか?
「おでこ」や「みみたぶ」はみんな知っています。続いて、
うなじ、ぼんのくぼ、うで、てくび、みぞおち、わき、わきの下(本当はわきの上なのにね…)こし、また、もも、ふくらはぎ、すね、あしくび、そしてかかと、つまさき、となります。全部知ってましたか?あたりまえじゃん♪バカにしないでよぅ~
「手の平」と「手の甲」「肩」等はよく知っていますが「うで」は分かりません。私(のような一見若そうで実はお年寄り)はウォーキングの後、「足の三里」にお灸をしてみたりします。
そう言えば指圧の世界では体のあちこちに沢山の名前が付いていて、それぞれが皆違う大切なポイントなんですね。調べてみると面白いです。
先日相撲実況を聞いていて気が付いたことがあります。「がぶりより」とか「おっつけ」等、相撲独特の言葉の中に、
「かいな」
という言葉が度々使われます。何度か聞いていると体の部分の名称のようです。さてどこでしょうか?
夕方窓際で子どもが何かを見つけました。小さな甲虫です。
虫にしてみれば大変な災難ですが、面白いものを見つけたその子は指を出してつっついてみようか弾き飛ばそうか、お友達になれるものか思案中の様子です。
虫の方でも走りだしたものか死んだ振りの方がよいのか迷っています。
ある種の緊張感を私は楽しんでいました。とその時、
「ほら、むしむしくるよ!」
と突然お母さんが子どもをつれ去りました。目を丸くしている私の前を、危機を脱した甲虫がもそもそと通り過ぎて行きます。
「おいおいそれでいいのかい」
妙に納得できない気持ちで子どもの行方を追うと、何事もなかったかのようにお菓子を食べておりました。
もっと見ていたかったんじゃないのかなぁ。ファーブルとまではいかなくとも、子どもがじっと見ている時は何かを感じている時です。
それともうひとつ、お母さんに聞きたい。虫というとすぐにゴキブリを連想してはいませんか?はっきり言って私もこいつは嫌いですよ。でもクモは嫌いではありません。蝿や蚊は嫌いですが、蜂は好きです。
私の好き嫌いを言っていても始まりませんね。
言いたいことは、虫を好きにさせるのも嫌いにさせるのもお母さん次第だということです。連れ去られた子どもは、虫はよくないものと認識したことでしょう。
カブト虫とクワガタ虫とテントウ虫とアゲハチョウはよい虫。それ以外の昆虫は人類の敵だというような姿を見る度に、ちょっと悲しくなるのです。
ポケットにダンゴムシをいっぱいためこんで幸せそうな女の子、カナヘビ(蜥蜴の仲間)を捕まえて飼ってもいいかと聞きにくる男の子。いいじゃありませんかお母さん。好きになってとは言いません。せめて一緒に見てあげる勇気を持ってくださいな。
虫にしてみれば大変な災難ですが、面白いものを見つけたその子は指を出してつっついてみようか弾き飛ばそうか、お友達になれるものか思案中の様子です。
虫の方でも走りだしたものか死んだ振りの方がよいのか迷っています。
ある種の緊張感を私は楽しんでいました。とその時、
「ほら、むしむしくるよ!」
と突然お母さんが子どもをつれ去りました。目を丸くしている私の前を、危機を脱した甲虫がもそもそと通り過ぎて行きます。
「おいおいそれでいいのかい」
妙に納得できない気持ちで子どもの行方を追うと、何事もなかったかのようにお菓子を食べておりました。
もっと見ていたかったんじゃないのかなぁ。ファーブルとまではいかなくとも、子どもがじっと見ている時は何かを感じている時です。
それともうひとつ、お母さんに聞きたい。虫というとすぐにゴキブリを連想してはいませんか?はっきり言って私もこいつは嫌いですよ。でもクモは嫌いではありません。蝿や蚊は嫌いですが、蜂は好きです。
私の好き嫌いを言っていても始まりませんね。
言いたいことは、虫を好きにさせるのも嫌いにさせるのもお母さん次第だということです。連れ去られた子どもは、虫はよくないものと認識したことでしょう。
カブト虫とクワガタ虫とテントウ虫とアゲハチョウはよい虫。それ以外の昆虫は人類の敵だというような姿を見る度に、ちょっと悲しくなるのです。
ポケットにダンゴムシをいっぱいためこんで幸せそうな女の子、カナヘビ(蜥蜴の仲間)を捕まえて飼ってもいいかと聞きにくる男の子。いいじゃありませんかお母さん。好きになってとは言いません。せめて一緒に見てあげる勇気を持ってくださいな。
夢中になって何かに取り組んでいる子どもを見るのは楽しいことです。
いつもおしゃべりばかりしていてほとんど話を聞いていない子ども、何でもやり出してすぐ疲れたぁと言って投げ出してしまう子、分かんないできないぃと言って自分でやろうとしない子、そんな子でも何かに没頭することがあります。
そんな時話しかけても何も聞こえません。感覚は全て作業のために使っているので、人の言葉かけは受け入れられない状態なのです。そんなに夢中になるほど面白いことって何でしょうか。絵を描くこと、折り紙をすること、もっと日常的にあるかもしれません。
その日一人の女の子がとりこになっていたのは、踏み石跳びでした。十数個並んだ踏み石を、右足両足左足両足…とリズム良く跳びたいのですがどうもうまくいかない。最後までうまくいったり間違えたりを繰り返しています。
相当な運動量ですがへこたれるどころかとても楽しそうです。
自転車の補助輪を外してうまく乗れるようになる瞬間も本当にすごい集中力です。転んでも転んでも、お日様が沈んでしまってもまだ繰り返します。お腹が空いていることなんかすっかり忘れています。
夢中になって取り組んだ後、子どもは少しだけ成長するのだと思います。
満足げな表情がその証しです。
いつもおしゃべりばかりしていてほとんど話を聞いていない子ども、何でもやり出してすぐ疲れたぁと言って投げ出してしまう子、分かんないできないぃと言って自分でやろうとしない子、そんな子でも何かに没頭することがあります。
そんな時話しかけても何も聞こえません。感覚は全て作業のために使っているので、人の言葉かけは受け入れられない状態なのです。そんなに夢中になるほど面白いことって何でしょうか。絵を描くこと、折り紙をすること、もっと日常的にあるかもしれません。
その日一人の女の子がとりこになっていたのは、踏み石跳びでした。十数個並んだ踏み石を、右足両足左足両足…とリズム良く跳びたいのですがどうもうまくいかない。最後までうまくいったり間違えたりを繰り返しています。
相当な運動量ですがへこたれるどころかとても楽しそうです。
自転車の補助輪を外してうまく乗れるようになる瞬間も本当にすごい集中力です。転んでも転んでも、お日様が沈んでしまってもまだ繰り返します。お腹が空いていることなんかすっかり忘れています。
夢中になって取り組んだ後、子どもは少しだけ成長するのだと思います。
満足げな表情がその証しです。
夕方まで未だ間がある時間なのに、にわかにかき曇り激しい雷雨になりました。
子どもが窓の外をじっと見ています。園庭の隅々まで激しくしぶきが立ってすごい雨です。雨粒の波紋が広がる隙間もないくらいの降水量です。
園庭はたちまち湖のようになり、下水溝に入り切れなかった水がその行き場を探すように、土を削り取りながら濁流となっています。
お風呂のシャワーよりずっと太い雨が降続いて30分程した頃、まだ灰色の空を見上げて子どもがポツリと言いました。
「雨は無くならないの?」
子どもが毎日欠かさずしている朝顔の水やり。トマトやひまわりにもやると、少なくとも3回はじょうろの水を汲みに行かなければなりません。一杯の水の重さを知っているこの子にとって、雷雨で降り注ぐ雨の量は想像を遥かに越えていたのです。
空の上にでっかいじょうろがあって、誰かが水をまいている…。それにしても一回でまくには多すぎる量です。どこにそんなに沢山水をためているのでしょう。
「どうしてこんなに雨は降ってくるんだろうねぇ」
そんな会話を聞いて得意げに説明をしてくれる子もいます。お兄ちゃんの図鑑を見て覚えたのかも知れません。
「海の水がお日様に当たって水蒸気になってさ、それが冷えると水滴になって重くなるから落ちてくるんだよ。」
「ふーん、すいじょうき なのかぁ」
「すいどうき があるの?」
「……。」
なかなか理解するのは難しいと思います。だって、水滴になったと言っても何十分も激しく落ち続けてまだ無くならない位の量がいったい空のどこにあるのか、大人の私にも良く分からないんですから。
世の中には不思議で面白いことがいっぱいあるのさ。
子どもが窓の外をじっと見ています。園庭の隅々まで激しくしぶきが立ってすごい雨です。雨粒の波紋が広がる隙間もないくらいの降水量です。
園庭はたちまち湖のようになり、下水溝に入り切れなかった水がその行き場を探すように、土を削り取りながら濁流となっています。
お風呂のシャワーよりずっと太い雨が降続いて30分程した頃、まだ灰色の空を見上げて子どもがポツリと言いました。
「雨は無くならないの?」
子どもが毎日欠かさずしている朝顔の水やり。トマトやひまわりにもやると、少なくとも3回はじょうろの水を汲みに行かなければなりません。一杯の水の重さを知っているこの子にとって、雷雨で降り注ぐ雨の量は想像を遥かに越えていたのです。
空の上にでっかいじょうろがあって、誰かが水をまいている…。それにしても一回でまくには多すぎる量です。どこにそんなに沢山水をためているのでしょう。
「どうしてこんなに雨は降ってくるんだろうねぇ」
そんな会話を聞いて得意げに説明をしてくれる子もいます。お兄ちゃんの図鑑を見て覚えたのかも知れません。
「海の水がお日様に当たって水蒸気になってさ、それが冷えると水滴になって重くなるから落ちてくるんだよ。」
「ふーん、すいじょうき なのかぁ」
「すいどうき があるの?」
「……。」
なかなか理解するのは難しいと思います。だって、水滴になったと言っても何十分も激しく落ち続けてまだ無くならない位の量がいったい空のどこにあるのか、大人の私にも良く分からないんですから。
世の中には不思議で面白いことがいっぱいあるのさ。
案内された控え室はとても居心地の良いものだった。
センスの良い部屋だ。金属で作られたもの、FRPやプラスチックスで形成されたものが見当たらない。
アンティークな置物、woodの壁、宗教画の描かれた天井、彫刻の上に螺鈿の細工が施されている。床以外はすべて自然素材のようだ。
数世紀前の地球の技術がまだ生かされている。すばらしい、GEARMAの特別な研究チームのワザなのだろうか。技術を持った辺境の惑星人を強制的に拉致して作業に当らせているのかも知れない。
鹿革のカウチにふかく体を埋める。わずかだが風を感じる。人工ではない、植物の光合成によって作られた酸素のようだ。目を閉じて深く吸い込んでみる。嫌味のないしっとりとした湿度だ。甘い香りは植物の花か。
アットホームな気持ちでくつろいだハートマンは目を閉じ大きく伸びをした。遠慮のない欠伸がそれにつづいた。柔らかな眠りに誘い込まれるような気持で、完全にリラックスする。任務を忘れてしまいそうだ。 つづく
センスの良い部屋だ。金属で作られたもの、FRPやプラスチックスで形成されたものが見当たらない。
アンティークな置物、woodの壁、宗教画の描かれた天井、彫刻の上に螺鈿の細工が施されている。床以外はすべて自然素材のようだ。
数世紀前の地球の技術がまだ生かされている。すばらしい、GEARMAの特別な研究チームのワザなのだろうか。技術を持った辺境の惑星人を強制的に拉致して作業に当らせているのかも知れない。
鹿革のカウチにふかく体を埋める。わずかだが風を感じる。人工ではない、植物の光合成によって作られた酸素のようだ。目を閉じて深く吸い込んでみる。嫌味のないしっとりとした湿度だ。甘い香りは植物の花か。
アットホームな気持ちでくつろいだハートマンは目を閉じ大きく伸びをした。遠慮のない欠伸がそれにつづいた。柔らかな眠りに誘い込まれるような気持で、完全にリラックスする。任務を忘れてしまいそうだ。 つづく
エスカレーターは好きですか?
誰が発明したのでしょう、すごく面白い乗り物ですね。エレベーターも大したものですが、階段がそのまま動いていったらという発想がとてもすごいと思います。
当然子ども達も大好きですぐそこにある階段を上らずに、わざわざ遠くのエスカレーターまで歩いたりします。駅のエスカレーターは人が溢れそうなのに、階段はガラガラだったりします。ほとんどのお店や駅に整備されていて本当に便利です。
私は昔人間の仲間ですから、利用する度にこれが便利なものだと実感します。ですが今人間の仲間は当たり前と感じているのでしょうね。
ある日のこと、きれいな雑貨屋さんを冷やかしている時でした。若いカップルが全面ガラスの扉を押して入ってきました。その時口にした言葉に思わず笑ってしまいました。
「何だよ、自動じゃないのか」
今時お店の扉は自動と決まってるのに、と不満そうな顔付きです。
私は笑いが込み上げてきて、この店がとても気に入ってしまいました。
自動的に動くものや自動的にやってくれるロボットみたいなものが世の中に沢山現れました。便利です。楽です。早いです。
でも自分でやりたいこともあるんだ。よけいなお世話なんだよ。
イッツ
オートマティック
誰が発明したのでしょう、すごく面白い乗り物ですね。エレベーターも大したものですが、階段がそのまま動いていったらという発想がとてもすごいと思います。
当然子ども達も大好きですぐそこにある階段を上らずに、わざわざ遠くのエスカレーターまで歩いたりします。駅のエスカレーターは人が溢れそうなのに、階段はガラガラだったりします。ほとんどのお店や駅に整備されていて本当に便利です。
私は昔人間の仲間ですから、利用する度にこれが便利なものだと実感します。ですが今人間の仲間は当たり前と感じているのでしょうね。
ある日のこと、きれいな雑貨屋さんを冷やかしている時でした。若いカップルが全面ガラスの扉を押して入ってきました。その時口にした言葉に思わず笑ってしまいました。
「何だよ、自動じゃないのか」
今時お店の扉は自動と決まってるのに、と不満そうな顔付きです。
私は笑いが込み上げてきて、この店がとても気に入ってしまいました。
自動的に動くものや自動的にやってくれるロボットみたいなものが世の中に沢山現れました。便利です。楽です。早いです。
でも自分でやりたいこともあるんだ。よけいなお世話なんだよ。
イッツ
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