うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

優しい、イタズラ

2016年03月11日 | うめの事

昨日で、ちょうど4か月か。

おはようございます。

 

わが家の、守り神「うめ」さんが

極楽へ旅立って、はや4か月。

それ以来、うめは夢にも出て来てはくれない。

 猫が登場する夢といえば・・・

「おい、おたま!」と呼ぶと、

無数の白い猫が、やいのやいのと走ってやってくる。

そういう夢ばっかり見ている。やめてほしい!

 

11月11日、うめが亡くなった次の日の事。

私は、霊園に向かうのを躊躇った。

うめの遺体が入った箱の中に花を飾りながら、

「剥製にするという、そういうのもアリじゃない?」と思っていた。

完全に正気を失っていた。

 

その花々から、でっかいめの真っ黒な、何かの虫がバサバサ~と飛び立った。

私は「うぎゃ~」っとパニックに陥って、うめの入った箱をひっくり返してしまい、

うめは花もろとも、コンコロリンと箱から飛び出ちゃったんだよね。

虫は見失ったが、またバサバサこっちへやってくるやも知れんと思い、

私は無心でうめを箱に詰め直しながら、

「うんこ!虫の事は頼んだぞ。」と叫んで、

箱を抱えて、急いで家から脱出したのだ。

 

車に乗り込み、私はようやく、しんみりしていた。

「霊園にたどり着くまで、ドライブしながら話そうな。」

そう、うめに語り掛けた5分後、道に迷い出した。

だから結局、霊園に着くまでの2時間、

私が発した言葉は、ずっと、

「ここ、どこ?うめさんや、ここ、どこだろか?」だった。

 

やっとの思いでたどり着いた霊園の待合室で、

私とうめは、1時間ほど順番を待つ事となった。

うめとの思い出を頭に浮かべようとした矢先、

また別のご遺族の女性が入ってきた。

 

「私は、13歳まで頑張ってくれた犬を連れてきたの。」

女性は、その一声を皮切りに話し出した。

 

「あら、長生きしてくれた猫さんなのね。大往生で良かったじゃない。

私、とても疲れてて、精神的に厳しくなる時があるの。

あなたが今も整体師やっていたら、絶対お願いするんだけどなぁ。」

 

ここまで、その女性の話を聞いて、私は気づいた。

ちょっと待てよ。

私、なんも言ってねえぞ。

なぜ箱を見て、猫って分かるの?大体の歳まで?

以前の私の職歴、どこで聞いたの?初対面だろ?

私のそんな戸惑いをよそに、女性は悩みを訴えてくる。

 

「私、霊媒師なの。

見え過ぎて、とっても疲れてしまうの。」

 

そりゃ、そうだろうなという思いを抱きつつ、女性の話に付き合う事となった。

その後、女性はご自分の事を効率よく話すために、

本来やり取りすべく、私への質問を霊視によって端折りまくる。

私の年齢、離婚歴、同棲中の男の事、病気の既往歴など、

こういう、本来私に質問しなきゃ解らん事を

いっさいがっさい言い当てながら、

ご自分の旦那様との事や持病の事などを、お話しになった。

端折り方が破天荒過ぎる、その女性に、

「あっ、あなたの番よ。誰かが呼びにくるわ。」と、

それすら言い当てられ、

「少しスッキリしたわ。ありがとう。いってらっしゃい!」と。

何も言えずに聞いただけで、

お礼なんて言われちゃって、

見送ってもらいながら、

私とうめは最後の別れの時となった。

 

一滴の涙も出なかった、あの日。

泣く暇も与えられなかった。

なぜだか、楽しい一日だった。

 

あれって・・・うめのイタズラだったの?