うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

駆け引き

2016年11月14日 | 日記

私だって、女ですもの。

髪を切りに行く日は、

胸が躍るのです。

 

おはようございます。

私は、美容院でのシャンプーに懲りていた。

家から最も近い美容院では、

シャンプーをしてくれるお嬢さんが、面白すぎたんだ。

「このぉ、ゴワゴワの髪にはぁ」と、

私の髪を触りながら何度も言う事で、

シャンプーを販売しようと頑張っていた。

「お客様の、このゴワゴワな髪」

お嬢さんったら、これを少なくとも5回は言った。

2回目までは、ゴワゴワと言われるたび、赤面したもんだか、

3回目聞いた辺りから、

お嬢さん?一つだけでいいから。

せめて、一つだけ、私のいいとこ言ってくれ~。

さもないと、この場で泣いちゃうぞ~って思ったら、

笑いが止まらなくなったんだ。

 

新しく出来た美容院は、シャンプーしてくれる男性が、凄すぎた。

Mr.シャンプーだった。

おそらく、30分以上は掛かっただろうか。

初めに、強めの指圧で、頭皮を刺激して来る。

私は思わず、こんな気持ちいいシャンプー、初めてですって、

口をついてしまった。

この言葉で、Mr.シャンプーのスイッチが入った。

顔にタオルが掛けられて見えずとも、

彼がノリにノッテいる事が、頭部からビンビン伝わった。

時には、活魚を抱きかかえるように、

時には、まるで頭部だけがトルネードに巻き込まれた様に、

時には、赤子を優しく撫ぜる様に。

こうして長い時間、いじくり倒された頭部の皮膚感覚は

完全に、おかしくなっていた。

もう、うんざりだ、やめてくれ!と心で叫びながら堪えていると、

それでも頭部が揺れている状況に、笑いが止まらなくなったんだ。

 

そんな訳で、土曜日に行った美容院は

基本シャンプーをしない代わりに、ちょっとお値打ちな美容院。

予約や美容師さんの指名もできない。

ついでに、大型ショッピングセンターの2階の奥にある。

予約の出来ぬ、お値打ちな店がゆえ、土日は混んでいる。

少しでも遅れて行けば、待ち時間はゆうに1時間を超えてしまう。

 

~ショッピングセンター、開店5分前~

私は、正面玄関に陣取って、待った。

ドアが開いたら、そくスタートだ。

胸の鼓動が聞こえる程に静寂だ。

 

~ショッピングセンター、開店~

店員さんが開けている最中からドアを滑り抜け、もちろん歩き出した。

店内を走ってはマナー違反だから、歩く。

所々で立って挨拶をして下さる店員さんに、

軽く会釈をしながらも、顔は真剣だ。

歩くフォームは、当然競歩のフォームを取り入れている。

競歩に勝る、早歩きは無いと確信して歩いていると、

右横から誰かが、小走りで私を抜き去っていった。

おい、待て!

店内で走ってはいけませんから~!!

そう、心で叫びながら、その後ろ姿を捉えて足を速めた。

正直言って、私も小走りしたかった。

悪魔は私に囁く。

(お前も、小走っちゃいなよ)って。

そんな悪魔の囁きを振り払うように、

私はさらに腕を大きく振りながら、ウォーキングフォームを整えた。

必死に追いかける、小走りの後ろ姿は、明らかに美容院へ向かっている。

こいつもか、やっぱり!

チックショー、

足腰よ、今こそ全力で立ち向かえ~!

そうシフトチェンジをした私は、

エスカレーターを1段飛ばしで上って、そいつに追いついたんだ。

横に並んだそいつも、さらに小走りが加速。

私だって負けちゃいない、合間にスキップ程度の跳ねをプラスして

必死に歩いた。

 

ついに、美容院が見えてきた。

その頃には、私のスネの疲労が限界だった。

早歩きってのは、スネに効いてくる。

こいつ、結構やるじゃねーか?!

少し弱気になった私の心を見抜いたのか、

そいつは、ついに仕掛けてきた。

こ・これが小走り?

これは、もう小走りのスピードではない!

負ける・・・私、負けちゃう・・・

 

~美容院、到着~

ドアのノブは、我々のゴールテープだ。

そのテープを握り締めたのは・・・

もちろん、そいつだった。

私は、無念の2着。

ぜーぜー息を吐きながら、

厳かに、そいつの後ろに並んだ。

負けたよ、完璧な負けだ。

私の顔は、まるで敗者の乾いた笑みのように見えたが、

実際は、前歯に上唇が張り付いて離れないからだった。

その時だ。

勝者が振り向いて私に、こう言ったんだ。

「あの、先にどうぞ。僕はその後でいいから。」

私は、思わず膝から崩れ落ちて泣きそうになった。

あんた、ええ人やなぁって。

 

この感動的な光景を前に、察しのいい店長は、

「あっ、受付はどちらからでもいいですが、

お二人とも、同時にカットして頂けますから大丈夫ですよ。」と。

そりゃそうだ。

美容師さん、たくさん居るものね。

ただ、私達、カップルだと思われてないか?

何も、隣合わせに座らせる事ないじゃん。

白いケープを被らされた・・・

伸びかけの・・・

おかっぱヘアーの・・・

男と・・・

女をさぁ・・・。

純粋に、恥かしかったです。

 

我が家も、駆け引きは繰り返されている。

あやが、おたまの座布団を狙ってる。

 

こう見せかて、狙ってる。

 

あや、ロックオン!

 

足をコチョコチョ!

 

しながらの、パンチ!

 

と見せかけて、おちょくる!

 

おたま、泣く。「ふぇ~ふぇ~」

なんだかんだ、

やっぱり仲がよろしいですな!

 

あや・おたま「だからぁ、仲良くないってば」

そなのね、ヒッヒッヒ。