雨が降るごとに、
空気が冷えてくる、この頃、
母さんは、今日もベランダで外を眺める。
おはようございます。
そんな母さんのために、父さんは椅子を作ってやった。
わが父、御年83歳。
まだまだ若いもんには負けやせん。
いや、娘にだけは、ぜってー負けねえ。
だそうだ。
「だったらさぁ、父さん?
うちの網戸、イチから作ってみてくんねーか?」
どさくさに紛れて、そう頼んでみたところ、
父さんは、腕組みしながら答えた。
「おぉ、お前んちの網戸な。あれ、確かにもうダメだな。
枠から作らんとなぁ・・・
いやおい!それは、金出して、プロに頼め!」
ちっ!
やっぱり、まだ、かなり気が確かだな、父さんめ!
この親にして、この子ありと言わしめたい私も、
まだ諦めてはいない。
最近、己の力不足を感じるのだ。
料理の腕前や、大人としての良識や知識、
仕事でのスキルアップや人としての向上心など、
そちら方面は、とうに諦めているが、
蓋を開ける握力や腕力の低下は、諦めきれないのだ。
という事で、まず腕立て伏せから始めよう!
うんこ「頑張って、母さん!」
う、うん、ありがとう。
うんこ「諦めないで、頑張ってね、母さん?」
うん・・・
うんこ「ほら、ワンツーワンツーーよ、母さん?」
できねー!
もう、記念写真でも撮るか?
ほら、ツーショットだぞ。
見よ、この微笑ましい・・・
うんこ「見よ、この、ほうれい線を!」
お前が言うな!