金曜日、いつものごとく、
動物病院へ行き、点滴治療を施したら、
よねは、とたんに元気を消失させた。
おはようございます。
その日の夜は、鳴きもせず、ずっとうずくまっていた。
私も言葉を失い、ヒヤヒヤしながら見守っていたつもりが、
朝まで、結構しっかり寝てしまった訳だが、
もしかすると、イビキもかいていた訳だが、
よねは、朝には、けろっと元気になっていた。
べーべー鳴いてる姿に、私は安堵してようやく声をかけた。
「よねさん、お腹が空いてんだな。わかったよ~」と。
緩和ケアである輸液治療は、時には逆効果になりうる事もある。
輸液は体を冷やし、患畜の体力を余計に奪ってしまう事もあるのだ。
今回は、そこを私が見誤ったという事だろうか。
いや違う。
よねの声を無視したせいだ。
いつもより嫌がっていた、よねの気持ちを、私は無視してしまった。
ごめんなさいね~。
謝り方が、軽いだろうが!とお叱りを受けるでしょうが、
よねさんがすっかり復活した事と、
明日は、きくの命日という事に免じて、お許しください。
そうだ、明日はきくが逝って1年になるんだ。
生前のきくは、気難しい猫だった。
何が気に喰わないのか、私はきくに叱られてばかりで、
その都度、きくに謝ったり文句言ったり、時には泣き言も言った。
私ときくは、いつも、そうやって声を掛け合っていたんだ。
きくが本当は何を言ってるのか、その真相は謎のままだが、
きくが私に向かって、鳴くたびに「分かってるよぉ」と声を掛け、
すると、さらに大きな声で鳴くきくに、
私も、さらにはっきりと、「分かってますよ!」と言い、
もはや絶叫しているきくに、「なんだよー、分かってるよー」と私も叫んだ。
分かってないから、鳴いてるだと言ってたんだろうな。
そうなんだよな、きく。
私は、本当は分かっていた。
分っていたけど、きくの言う通りにはしなかった。
言う通りにしてしまうと、きくはもっと苦しむと思ったからだ。
1日中、お前と一緒には居てやれないんだ。
お前だけを見て、お前だけと話して、お前だけと暮らす事は、
私には出来ないんだ。
でも、それを分れとは言えないから、分かってるよと言ったんだ。
きくを気難しい猫にしたのは、私のせいだと、分かっていた。
あぁ、そうだよ。
後悔してるよ。
いまも、ごめんと思っているよ。
そして、いまも、お前が恋しいよ。
本当は、二人っきりで一緒に寝たりさ
思う存分撫ぜられたりさ
抱っこだって、まんざらでもなかったんだよな。
私が帰ってくるまで、ずっと待っていた事だって、
私は、分かっていたんだ。
きく、私は、お前を想い続けるからな。
きく「ばーかめ!お前はやっぱり何も分かってないな。
このブサイクな豚世界ナンバーワンめ!私は、抱っこは、大嫌いだ!
もっと、猫の声に、耳を傾けろ!!」
ほんと、勉強になるわ~、きくさん。
ありがとうな、ありがとう。