早寝の私にだって、
真夜中をゆくことがあるのです。
おはようございます。
月のない真っ暗な夜に、私は蛍を見に出かけた。
見上げれば無数の星々、
目の前には星の数ほどの蛍の光が漂う。
一瞬、どれが蛍で、どれが星なのか分からなくなった。
「まるで、あの世から魂が漂って来たみたいな光ね。」
私はそう言ったが、
考えてみれば、蛍の発光は輝く魂そのものだ。
信じられないが、この世に生きる虫だ。
「明るい所で見ると、パニックだろうね。」
友人はそう言って笑った。
星の数ほど飛んでいる蛍を昼間に見たら、間違いなくパニックだ!
笑っていられる場合じゃない。
黒い虫がやいのやいの飛んでいる光景は、この世の地獄だ。
「やめよう。」
そういうことを想像するのは、やめておこう。
のんちゃん?
ねえ、のんちゃん?
なんか、この世のもの感が、薄くない?
のん太「なにがら、かかぁ?」
いや、なんか、その手は右手?左手?
やめておこう。
想像するのはやめておこう・・・そっとしておこう。