昨日、
弊社のドライバーが、泣きそうな顔で
唐突に聞いてきた。
おはようございます。
「ツバメってさ、巣を壊されたらどうするの?」
詳しく聞いてみれば、
よく立ち寄るコンビニの店主が、
店の軒先で子育て中のツバメの巣を撤去したのだそうだ。
「子育て中って?ヒナはどうなってるの?」
「店の脇の旗の上に並んでる。」
スマホで撮ってきた画像を見せてもらうと、4羽が並んでいた。
旗までは羽ばたけるのだろうから、いわゆる巣立ちのヒナだろう。
もう少しというところだから、きっと大丈夫だ。
「鳥の世界では、どんな状況下でも、
親鳥はヒナを見捨てないの。道路に落ちてたって、
親鳥は、そこでヒナに餌をやるんだから。
せめて、旗がクルクル動かないくらいの対処はさせてもらえるんじゃない?
そのクソ野郎に言って、旗をそーっと固定してあげて。
なんなら、私行こうか?そのクソ野郎のとこに。」
クソ野郎も、言い分はあるのだろう。
クソ野郎でも、思考を持った言葉の話せる、クソなのだから。
すみません。
のっけから、口汚くて、すみません。
私は、本当は人のことなんて言えた立場じゃない。
以前、実家でも同じことがあった。
私も、あのコンビニのクソ野郎と同等のクソ野郎の娘だ。
ベランダに作ったスズメの巣を、私の親はヒナもろとも捨てたのだから。
父は「蛇が昇ってきたから仕方ないんだ」と言った。
私は、怒るより先に、
「その巣は、どこ?」と聞き、実家を飛び出した。
ゴミ捨て場へ走って行き、ゴミ袋を漁って2羽のヒナを保護した。
ツンツルテンの小さなヒナだった。
私は、便利な道具をあれもこれも買い込んで必死に育てた。
迷惑な話だろうが、小さな箱に入れて、会社にまで持ち込んだ。
けれど、2羽とも3日で動かなくなった。
私は、あり得ないくらい、泣いた。
どうにもならないくらい、涙が止まらなかった。
悔しくもないし、実家の親への怒りも無かった。
ただただ、小さなヒナが愛おしくて泣いた。
親には、何も言わなかった。
親も何も言わなかった。絶句していたに近い。
だから、何も言う必要がないと思った。
実家から飛び出してゴミを漁る娘を見て、
3日間鳴くヒナを見て、4日目にヒナ箱を持っていないのを知って、
父は、もう充分、心を痛めていたからだ。
自分に難が降りかかると、
人の思考は一気にバランスを欠いてしまう時がある。
それが、あのコンビニのクソ野郎であり、実家の親だ。
誰にだって、そういう時はある。
私だって、他人事じゃない。
慌てれば慌てるだけ、ひっちゃかめっちゃかになるタチだし。
ただ、そういう時に、誰かが引き戻せれば、
現実は、何かが変わる。
どう変わるかは分からないが、凹んだ部分は誰かが何かを埋める。
この世は、きっと、そんな構造になっているんだ。
だったら私は、どうせなら、愛で埋めて欲しいと思う。
うんこさんは、自分で埋めたよね?
凹んだ腹を、自力で埋めたよね?
猛烈に食べて、凹んでたお腹を、ふっくらとさせたよね?
すごいよね、偉いよね。
うんこ「うんちゃんは、頑張って食べてんのぉ。」
うんこ「もう、無理くり食べてんだから。食べるのも稽古なんだから。」
相撲取りの思考!
追記
この記事も、
読み手によっては、まさに私のバランスを欠いた思考による内容だ。
だから私は、欠いた部分を埋めるために、書いているのかもしれない。
その上で、読んで頂ければ、幸いです。