昨日は、
おじさんと、ちょっといいランチを食べに行ってきた。
おはようございます。
我が家のおじさんは、そもそもフレンチの料理人なので、
フレンチ(イタリアンも含む)のお作法ってのも、よく知っているんだ。
だから、たくさん並べられたフォークやスプーンなどに
引け目を感じ、もはや卑屈になる私にとっては、
凄く有難い存在だ。
精神安定剤であり、胃薬だ。
しかし、テーブルの左側に置かれた白い石っころは、なんだ?
こんなの、見たことない!
私は、声を潜めて、おじさんに問いかけた。
「こ・・・こここ・・・これは何?」
「これは、箸置きですよ。
お箸も用意しますよっということでしょうね。
おかっぱちゃんは、お箸で食べますか?」
お箸で食べたい、私はそう思った。
でも、でも・・・・
「そんなのもったいないじゃん?」
と言った。
「何が勿体ないのですか?」
「ん?」
さて、私は何を勿体ないと思ったのだろうか?
慣れない場所で、支離滅裂になりながら、
フォークとナイスで料理をこねくり回す中、
おじさんのスマートな身のこなしに、しばらく見惚れていたのだった。
美味しかったかって?
知らん!
そんなもん、味わってる余裕など、なかったから。
さて、汗だくで家に帰ると、
安心の和菓子が待っていた。
そう、安心の和菓子だ。
結局、私は生粋の日本人なんだ。
私は、日本人としての誇りを持っている!
竹筒の水羊羹だ。
なんと、風流な和菓子であろうか。
つい2時間前、真顔でナイフを左手で握りしめた時、
それをおじさんが静かに持ち直したことなんて、
恥ではないんだ。
だって、私はお箸と和菓子の国の人だから~。
で、これは、どうやって食べるの?
ねえ、これ、どうするの?
この筒から、水羊羹をどう出すか?
私は、もちろん、お箸を突っ込んだ。お箸の国の人だから。
そして、せっかく固めて羊羹にした物を、
箸でこねくり回し、餡子状に戻して取り出した。
「これ、どうしても、こうなっちゃうやんね?」
とヘラヘラしながら、ふっとおじさんを見ると、
おじさんは、筒から、羊羹を羊羹のままツルっと出していた。
「おかっぱちゃん、そんな事しちゃって、勿体ないですよ。」
おじさんは、呆れたように、筒から半分出ている羊羹を私に手渡した。
「何が勿体ないって言うんだよ~」
私は、そうキレながらも、この時ばかりは、
明確に何が勿体ないのか分かってしまった。
ツルっと出された水羊羹は、美味しかった。
あら?
うんこさんも、上手に出してる~
うんちゃん?
せっかく、勿体ないから、もっと見せて~
うんこ「なにが、もったいないの、母さん?」
なんか、この状態を見なきゃ損な気がするんだ。