うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

悪徳業者、その後

2022年04月13日 | 日記

私は、

謝られるのが苦手だ。

 

おはようございます。

ある日、実家に高額な布団を売りつけるべくやってきた悪徳業者の話は、

ここにも書いた。

押し入れの奥にしまい込んだ3枚の古い布団のクリーニングと

ラグマット購入で33万円を上回る申込書に、父はサインをしてしまった。

私は、もちろんクーリングオフをしようと思って悪徳業者に電話を掛けた。

すると、なんとも愛嬌のある話し方をする男だった。

「あぁ、すっかり乗せられて、気分よくサインしてしまったな。」

男と交渉していると、

両親が笑いながら申込書を書いただろう顔が思い浮かんだ。

父に相談もせず返却を求めたら、父はさぞや、ばつが悪い気持ちになるだろう。

そう思い、私は20万を超えるラグマットをキャンセルにして、

3枚の布団のクリーニング代を値切ることにした。

 

そして、先日、

古い布団は、無事、クリーニングを終えて帰ってきた。

3万3千円、値切った。

クリーニング代としては、適正価格に近付いたと考えていいと思う。

成功といえば、成功か?

 

私は当日、当然立ち会ったわけだが、

悪徳業者と直接対面したのは、その日が初めてだった。

それまでの期間、

私は悪徳業者に何度も電話をかけ、もはや愚痴も聞かせていた。

「最近、父の元気が無いんです。自信を失っているみたいでね。

あっ、そうだ、そうだ。

ネットで調べたら、羽毛布団を1万円で洗う業者さん、いーっぱい出てきたの。

御社のクリーニング代は、どうして、そんなにお高いの?

ものすごい最新のAI搭載した機械とかで洗って下さるの?そゆこと?」

とまあ、面倒な電話を掛けつつ、ショートメールも送った。

もはや、新手のストーカーだ。

 

これは、おススメはしないが、

昔、私が実際、ストーカーに狙われた時、

私は、ストーカーを上回るしつこさで、撃退したという経験がある。

喧嘩はしない。正論で責めたりもしない。拒否もしない。

「僕を振ったからには、夜道は気を付けてくださいね」と言われ、

私は、その日から、延々電話を鳴らしたのだ。

「夜道に気を付けるって、どういうこと?

転ぶのを心配してくださってるの?」

「ねえ、その辺りを詳しく教えて欲しいから、会いましょう!」

「歩き方を教えて欲しい。夜道の歩き方講座。友達集めるから。」

「おーい、どうした?元気ないわね。具合悪いの?」

と、あっけらかんとしていると、

後ろめたい人間というのは脅威を感じるものだ。

おススメはしない。

自分に敵意を向ける人や、騙そうとする人と、関わるのは怖いものだ。

私も、ストーカーにも悪徳業者にも、電話を掛けるのは、

毎度、本当は怖かった。

 

当日、悪徳業者に会ってみれば、

(うわ~、男前やな~)という印象だった。

すらっと背が高く、髪はアッシュグレーに染めたサラサラヘア。

そして、ストライプのジャケットを羽織っている。

(なんか、スーパー銭湯アイドルのメンバーになれそう・・・)

言動は、電話口と変わらず、やはり愛嬌があって、

それでいて、礼儀正しい振る舞いだ。

そりゃ、お年寄りなら、コロッとサインしてしまうだろう。

 

布団の搬入と支払いは、和やかに進んでいく。

そんな中、座っていた悪徳業者が、すっと立ち上がった。

「あの、この度は申し訳ありませんでした。

今後決して、娘さんに無断で、ここへは来ません。

どうか、この度は、お許しください。」

男はそう述べて、深々と頭を下げた。

父は、力なく笑いながら、

「うちの娘、しっかりしとるやろ?」

と言った。

母は、不思議そうな顔で、男を見上げている。

その様を見て、私は(よっしゃー!)とは思わなかった。

 

唐突に頭を下げる男は、何を思って頭を下げていたんだろうか。

これで、父の面目は立ったのだろうか。

母は、どう解釈したんだろう。

私は、ある種のやるせなさを感じたのだった。

 

さて、我が家のちびっ子チンピラは謝るのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

誤魔化したな!