うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

一生のお守り

2022年04月01日 | きくの事

ついに私、

アラブの石油王と結婚することに

成功いたしました!

 

おはようございます。

今日は4月1日だから・・・・。

言ってみたい言葉の一つを、叫んでみました。

あっ、ちょっと足らない部分を付け足します。

 

超絶かっこよくて、

とっても優しい紳士的なアラブの石油王と結婚しました。

でもだからって、この日本で暮らします。

というか、お引越しはしないの。

面倒だもん。

この我が家で、いつも通りの愉快な仲間達と暮らすし。

でも預金通帳には、凄い額の生活費が愛する夫から振り込まれます。

今日から私、朝から晩まで、テレビ、み放題です!

 

あぁ、思いのたけを言えた。

感無量です。

 

今日はエイプリルフールであり、

新年度の始まりであり、実は新月でもある。

新しいことを始めるにふさわしい日だそうだが、

私は財布を買い換えました。

入れ替えた中身は、数千円とキャッシュカードと、これ。

このお守り袋には、きくの片牙が入っている。

私は、これを、いつも財布に入れている。

別に、なにがしかのご利益があるとは思わない。

 

ただ

『天下無双のその称号 てっぺん昇って掴むため

なみいる敵を打ち破る 完全無欠我最強也』

と、あまりにも、きくに相応しい口上だから、

これを雑貨屋で見つけた時、ワクワクしたのを覚えている。

 

あの時は、まだ、私ときくは闘っていた。

触るのも気を付けなければならない、

いわゆる家庭内野良状態の猫だったから、

肉球に刺さりそうになった巻き爪を1本切るのに、数日間を要した。

無理に捕まえようとすると、パニックに陥り、

洗濯ネットを試そうと試みたが、やはりパニックに陥り、

それ以来、洗濯ネットを見るだけで、パニックに陥るようになった。

ならばと、寝ている間に切ってやろうとすれば、

きくは隠れて寝るようになった。

ますます、巻き爪は肉球に食い込んでいく。

そうなると、私は、もう、泣きながら土下座した。

すると、どういう訳か、きくは1本だけ切らせてくれた。

両前足の指のうち5~6本が巻き爪だったから、

結局、年中、泣きながら土下座をして巻き爪を切り続けていた。

 

うめ以外の猫らとも仲良く出来ず、

だから、いつも他猫と小競り合いを起こしていた。

そんなきくが、せめて夜は安心して眠れるようにと

私は、いつでもどこでも、きくの居場所の近くで雑魚寝していた。

誰かとトラブルになったら、即出動できるようにだ。

私は夜だって熟睡しない覚悟だったわけだが、

いつでもどこででも雑魚寝で熟睡できてしまう自分を恨んだ。

けれど、さすが、きくだ。

夜中には決まって鳴きわめくきくのおかげで、私は年中寝不足だった。

きくは、昼間はぐっすり眠っていたかもしれないけれど・・・。

 

そして、うめが逝った後は、さらに大変だった。

ただでさえ小柄なキクの体は、極限までやせ細った。

うめを失って絶望したかのように見えるきくが、

うめを失って絶望しかけた私の思いなど、忘れさせた。

「きくも死んでしまう」

そう感じた時、この厄介な三毛猫を、私は切ないくらい愛おしく思えた。

思えたけど、やっぱり、厄介な三毛猫だった。

 

きくの片牙が抜けそうになった時も、

私は、きくを獣医に連れていくことを諦めた。

痛そうにしていた時期もあったけれど、連れてなど行けなかった。

ただ、早く牙が抜けて、きくが楽になればと願い、

「きく、その牙、私にちょうだい」と言って、

ことあるごとに、牙を抜いてやろうと試みたが、

もちろん、毎度きくにめちゃくちゃ怒られた。

だから、きくの口から牙が無くなったと気付いた時、

本当に嬉しくて、思わず抜けた牙を残しておきたいと思ったんだ。

気高いきくの牙だから、入れ物にだって拘って探していた。

 

きくは、本当に、厄介な三毛猫だった。

私は、そんなきくが、大好きだったとは言えない。

そんなに簡単な猫ではなかった。

ただ、きくは、

どうあっても、私のかけがえのない誇りだ。

あっぱれなきく!だった。

 

この片牙は、私の勇気のお守りだ。

気高く己を貫いたきくからのエールだと、私は思っている。

 

そんな我が家のおたまは、

狂犬みたいなきくとも、仲良くしようと試みていたっけね。

まったく、きくへは届かなかったけどな。

案外、優しいんだよな、おたまよ!

 

おい、お前ったら!

お前ったら!!