怒鳴られた~。
怒鳴られちゃった~。
おはようございます。
軽い交通事故に遭って以来、父は荒れ狂っている。
駐車してトランクを整理していた時に、
それを確認せずバックしてきた車にぶつけられたのは、約2週間前のことだ。
その際、父は衝撃に押され尻もちをついた。
そのせいで、尻を打撲したわけだが、
今でも、尻がまだ痛いらしい。
それ以上に、愛車の修理が長引いていることに苛立っている。
苛立った父は、もはや狂人だ。
それは、昔からだ。
アンガーコントロールが出来ない男なのだ。
その姿は、まったく見苦しい醜態だ。
人間のもっとも、嫌な部分が露わになる。
昨日も、仕事中に電話を掛けてきて、10秒後には私を怒鳴った。
怒鳴って電話を切った。
私は、もはや質の悪い言い掛かりに等しい父の依頼を叶えるべく、
仕事を抜けて実家へ向かうことにした。
「怒鳴られちゃったもんで」
と伝えると、隣りの熟女さんが大笑いをした。
もちろん、悪気なんて無い。
そんなの聞いたら、笑う以外の反応なんて、できやしない。
そして、それが良かった。
非常に救われた。
気持ちがぐんと軽くなった。
景気のいい笑い声に送られた私は、それだけでちょっと元気を貰えた。
そして、運転中、考えた。
「めちゃくちゃ、優しくしよう。
めちゃくちゃ笑顔で実家へ入ろう。
めっちゃくちゃ、親切にしてやろう。」とね。
そして、その通りを実践した。
すると夕方、また父から電話が鳴った。
取ってみると、父は泣きながら謝っていた。
「お前に怒鳴るなんて、なんてことをしてしまったんや」
と、泣き声だった。
私はその時、この一連を『愛の追い込み』と呼ぶことにした。
追い込みだから、さらに追い込んでみた。
「父さんの苛立ち、分かる。でもこれじゃ、かずこさんも心配だし、
せめて父さんの痛みだけでも取れればと、
あたしね、自分の指2~3本掛けて願掛けしようと思ってるの。
あたしの指程度で、神様が聞いてくれるか分かんないけど、やってみる。
もうちょっと辛抱しててね。」
そう伝えると、父はどうやら絶句した模様だ。
お手本のようなドン引きだ。
正直、笑っちゃった。
一応、記しておくが、私は本気だ。
こういうのは、バカバカしくっても本気で臨まなければ効かないと思う。
神様にではなく、父には、だ。
とはいえ、今回は願掛けはしないで済みそうだけれど、
尻の痛みに寄り添う座布団なるものは、持って行こうと思う。
2種類買ったから、まずは1個、小出しに持って行こうと思う。
昔から、怒鳴る父が苦手だった。
怒鳴られるかずこさんを見るのも嫌だった。
救いは、かずこさんが怒鳴られたって怯まなかったことだったが、
そのせいで喧嘩ばかりになるのも嫌だった。
なのに私は、何もできなかった。
何もせず、縮こまっていた。
今でも怒鳴られると、動悸がして体が震える。
だからこそ、今だ。
今、私はそれを乗り越える好機にいる。
やってやろうじゃねーか。
私の『愛の追い込み』を舐めるなよ、ジジィ!
さて、たれ蔵は何をしているの?
なんだか、素敵な光景に見えるけども?
たれ蔵「ぼくも、そこに寝たいの」
のん太「のんは、何も聞こえない」
追い込んでる~?!