うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

猫と月と滝の涙

2024年05月08日 | ほくろたれ蔵の事

気付けば、4月なんて、とっくに過ぎている。

 

おはようございます。

このブログの端っこのプロフィールは

毎年、4月に更新することにしている。

産まれた月は、それぞれバラバラだが、

ざっくり4月から、歳を1歳プラスする。

そして、居なくなった者は、プロフィールから外す。

ようやく、書き直す気になった。

 

ある夜、私は猫らを遊んでやろうと、

おもちゃ箱をまさぐっていた。

おもちゃ箱に頭を突っ込む猫を制しながら、

「あやさん、遊びたいな。待て待て!」

と声を掛けた。

最近は、何かと忙しくて、あまり猫らと遊んでやれていない。

罪滅ぼしのためだから、とっておきのおもちゃで遊んでやろうと思い、

箱の奥から新品の猫じゃらしを引っ張り出した。

その時、黒くて長い被毛の塊が綿毛のようにふわりと宙に舞った。

ゆっくりと空中を下降する被毛を目で追い、

床に落ちた瞬間、一気に涙が溢れ出した。

ポロリポロリなんてもんじゃない。

目頭から目尻の幅分の涙が、はやい速度でとめどなく流れ落ちていく。

それはまるで、ナイアガラの滝だった。

「たれ蔵・・・」

そう絞り出したが最後、

私はしばらく、たれ蔵を呼びながら泣いていた。

何度も何度も呼びながら。

 

失うということは悲しく切ない。

それは痛みとも言えよう。

愛しい君との記憶が、滝のごとく、この身を打ち付けるのだ。

痛いのは嫌なのに、忘れたくない君との過去だ。

これはどうしたらいいのだろう。

私は戸惑う。

涙を流し続けるべきか、せき止めようと試みるべきか。

 

ふと我に返ると、はしゃいでいた猫らが、

私を囲んで静かに座っている。

手に猫じゃらしを持ったまま、窓の外に目をやると、

おぼろ月が、流れる靄の隙間から、いたずらっぽく覗いていた。

その月は、まるで、あの子の瞳だった。

 

私は、おぼろ月を見上げたまま、

「遊ぼう!遊ぼう、たれ蔵。」

と呟いた。

結局、私は涙をせき止めることも忘れ、

ナイアガラの滝の涙は流れるまま、夢中になって猫らと遊んだ。

 

楽しかったね、たれ蔵。