先日、私は動物園へ行ってきたんです。
おはようございます。
私ご自慢の望遠鏡の中から、
小型の単眼鏡を2個、カバンに入れて出掛けた。
そして動物園に着き、私は開口一番、友人に
「どっちがいい?こっち?それとも、この指輪型?」
と、ニンマリした顔で問いかけながら、単眼鏡をカバンから出して見せた。
友人は、私のサプライズに、
「指輪型の望遠鏡?」
と、まず、そのことに疑念を抱いた様子だったが、
私は、確信めいた顔で、深く頷いた。
「じゃぁ・・・こっちで。」
友人は、指輪型より大きな方を手に持った。
「あらっ、そっちを選びますかぁ?」
と、なにやら上から目線な発言の私に、友人は狼狽え、
「いや、どっちでもいいよ。こっちのほうがいいの?」
と、指輪型と交換しようとした。
私は、すかさず、最上階から目線で伝えた。
「そっちの方が見やすいよ。ジャックバウアーも使ってたヤツだから。
ジャックバウアーは、誰か知らんけど!」
数年前、アマゾンで、『ジャックバウアーも愛用』と書かれていたから購入したが、
ジャックバウアーを見た事はいまだにない。
「おかっぱちゃん、ジャックバウアーって、24の」
と、友人が言いかけたが、私はその時すでにシマウマの元へ駈け出していた。
広い敷地で草をはむシマウマを見て、高台でキリン目線でキリンに挨拶をして、
レッサーパンダに「可愛い~」と悶絶した。
「おかっぱちゃん、
動物園って、久し振りだけど、なんか、すごく楽しいね。」
はしゃぐ友人に、運動不足の私は息も絶え絶えで伝えた。
「ちょっ、座らして・・・」
ここで、一旦休憩だ。
「大丈夫?お茶買ってこようか?」
気を遣う友人に、私は息を吹き返したが、
走って買って来てくれたペットボトルのお茶は1本だった。
回し飲みをするつもりかと悟った私は、
ペットボトルの口に唇を着けないよう距離を取って、ペットボトルを傾けた。
インドのチャイのように、空中に放たれたおーいお茶の弧線は、
大きく開けた私の口を大幅に外し、鼻の穴で弾けた。
「ぐはっ」
むせた勢いで飛ばされた鼻腔内のお茶は、
上手い具合にペットボトルの口へと返された。
しばらく咳き込んだのち、気道が確保できた私は
何食わぬ顔で、友人への御返杯をしようと、
「飲む?」と聞いたが、反射的に「要らない」と言われた。
回し飲みしようと思っていたお茶を、友人は断ったが、
私は驚きはしなかった。
むしろ当然だと納得し、私達は再び歩き出した。
「おかっぱちゃん、ここは、お猿さんだね」
「日本猿ね。」
猿山の猿は、20頭程だろうか。
「なんか、剥げたお猿さんが居る。どうしてだろう?」
友人は、笑顔で問いかけてきた。
「ストレスだと思う。調べたことあるから。
剥げるほど、過剰なグルーミングしちゃうらしい。」
子どもの頃、初めて行った動物園で、
私は檻の中のチンパンジーに衝撃を受けた。
図鑑に載っているチンパンジーとは程遠かった。
被毛は抜け落ちていて、覇気が感じられない。
私は、咄嗟に「ごめんなさい」と呟いた。
あれ以来、私は動物園を避けるようになった。
そのことを、友人に静かに話していると、友人が俯いてしまった。
この場の空気を凍らせた張本人の私は、温度を上げようと切り替えた。
「今は、飼育員さんも、いろいろ工夫してるみたい。
あのボールも、穴が開いてるでしょう?
あそこに餌が入ってるの。猿のストレス解消になるようにだと思う。」
その続きを話そうとしたが、一向に温まる気配が感じられず、
私は黙るしかなかった。
猿山を離れ、トボトボと歩いていると、友人があえて明るい声で
「あっ、ライオンのブースだ!おかっぱちゃん、ライオン見よう?
おかっぱちゃん、猫、好きだもんね。」
と言って、足を速めた。
私は犬好きだが、それは言わずに友人の後を追った。
「うわ~、ライオンって大きいね~」
雄ライオンが、私達の目の前の檻にもたれ掛かっていた。
かなり至近距離だった。
「ほんと、すごく近いね。大きい!」
私と友人の心に沈んだ冷たい空気は、吹き飛ばされたかに思われた。
そこへ雌ライオンが近づいてくる。
それに気づいた雄が立ち上がり、グルルルと喉を鳴らした。
「おぉぉ~」
そして、雄ライオンは、雌ライオンの後方へ回り、
一気に乗っかった。
私と友人と他の大人達は、固唾を飲んだ。
乗っかったまま、揺れている。
固唾を飲み続けて、もう口の中がパサパサになった頃、
「お母さん、あれは何をしてるの?」
と、かまいたちのような切れ味の言葉が響いた。
お母さんは、どう答えるのか、人々に緊張が走った。
「ん?あれは、えっとね。仲良しさんの挨拶なんだよ。」
母親は、見事な回答を絞り出し、周囲は安堵に包まれた。
寸でのところで、拍手をしようとした掌を、
咄嗟に握りしめた人もいたに違いない。
久しぶりの動物園は、悲喜こもごもだった。
特に友人は、悪戯に心を振り回されたことだろう。
主に、私のせいで。
私も、心が大いに揺さぶられた。
もちろん、友人のせいではない。
檻の中の動物は、野生に返せぬ野生動物だ。
この矛盾を、どう捉えるかは、自分の勝手だ。
可愛く見えたり、可哀想に見えたり、
自分勝手な矛盾が次から次へと湧き上がっては自由に移ろう。
そして、檻の中を覗き込む私は、
自在に形を変える、矛盾だらけな人間社会という檻の中にいる。
今、その檻は、激しく揺れながら急激に形を変えている。
確信めいた矛盾だらけの報道が入り混じり、
スピリチュアリストは、今こそ全てを手放す時だと書きながら、
次の段落には『成功を掴む唯一の方法』講座を売り込んでいる。
私は、知らず知らずのうちに、
人との会話にビクビクするようになった。
胸の中に沈む言葉を浮き上がらせようとしても、
最適な言葉が見つからない。
社会に溢れた矛盾全てに拒絶反応を覚えた頃、
私の知っている人の御親族が、コロナに感染して亡くなったと聞かされた。
親しい訳でもないくせに、私は酷く狼狽えた。
どう捉えたらいいのか、胸の中の言葉を探したが、
言葉が溜まっているはずなのに、
浮き上がらせようとしても、浮いてきた時には別の言葉にすり替わり、
私は自分の矛盾した言葉を飲む込んで黙るしかなくなった。
それをどう捉えればいいのかも、分からないのに、
「分からない」とさえ、言えなかった。
ただひたすら、
社会の矛盾に揺さぶられてなるものかと、心を固くして、
しかめっ面で仁王立ちのまま、マスクで口を塞いでいた。
しかし、
動物園で、自分の勝手な矛盾に自由に揺さぶられ、私は思った。
素直になりたい。
矛盾しててもいいから、感じるまま素直でありたいと。
だから、私は取り留めもなく、答えの出ないままの、
この話を書こうと思った。
長々と、すみませんです。
そんなのん太も、矛盾を抱えている。
かかぁ、抱っこちろ!って来るくせに
おじさんに見られると、気に食わないらしい。
のん太は、産まれてこのかた、
ずっと、おじさんとも暮らしているのに、
どういう訳か、おじさんが苦手なんだ。
のん太「みりゅな!」
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ご意見ご感想、あれば、是非コメントくださいませ
矛盾だらけなんだけど一言が出ない。
どんな言葉が当てはまるんだろう?って考える。
悲喜こもごもな世の中。
世界が広いのか狭いのかよく解らない。
ただ、言えることはわたしの「妄想竹」は矛盾をシカトしている。
見て見ぬふりをしたい訳じゃないけどその一歩をどう踏み出すか?
もう、半分は自分と言うものを諦めているわたくしでございます。
それにしても、のんちゃんは真っ白でかわいいなぁ~
わたしの心ものんちゃんやおたまちゃんみたいに白くなりたいわぁ~
お疲れでしたね~∞お疲れ様です!
お友達はこのブログご覧になってるんですか?
私も某猿園でショックを受けました。
オープン型の獣舎にいる猿たちは健康的で普通なのですが、狭い壁の中に閉じ込められてる一家は、おかしなことになってました(^^; あと鬱っぽくて子育てを放棄してるママ猿さんとか。
狭い空間に閉じ込めて、人間社会の研究に使われてるのでしょうか。。(・・?
その猿園へ一緒に行った人は「ヤバいな~」という空気でしたが、こちらはポーカーフェイスでしのぎました。
私は子供の頃に冷めた自分を確立してしまったので、8割のお友達とは、表面的に先回りしてお互い傷付かないお付き合いしかしません。ホントに好きな友達は心から気を使います。結局、人付き合いは気遣いになってしまいますね(笑)
でも、相手の身になれば、しらける話でも、話してくれて良かったなと思うし、相手のことが分かるのでプラスに考えたいですけどね。それが出来ない人はそれまでです。なあなあでやって下さい。
そんな生活が1年近くも続いてたら
誰だって一度立ち止まって
色んなこと考えたくなるんじゃないかなー。
褒められたことじゃ無いとは思うけど、
あたしはとにかく、自分の目の前にある事柄を
ひとつひとつ誠実に、片付けていくしかないと思ってる。
与えられた環境の中で、精一杯ね。
ここまで情報過多だと、誰の言う何を信じていいのかも
ハッキリ言ってわかんない。
発信している人がどういう人なのか
裏に何かがあるのか無いのかとかも、知りようがないもん。
お知り合いのご親族の方、残念だったね。
面識は無くとも、知ってる人の大切な人だとしたら
そりゃぁ言葉が見つからなくて
狼狽えるのは当たり前だと思うよ。
言葉が出ない時は、黙っているのがいい。
気持ちって、黙ってたって案外伝わるものだと思うから。
動物園の動物たちへの想い・・・ね。
それに関しては、あたしと雲泥の差があることだけは
よーく分かった(^^ゞ
あたしゃ、動物園は臭いので
余り行きたくない!!(*≧艸≦)
(はい、サイテー)
のんちゃん!おじさんはのんちゃんのこと
大好きなんだから、ちったぁ我慢してあげんだよ(^o^)丿
そうそう、踏み出せないんですよね。
誰も傷つけたくないし、かといって、
何も言わない暮らしが出来る訳じゃないし、
どんな顔で、どんな言葉を言えばいいのか、
混沌とする今、分からんくなってます。
自分ではどうにもならない部分も多いですしね。
飲み込まれないようにしておかないとなって
思いつつ、ぐるぐるしちゃう、私です(笑)。
ほんと、まっちろすけですよ~。
目ヤニが目立つ目立つ!!
ありがとうございます。
友人は、このブログ、知らんとです(笑)。
やっぱり、まりさんも、同じように感じた経験が
あるんですね。
他の動物でも、ストレス行動が出ていたり、
なかなかと複雑な気持ちにはなりますね。
私も、なるべく、あぁぁ~ってことには
触れないようにしているつもりなんですが、
時々、やっちゃうんですよね。
反省反省。
おっちょこちょいな部分は、
どうやっても治せないんですがね(笑)。
和顔愛語、これが一番、
人との関わりで望ましいのでしょうが、
私は、まだまだ、若いんだろうな~。
精神年齢が!(笑)
そうだね、黙っている方がいいもんね。
突然で、焦って、何が言わなくちゃって
思っちゃうんですよね。
ご遺族が経験した、生々しい現場を
直接聞くと、もう何と言っていいか、
やり場のない怒りみたいなものまで、
感じちゃいました。
私はさ、やっぱり、ご時世とかにも
飲み込まれやすいんだよね。
染まりやすいっていうか、主観がか細いのね(笑)。
コロナで苦しんでいる人といっても
感染でだけじゃなく、経済でって人もいて、
混沌としていて、どの立場にも偏れないというか、
相反する苦が混在してて、訳わからん。
でも、その分からんとさえ、
私、言えなくなっていて、ふんずまってたの。
平気な顔している感じが、自分で嘘っぽくて。
一回、吐き出さんとって記事も何度書いては消しを
去年から、ずっとやってた(笑)。
ままんの言うように、止まっちゃいかんね。
今、止まってはいかんもんね。
ありがとうございます。
のん太、ほんとに、おじさんに懐かんの。
おじさんは、のんちゃん可愛いって
メロメロなのに!(爆)