１７歳の女の子

美鞠と同じ年ですよ。
美鞠よりも一ヶ月遅く産まれただけです。
なのに、ホームステイで、１人で美鞠と同じ学校に留学に来ています。

この間、美鞠と２人で歩いていたら、いきなり前を歩いていた子に「日本人ですか？」と言われてびっくり！
下校途中だったので、ろくに話しもできなかったけど、半年、美鞠の学校で勉強した後は、日本に帰って受験勉強をすると言うじゃない。
日本の大学に入ると言うから、どこの大学かと聞いたら、早稲田とな！！！

早稲田って、早稲田って、早稲田って！！
こんなハイスクールに留学して来て、早稲田って、あんた！なんて無謀な！
と、思った稚恵子は、この純粋な女の子が不憫に思えて「金曜日にカフェテリアに居るから、お昼ご飯を食べ終わったらおいで」と、ナンパしましたです。

それが、昨日。

実は、昨日、前からみほちゃんに頼まれていた、スパゲティーミートソースを作ってあげる約束をしていて、家に来ることが決まっていたので、だったら、ちょこっと会わせてあげようかなぁ～　と、ちょこっと軽く思っただけだったんですよね。

みほちゃんに話したら、よろこんで！って事だったので、それじゃ、１７歳、日本人でも滅多に行けない、レバノンのレストランへ行きましょうか！って感じで、行って来ました、千夜一夜物語に入り込んだようなレストランへ。

見るもの、食べるものが初めてで、ラッキーな事に、ベリーダンサーも来てくれたので、その子は、びっくりの連続で楽しんでいました。
ターキッシュデライトが出て来た時は「ナルニア王国の映画を見た時に、食べたいって思ったんです！」と、感動で固まっていました。
かわいい～～～！！！

受験の話しや、勉強メソッドの話し、勉強中の精神的なあり方まで、さすが、大学で先生をしている、みほちゃんは、すごい適切に答えていました。
稚恵子まで、なんだか、大学に行けるような気になって来たから、プロはすごいです。

その子が言っていたのは「早稲田に受験して入って、そこを卒業して、今、メルボルンで博士の勉強をしに来ている人に、実際に会えて良かった」と。
すごい人に直接会うのって、本当に貴重だと思います。
別に、ノウハウを聞くんじゃなくても、一緒にご飯食べたり、一緒にすごすだけで、エネルギーの交流が起こるから、言葉以外のところでたくさん学べるんですよね。

そして、その学んだことは、後になって「閃き」という形で、私たちに落ちて来ます。
とても貴重な夜だったと思います。
みほちゃんと、メアド交換したので、何かあったら相談できるだろうし、面白い価値観を持っている子だったから、きっと大物になるでしょう。

将来は、世界中の子供たちを助けたいと言っていただけあって、美鞠の障害を、ちーっとも気にせず、ちゃんと美鞠の本質を見てくれて、美鞠と対等に接してくれて、なんか、すごい大人な子でした。

障害があるから、憐れむでも無く、下に見るでもなく、腫れ物に触るでも無く。
友達として、対等に接するって、大人でもできないんじゃないかなぁ。びっくりしましたよ。
２人とも、異性に興味があるようで無い、お子ちゃまなので、気があったのでしょうかねぇ。
半年で居なくなるのが寂しいですが、美鞠にもお友達ができて、良かったかな。