風の音を聞いてみたい

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自閉症君が亡くなりました

2011-03-31 16:46:00 | あれこれ、どれそれ
今日のメルボルンの新聞のトップでした。
昨日、午後6時頃に家に居たはずの自閉症君が居なくなり、家族で探していましたがみつからず、午後7時ころ警察に捜索願いを出して、近所の人も一緒になって探しまわっていたのですが、3km離れたところにある線路を歩いている時に、列車にひかれてしまいました。
列車のドライバーは、小さい子を避ける事ができず、ただ、ひくしか無かった事に、とても動揺し混乱していたそうです。

6歳で、家を脱走する自閉症君だったら、普段も走り回り、暴れ回り、ご両親は、本当に大変だっただろうと思います。
そういう大変な子だけど、不思議と、そういう家庭のご両親は、玉のように大事に大事に育ててるんですよねぇ。
ご両親の気持ちを考えたら、何とも言えない、複雑な心境です。

人間のこころは、何か、突発的な出来事が起きた時に、一連の流れでヒーリングへと向かいます。

ショック→怒り→悲しみ→希望 です。

このパターンを通り過ぎないと、本当の癒しはやってきません。
トラウマとか、過去の何かに捕われているとか、そういう心理的なブロックは、希望を見る前にこの過程のどこかで止まってしまったから起きます。
あまりにもショックが強い場合は、そのまま、崩壊してしまう事もあります。

6歳だったら、障害児の親のサポートグループに入ってないかなぁ。
入ってたら良いのになぁ。
子供を亡くした親のサポートグループとかあるのかなぁ。
ケアラービクトリアでは、無料のカウンセリングがあるから、受けれたら良いな。

障害児は、税金を払えないし、生産性は無いし、逆にお金はかかるし、お金の面で言えば、無駄な存在と言われても仕方ありません。
でもね、そんな無駄な存在でも、なんだか、知らないけど、愛しいんです。
すごく可愛いんです。
それが、他人の子でも、とても可愛いんですよねぇ。
そして、この子たちを守るために、この子たちが安心して暮らせる社会のために、私は何ができるだろうかと考え、仲間を募り、行動を起こす事ができるんです。

障害児達は、一人一人は、お金を稼げないけど、彼らがくれる力や希望、喜び、愛は、とてつもなく大きく、社会を動かし、法律を作ってしまうパワーがあります。
障害児が安心して歩ける社会は、一般の人に取っても天国のような社会です。
思いやり、理解し合い、譲り合い、助け合い、誠実に、正直に、与え合う。
一人一人が、そんな風になる社会です。
だから、お金の計算できない子から、お金を盗む人は居ないし、言葉が喋れない子でも1人でバスに乗れます。

昨日、私たちは、1人のとてもパワフルな力を失いました。
彼1人が、これからの人生で、何人の健常者の心を動かし、よりよい社会のために貢献できたのか。
とても貴重な光でした。

ご両親の悲しみも、とても深く、深く、言葉にならないくらいでしょう。

ご冥福をお祈りいたします。
コメント (5)
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