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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

イレール・アデュー公演@ParisOpera座②

2007-02-20 23:30:14 | BALLET
2作品目はトリシャ・ブラウンの「オ・ズロゾニー/オ・コンポジテ」
満天の星空かプラネタリウムか・・・というバックに、つぶやくように読み上げる詩のような文句、時折「prrrrrr」いった擬音を挿入。舞台の中央では男性2人女性一人のダンサーが複雑な動きを見せている・・・。全体でモダン・アートとして見せるのが意図なのでしょう。いかにも、なモダン作品です。音楽はローリー・アンダーソン。



イレールの「アポロ」に感涙のわたくし、最後のクライマックス「さすらう若者の歌」に向けて、暫し休憩だわ~と思ってぼんやり眺めていたら、ん?ダンサーが単調な動きながらそれぞれに素晴らしい。
それもそのはず、オレリー・デュポンを中心に、スーパー・バレエ・レッスンで名教師振りを発揮しているマニュエル・ルグリ、そして永遠の若者、お正月映画「オーロラ」の主演でもおなじみの二コラ・ル・リッシュという人気実力ともにTOPクラスのエトワール3人組の競演ですから、休憩時間になりようがありませぬ。

イングリット・バーグマンを思わせるクラシカルな美貌ながらも モダン作品に独特の鋭い感覚を見せるオレリー。
15の力を10にコントロールして抑制された力の美を見せ付ける、端正でありながら王者のパワーのあるルグリ。
ルグリとある意味反対で、その恵まれた肢体を投げ出すようにギリギリまで大きく、破綻しそうなスレスレのところで伸びやかに踊る二コラ。

取り立てて振付そのものが面白かったり、舞踊作品としてすぐれているとは思わないのですが(失礼)、ダンサーの力で見せてしまった、と言う感じでしょうか。
わたくし自身も軽い興奮を覚えて、惜しまず拍手を送りましたが、Opera座の観客は大喜び。
ン?今日はイレールのためのソワレなんだから、ちょっとちょっとそのくらいにしておいていただけないかしら?!、と複雑な気分になるほど・・・。