アイーダ、第1幕2場は、メンフィスのウルカヌス神殿。
フタの神に祈祷する巫女たち。
ちょっとエリザベス・テイラーのような面影のある美しい巫女長が
ジュディ・オングの「魅せられて」の衣装に似た黒い薄物の衣装をまとい、
神秘的な動作で聖的な雰囲気を盛り上げます。
この巫女の長は、演出のゼフィレッリの創作で、彼は「アクーメン」と名づけ、
主要人物に天上のエネルギーを注ぐ役割を持たせたそう。
聖剣がラダメスに手渡され、祭司長ランフィスが彼にエジプトの運命を託します。
神秘的でエキゾチックな音楽に彩られた幻想的な場面。
第2幕の1場はアムネリスのブドワール。
エジプト軍の帰還を迎える式典のために身づくろいをするアムネリスとそれを手伝う
たくさんの女奴隷たち・・・。
優雅な贅沢さが薫る、わたくしの大好きな場面なのですが、それもアムネリス役の歌手が
エレガントな美しさを持っていてこそ。貧弱な存在感の女性だと台無しになってしまうので
今回急なキャスト変更があったのを心配していたのですが、代役のエカテリーナ・グバノヴァは
美しい容姿と柔らかな声、確かな演技力で期待に応えてくれました。
大きな写真がなくて残念なのですがこのシーンのインテリアは金とサンドベージュ、
空色に少しのラベンダーで構成されていてとても美しい。
ブルーのぶちのある2頭の動物で飾られた寝台に座るアムネリスのもとにモザイクタイル
(先日アトリエ・モザイコさんで見た作品にそっくり!)のテーブルに準備されたジュエリーが
何人もの奴隷の手を経て渡されて、その一つ一つを身につけていく様を
一人深みのある赤を重ねた衣装でその場から浮いているアイーダが苦悶の表情で眺めます。
挿入される子供奴隷のダンスは東京バレエ学校の生徒さんたち。
結構テクニックを要する振りを達者に踊っていて微笑ましい。
彼らを優しく伴って女奴隷たちが退出すると只二人が残されます。
先日からの懸念を明らかにすべく、術を弄するアムネリス。
あなたのことは妹のように思えるの・・・とスリよりつつ、我が軍は勝利したけれどもその長を失った、
と言って顔色を伺います。思わず悲嘆にくれるアイーダ。
嘘よ、彼は生きているわ。
喜びに打たれるアイーダ。
間違いないわ。確信したアムネリスの恋敵宣言に思わず望むところよと挑戦的な王女としての対立を
垣間見せ、すぐに我に返って恭順の意を・・・
心猛ったアムネリスは勝利の凱旋パレードの場に立ち会うように傷心のアイーダに無理強いします。
女の対立。
そして・・・。
第2幕第2場 テーベの城門。
アイーダ・トランペットの輝かしい響き。有名な「凱旋行進曲」ですね。
悠然として高らかな金管の美しさにさすがスカラ、と思うとともに、
舞台上で繰り広げられる豪華な凱旋シーンの目くるめく絵巻に心を奪われます。
きれいに側面を強調した動きが統制されていて、行列の一人ひとりがアイーダの世界の
人物になりきっている様子が素晴らしい。
アクーメンはこの場では同じデザインの赤い衣装で、先陣を切って登場します。
王、そして輿に乗ってアムネリスが。女奴隷とアイーダを従えています。
ここで今の言葉ではありませんが所謂「土人の踊り」祝祭のダンスをスカラ座バレエ団のソリストが踊ります。
中心となる男女のペアは二人とも手足が長くて伸びやかな筋肉が美しい。
男性はアンドレア・ヴォルピンテスタ。
女性はまるで伝説のジョゼフィン・ベーカーのような、プリンシパル、サブリナ・ブラッツォ。
褐色に塗った肌と金色の刷毛目が効果的なハイライトでボディペインティングを施していて
なんとも魅力的です。
こういうオペラに挿入されるバレエシーンはおざなりなことが多いのですが、
今回はプリンシパルクラスまで参加していて、振り付けも難易度の高く凝ったもので
思わず振付をチェックしてみたら、なんとボリショイの元スターダンサーで
「白鳥の湖」の演出も手がけたウラジーミル・ワシーリエフ。
道理で男性のソリストの豪快なピルエットなど見せ場が多かったわけだと納得。
最後に登場するのはラダメスと捕虜のエチオピア人たち。
父王を認めて思わず駆け寄るアイーダ。
身分を隠しているアモナズロは娘に口止めをします。
ホアン・ポンスは性急なテンポと多目のブレスがちょっと気になったものの
存在感と威厳、説得力溢れるオーラはピカイチ。
敗軍の捕虜の身でありながら、堂々と明日はわが身と思い給えと慈悲ある処遇を
願い出ます。
勝利の立役者、ラダメスが聖剣をアクーメンに返還。
王から好きな褒美をと言われ、捕虜の自由を願い出ます。
エチオピア人の復讐を恐れたランフィスの進言により、国王が言い渡したのは
捕虜の解放と引き換えの・・・アイーダの父親を指名した人質。
そして王女を娶り国を治めよ、というものでした。
突然にすべての夢が敵った、と喜ぶアムネリス、エジプトの栄光を讃える人々、
雷に打たれたようだと悲痛なアイーダの絶望、復讐を誓うアモナズロ。。。
対立する旋律が溶け合っての心理描写。
ヴェルディの描き分ける各々の立場と激しい感情の交錯する場面は圧巻です。
フタの神に祈祷する巫女たち。
ちょっとエリザベス・テイラーのような面影のある美しい巫女長が
ジュディ・オングの「魅せられて」の衣装に似た黒い薄物の衣装をまとい、
神秘的な動作で聖的な雰囲気を盛り上げます。
この巫女の長は、演出のゼフィレッリの創作で、彼は「アクーメン」と名づけ、
主要人物に天上のエネルギーを注ぐ役割を持たせたそう。
聖剣がラダメスに手渡され、祭司長ランフィスが彼にエジプトの運命を託します。
神秘的でエキゾチックな音楽に彩られた幻想的な場面。
第2幕の1場はアムネリスのブドワール。
エジプト軍の帰還を迎える式典のために身づくろいをするアムネリスとそれを手伝う
たくさんの女奴隷たち・・・。
優雅な贅沢さが薫る、わたくしの大好きな場面なのですが、それもアムネリス役の歌手が
エレガントな美しさを持っていてこそ。貧弱な存在感の女性だと台無しになってしまうので
今回急なキャスト変更があったのを心配していたのですが、代役のエカテリーナ・グバノヴァは
美しい容姿と柔らかな声、確かな演技力で期待に応えてくれました。
大きな写真がなくて残念なのですがこのシーンのインテリアは金とサンドベージュ、
空色に少しのラベンダーで構成されていてとても美しい。
ブルーのぶちのある2頭の動物で飾られた寝台に座るアムネリスのもとにモザイクタイル
(先日アトリエ・モザイコさんで見た作品にそっくり!)のテーブルに準備されたジュエリーが
何人もの奴隷の手を経て渡されて、その一つ一つを身につけていく様を
一人深みのある赤を重ねた衣装でその場から浮いているアイーダが苦悶の表情で眺めます。
挿入される子供奴隷のダンスは東京バレエ学校の生徒さんたち。
結構テクニックを要する振りを達者に踊っていて微笑ましい。
彼らを優しく伴って女奴隷たちが退出すると只二人が残されます。
先日からの懸念を明らかにすべく、術を弄するアムネリス。
あなたのことは妹のように思えるの・・・とスリよりつつ、我が軍は勝利したけれどもその長を失った、
と言って顔色を伺います。思わず悲嘆にくれるアイーダ。
嘘よ、彼は生きているわ。
喜びに打たれるアイーダ。
間違いないわ。確信したアムネリスの恋敵宣言に思わず望むところよと挑戦的な王女としての対立を
垣間見せ、すぐに我に返って恭順の意を・・・
心猛ったアムネリスは勝利の凱旋パレードの場に立ち会うように傷心のアイーダに無理強いします。
女の対立。
そして・・・。
第2幕第2場 テーベの城門。
アイーダ・トランペットの輝かしい響き。有名な「凱旋行進曲」ですね。
悠然として高らかな金管の美しさにさすがスカラ、と思うとともに、
舞台上で繰り広げられる豪華な凱旋シーンの目くるめく絵巻に心を奪われます。
きれいに側面を強調した動きが統制されていて、行列の一人ひとりがアイーダの世界の
人物になりきっている様子が素晴らしい。
アクーメンはこの場では同じデザインの赤い衣装で、先陣を切って登場します。
王、そして輿に乗ってアムネリスが。女奴隷とアイーダを従えています。
ここで今の言葉ではありませんが所謂「土人の踊り」祝祭のダンスをスカラ座バレエ団のソリストが踊ります。
中心となる男女のペアは二人とも手足が長くて伸びやかな筋肉が美しい。
男性はアンドレア・ヴォルピンテスタ。
女性はまるで伝説のジョゼフィン・ベーカーのような、プリンシパル、サブリナ・ブラッツォ。
褐色に塗った肌と金色の刷毛目が効果的なハイライトでボディペインティングを施していて
なんとも魅力的です。
こういうオペラに挿入されるバレエシーンはおざなりなことが多いのですが、
今回はプリンシパルクラスまで参加していて、振り付けも難易度の高く凝ったもので
思わず振付をチェックしてみたら、なんとボリショイの元スターダンサーで
「白鳥の湖」の演出も手がけたウラジーミル・ワシーリエフ。
道理で男性のソリストの豪快なピルエットなど見せ場が多かったわけだと納得。
最後に登場するのはラダメスと捕虜のエチオピア人たち。
父王を認めて思わず駆け寄るアイーダ。
身分を隠しているアモナズロは娘に口止めをします。
ホアン・ポンスは性急なテンポと多目のブレスがちょっと気になったものの
存在感と威厳、説得力溢れるオーラはピカイチ。
敗軍の捕虜の身でありながら、堂々と明日はわが身と思い給えと慈悲ある処遇を
願い出ます。
勝利の立役者、ラダメスが聖剣をアクーメンに返還。
王から好きな褒美をと言われ、捕虜の自由を願い出ます。
エチオピア人の復讐を恐れたランフィスの進言により、国王が言い渡したのは
捕虜の解放と引き換えの・・・アイーダの父親を指名した人質。
そして王女を娶り国を治めよ、というものでした。
突然にすべての夢が敵った、と喜ぶアムネリス、エジプトの栄光を讃える人々、
雷に打たれたようだと悲痛なアイーダの絶望、復讐を誓うアモナズロ。。。
対立する旋律が溶け合っての心理描写。
ヴェルディの描き分ける各々の立場と激しい感情の交錯する場面は圧巻です。