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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

マリインスキー・バレエ「オールスター・ガラ」1日目 ①

2009-12-11 04:29:31 | BALLET
3連日の東京文化会館通い。
今回のマリインスキ-・バレエ団の来日公演は5回の鑑賞ですが、
残すところGALAの2日間となってしまいました。

見所満載、スターの競演。
素晴らしいはまり役(ロパートキナ、ヴィシニョーワ、テリョーシキナ)あり、
つっこみどころ満載の舞台?あり・・・で
今日もタメ息と興奮の上野。
感想はまたじっくりと書きたいと思いますが、まずは配役のみ・・・

2009年12月10日(木) 19:00~21:55
オールスター・ガラ

≪シェエラザード≫ [45分]
音楽:ニコライ・リムスキー=コルサコフ/振付:ミハイル・フォーキン
振付復元:イザベル・フォーキン,アンドリス・リエパ
装置・衣裳:アンナ・ネジナヤ,アナートリー・ネジニー
シャリヤール王 : ソスラン・クラーエフ
王の弟 : カレン・ヨアンニシアン
宦官長 : ロマン・スクリプキン
ゾベイダ : ウリヤーナ・ロパートキナ
黄金の奴隷 : ダニーラ・コルスンツェフ
オダリスク : アナスタシア・ペトゥシコーワ
       : エフゲーニヤ・ドルマトーワ
       : リュー・チヨン

[休憩 20分]

≪ジゼル≫ 第2幕のパ・ド・ドゥ [9分]
音楽:アドルフ・アダン/振付:ジュール・ペロー,ジャン・コラーリ,マリウス・プティパ
アリーナ・ソーモワ  ミハイル・ロブーヒン

≪グラン・パ・クラシック≫ [11分]
音楽:ダニエル・オーベール/振付:ヴィクトール・グゾフスキー
エフゲーニヤ・オブラスツォーワ  マクシム・ジュージン

≪シンデレラ≫ 第2幕のパ・ド・ドゥ [8分]
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ/振付:アレクセイ・ラトマンスキー
ディアナ・ヴィシニョーワ  イーゴリ・コールプ

≪瀕死の白鳥≫ [4分]
音楽:カミーユ・サン=サーンス/振付:ミハイル・フォーキン
ウリヤーナ・ロパートキナ

≪タランテラ≫ [7分]
音楽:ルイス・モロー・ガチョーク/編曲:ハーシー・ケイ/振付:ジョージ・バランシン
ヴィクトリア・テリョーシキナ  レオニード・サラファーノフ
ピアノ・ソロ:リュドミラ・スヴェシニコワ

[休憩 20分]

≪海賊≫ 組曲 [35分]
華やぎの国~メドーラのヴァリエーション~オダリスク~パ・ダクション~コーダ
音楽:アドルフ・アダン,ほか/振付:ピョートル・グーセフ
装置:テイムラス・ムルヴァニーゼ (補佐:ミハイル・シシリヤンニコフ)
衣裳:ガリーナ・ソロヴィヨーワ
メドーラ : アリーナ・ソーモワ
コンラッド : エフゲニー・イワンチェンコ
アリ : ウラジーミル・シクリャローフ
ギュリナーラ : エフゲーニヤ・オブラスツォーワ
オダリスク : マリーヤ・シリンキナ
: ヤナ・セーリナ
: エリザヴェータ・チェプラソワ

指揮 : パーヴェル・ブベリニコフ 管弦楽 : 東京ニューシティ管弦楽団

終演後、サイン会もJAPAN ARTSさんの計らいで催され、
若手3人、オブラスツォーワ、ソーモワ、シクリャリョーフが参加してくれました。
皆さんとてもかわいらしかったですよv

ロパートキナさま、ヴィシは先にお帰りになったということです。多分2幕で出番が
終わったので先にいらしたのかも。
明日もありますものね!

ってもう最終日かと思うと寂しいですが・・・。


「イワンと仔馬」 ③

2009-12-11 04:28:23 | BALLET
第2幕

第1場「世界の果て」

群青色の空に浮ぶ特大サイズの月が4つ。
満月半月三日月・・・シュールで幻想的。

舞うのはテリョーシキナ王女。
長い三つ編みに小さな金色の王冠。
伸びやかな四肢を存分に使った踊り。退屈している王女。
正確なテクニックと美しいラインの正統派バレリーナでお姉さんっぽいクールな表情・・から
想像していたイメージと違って、どこか可愛らしさとユーモアも漂わせて、テリョーシキナ、
こういう創作物語バレエにも嵌まります。

地の果て、そこは火の鳥の住むところ。
オレンジ赤の逆立った髪と対になる意匠の白い衣装。赤と白の激しい群舞は意外なほど美しい。



そこにイワンたちが登場。
姫君に気がつき、すっかり彼女のトリコなイワン。
よく好きな女の子に小学生の男の子がするように(笑)長いお下げをひっぱります。
火の鳥の他には仲間もなく、ひとりで退屈していた姫君は
どうやらイワンのことがお気に召したご様子。美しいPDD.
イワンが頬にチュッとキスをすると驚いて、でもすぐにお返しをしてくれました。
とても可愛らしいシーン。
一緒に都に行くことを承知する姫。
仔馬も登場。3人で仲良く踊ります。
急に眠たくなった王女。ぐっすりと眠る彼女を仔馬とイワンで運びます。
途中で頭と脚を入れ替わりで持ち直したりして、ちょっとユーモラス。

第2場 「宮殿」

王様が待っています。
王女を椅子に横たえるイワン。
すやすやと眠る姫君に、恋に落ちる王様。



姫が目覚めてはイワンはどこ?仔馬は?
王様が深々とお辞儀をして自己紹介。
姫はあまり関心がない。
イワンと踊りたいの、いいかしら?
伸びやかに踊る若い二人。
王様も姫と踊りたいのですが、巧みにスルーされてしまいます。
無視された王様、一計を案じて具合が悪くなったふり。
心配して隣に座った姫君の手を取り、突然のプロポーズ。
バイムラードフさんの従者がすかさず用意した指輪をさしだします。
ダメダメ、こんな指輪では。海底にある宝の指輪でないと!
え~!では早速!
王様は従者に、従者は当然のようにイワンに。
命ぜられたイワン、いそいそと出かけます。
仔馬、行くよ!
この一連の流れがテンポ良く、皆演技が達者でとても楽しい。

第3場 「海底」



水色の髪(スイミングキャップ?)と赤と青のメイク。異形の海底人の衣装は、胸元にその顔がプリントされたこれまたシュールなもの。
でも抑え目の照明のなかで蠢いている様はなぜか美しいのですよね・・・。
スローな動きで戦う(スポーツ、喧嘩かも?)海底人男子。
女性はイワンを誘惑するが、仔馬が注意を促します。
そこに登場するのが2人のお付のものに高々とリフトされてご登場の麗しい海の女王。
この3人はあの雌馬と大きな2頭の馬のダンサーがそのままセットで演じています。
コンダウーロワ、本当に美しくて女王にピッタリ!
ちょっとしたシーンでも彼女が出ると引き締まりますね。
イワンの頼みは聞き届けられ、イワンと仔馬は宝石を持って帰路に着きます。

第4場

イワンの帰りを待つ王様。姫君に踊っていただけませんか?
いいですよ。
背の低い王様と踊ってあげる姫。マイペースで結構手加減しません(笑)
年を取っているので王様ヘトヘト。
そこにイワンが宝石を持って帰ります。
よくやった、でもなくすかさず奪う侍従・・・あの~(笑)
では結婚だ!

いいえ、条件はもう一つあるのよ!
ハンサムで若い人でないと!
この姫君、なかなかどうして仕切ります(笑)

姫君の指示で舞台中央に水槽が準備されます。
熱いらしい・・。煮えたぎっている湯の中に入って。
ハンサムで若くなれるから。
え~!指をちょこっと入れる王様。あっつい!!熱いよ!!

侍従の姦計。
イワンを飛び込ませましょう。
そんな!!ダメよ!
止めようとした姫、間に合わず。
残酷な場面を正視出来ずに皆が背を向けている間、仔馬が魔法をかけます。
大丈夫だよ!飛び込んで!
・・・え~と。
で、水槽に飛び込んだイワン、向こう側で何やら衣装を着たり、帽子をかぶったりしている模様・・・。
見え見えなのですが、その前で飛び跳ねたり踊ったりして水槽を隠しているつもりの仔馬が
可愛すぎますxxx
出てきたイワン、王様のような豪華なチュニックと王冠ですっかり見違えました。
それを見て慌てて自分も・・と飛び込む王様。
・・・えーと。
いきなり土左衛門状態で向こうで死んでいるの(しかもこちらに顔を向けて・・・)、
可哀そすぎます。



CUTEな王様の突然の不幸に、沈痛な面持ちの宮廷。
水槽が引っ込められると、急に気分を変えて、人々はイワンに王様になってもらうことにします。

良かったね!
姫君とイワンのパ・ド・ドゥ。
ロブーヒンの豪快なジャンプ、リフト、一気に祝祭感が漂います。
青と緑の衣装の農民たちも出てきて祭りのダンス。



姫君のソロ。
さすがテリョーシキナ。
超絶技巧の安定感抜群のピルエット、正確な小気味良いパッセ。
それがなんとも美しいフォルムを崩さず、本当に良いダンサーと改めて見直しました。

さあ、イワンも踊って!
皆に促されるとええ~と照れてモジモジ。
じゃぁ・・と豪快なジャンプ。空中2回転でピルエット。
でも途中でやめてしまいます。
ダメ、もっと!
再び同じことを繰り返しますが、あれ?と中断。
うん、とまた再開して(この辺、イワンの素朴さがでています)
豪快な超高速ピルエットに・・・

大いに盛り上がったエンディング。

連日の豪奢な古典を見慣れた目には簡素さが寂しく感じられた舞台セットでしたが、
やっぱりラトマンスキーの演出・振り付けは、踊りそのものの楽しさ、程よい民族色とアートの融合、祝祭感とユーモア、と観客の気をそらさないコンテンツのちりばめ方が上手い。
ただ、マーシャとフィーリンの「明るい小川」今回のテリョーシキナとロブーヒン、のように
それを完全に踊りこなせる技術と演技力を兼ね備えたダンサーを配さなくては、作品だけで
舞台をある程度ひっぱることが出来る演目ではないかも・・と感じました。

今日のところは大満足。
それは、大健闘だったマリインスキー管弦楽団と、昨日のゲルギエフに負けず劣らず(多分、ですが・笑)、
団員から熱い指示を得ている様子だった指揮者アレクセイ・レプ二コフの力も大きかったと思います。

予算的にムリなのかもしれませんが、是非、次回の日本公演の全幕ものは全てマリインスキー・オケでお願いしたいと心から思いました・・・。