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日本青年館 宙組公演「ロバート・キャパ魂の記録」初日

2012-02-16 03:10:50 | TAKARAZUKA
オーシャンズ放置していますが^^;
2012年2月15日(水)15:00
日本青年館にて、バウ・ミュージカル「ロバート・キャパ 魂の記録」東京公演初日に
行って参りました。



バウでの公演を経て、どう変化したか・・・を楽しみにしていましたが
驚くほど全体が引き締まり、非常に魅力的な舞台でした

印象に残ったシーンをランダムに・・・

■ パリでの労働者のデモの場面。

コーラスの厚みに力があり、少人数口のバウ公演とは信じがたい。
流石、コーラスに定評のある宙組。
ここ、群衆に対峙して撮る仲間のカメラマンたちと、デモ隊の中でともに歩みながらシャッターを押すキャパの撮影コンセプトの違いがわかりやすく提示されると共に、リアルな高揚感があり、名場面かと。

■ パリに向かう汽車の旅の場面

バウでは、いかにもミュージカル仕立て、ベルリンでのユダヤ人迫害の機運を予測した社長の温情で、
パリに向かうアンドレ=キャパ(凰稀かなめ)と親友チ―キ(春風弥里)。
乗客、車掌などが織りなす明るい鉄道旅行シ―ン。
コミカルな動きがわざとらしく古臭いと思えてしまったバウ初日とは打って変わって、
軽快で無駄のないリズム感が心地よい場面に

■「ロバート・キャパ」誕生の場面

アンドレの才能を買って売り出しを買って出た女性ジャーナリスト、ゲルダ(伶美うらら)の助言で報道カメラマンとして独立したアンドレ・フリードマン。
それを快く思わない旧・雇い主の差し金で写真のクレジットを改竄され、無名である自分の無力さを嘆くアンドレに、ゲルダがペンネームと同じように、経歴込みで架空の人格を作ればよいと提案。
大人っぽい知的さと柔らかなアルトの響きが心地よい声質と相まって伶美さんのセリフ回しが自然で上手く、2人の掛け合いが実にスムース。

■ パリのカフェ。マグナムメンバーの出会いの場面

カフェで偶然撮った痴話喧嘩が画家のピカソとその愛人とわかる。
教えてくれたのはその場に居合わせたアンリ・カルティエ=ブレッソン(蓮水ゆうや)とシムことデヴィット・シ―モア(星吹彩翔)。
この2人との友情が、その後の報道写真家集団マグナムの基礎となるのだが、アンリの一言の台詞に多くの意味と繊細な表情の変化をつける芝居巧者の蓮水ゆうやが上手い。
バウではシム役の下級生もんち(星吹)と並列の役どころか・・・と見えたのですが、ここにきて一日の長あり、と随所で上手さを魅せるのは流石。

■ スペイン内戦

兵士フェデリコ(鳳樹いち)が一貫して良いです。
戦場場面でもダンスリーダーで緊迫した場面の空気を作り出しています。
写真家3人が撮影しながら絡む振付もこなれてきて違和感がなくなり、パリのデモに続く緊迫感溢れる場面に。


逆にちょっと残念に思ったところは・・・


■ ゲルダのヘアメイク

本来美人なはずなのに??メイクダウンしている?
髪形ももっと似合うアレンジがありそう・・と思ったのは伶美うららちゃん。
ミディアムのボブスタイルのサイドにくるんと大きくカールした髪を並べる、という髪形が不自然?
で、お顔が長く大きく見えてしまう・・・
だったのですが、東京でそのカールを小さくして全体に髪が短めになって、よりコンパクトにはなっていたのですが、職業婦人らしい簡素さが前面に出て、ヒロインらしい華が減じているのが残念。
本来の可愛らしさもある正統派美人顔を、舞台メイクでも表現できるように要・研究ですね!

■ 母と弟の訪問シーン

パリに行ってから、2度、キャパの母ユリアが訪ねてくるのですが、
初回、CAPAとアンドレが別人設定なのを写真から見抜いて、危険な仕事を我が子にさせたくないと主張する母との対立。
2度目で、彼の仕事ぶりを認めて、誇りに思うという母との間に、母の心情が変化した理由の説明が
省かれているので、唐突感が否めない。
専科の光あけみさんの演技はもとより、それを受けての凰稀さんのリアクションが細やかで素晴らしいためにその場ではそうかそうかと納得するのですが、ちょっと疑問が残るのは脚本の問題かと。
東京で修正してくるに違いないと思ったのに変更がなかったのが意外ですxxx


とはいえ、特筆すべきは・・・
キャパがカッコイイ・・・!!
の一言でしょうか。

バウでは、初見ゆえに、色々と脇を確認する必要があったために敢えてセンターをはずして観る場面も多かったのですが、流れがわかった今回は、安心してその場面で一番輝きを放っている人物に視線を定めていられる・・・という2度目ならではのゆとりもありますし、席も、今回は舞台に近いセンターブロックゆえによりオーラを受け止めやすかった、ということもあるのかもしれませんが、それを差し引いても

全ての場面のどの瞬間を切り取ってもブロマイドに出来る!(←ファン目線ですね^^;

というほど、動きも表情も無駄な甘さが排除され精錬された芯のしっかりとした演技に驚かされました。

20日月曜日の千秋楽まで、あと4回観る予定ですので、高めスタートの更なる進化を楽しみにしています