10月号のDDDは「ロミオとジュリエット」特集。
「死」のダンサー2人へのインタビューがしっかり載っているのが嬉しい。
もちろん、2人のロミオと2人のジュリエットの対談、小池先生による解説など、
充実した内容で^^
振付のTETSUHARUさんに対する評価が押し並べて高いですね。
音の取り方のセンスが良い、ということと、舞台全体の立体的な絵面を考えて振りつけることの
できる人という感じで絶賛。
ベジャール振付の抽象的なテーマをずっと踊ってきた中島さんにとっては、フランス版ミュージカルの「死」には興味を持てなかったけれど、TETSUHARUさんの振付ならまた全然違ったクォリティのものになると思ったそう。
僕にとって踊りとは「生」「死」「愛」を表現するものなので、今回の役には違和感なく入れた、と言う言葉など、バレエを離れてミュージカルの世界に敢えて転向したのはなぜ?と気になっていた疑問が、
解けてすっきり。
基本はぶれず、東バで注目していた頃のままの中島さんだなぁと安心しました。
大貫さんと中島さんは、このTETSUHARU氏とは「GQ 神士の品格 Gentlemen Quality」
という異種舞踊界のイケ面注目ダンサーを集めました的な演目で共演されていたのですね。
大貫さんの中島さん評が、このGQ公演のときは、一匹狼な感じで、皆とつるまず、静かでキレイでカッコいいと思っていたけど、今回ロミジュリで話をするようになって面白い人だとわかった、と言う感じの発言で、あぁ、中島さんお変わりないわ、とここでもちょっと安心。
「ロミオとジュリエット」は踊りたい演目だったけれども、バレエでは踊るチャンスがなかったのに
このオーディションの結果「死」の役で今、参加するのは運命だという気がする、という中島さん。
え、踊りたかったんだ!とびっくり。確かに似合いそう。
ただ、在団中の東バではロミジュリはまだレパートリーに入っていなかったような・・・。
今度、シュツットガルトのクランコ版が取り入れられる予定なので、東バに帰ってきてロミオを踊ってくれないかしら~と思わず妄想^^;
観劇感想を飛び越してインタビューへの所感のようになってしまいました^^;
取りあえず、CASTごとに印象をまとめてみますね・・・
■ 城田優 ロミオ
金髪が似合う!そして周りの仲間たちから浮いている!
「エリザベート」のトート役では見えなかった彼の持ち味、温かみと甘さがいい意味で突出していて
夢見るロミオにピッタリ。まずガタイが1人大きいので、”白雪姫と7人の小人”に見える・・・と言った人がいましたが、さすがに姫ではないでしょう・・^^;
寧ろゴールデンレトリバー?
小さなジュリエットに寄り添って甘える様は、クゥンクゥンと鼻を鳴らす大型犬のようでした(笑)
大きい、ガイジン顔、ほわんとしている・・・というヴィジュアルがまず、まわりのモンタギュー家の仲間たちの中にあって、1人浮いている様がリアル・ロミオ。
ジュリエットの乳母も伝言を届けに来て、皆とロミオを見比べて一言「あなたがロミオね。皆とは違うわ!」と言った言葉に説得力がありました。
とても良かったです。
一幕では夢見がちながら、ジュリエットをリードする青年でしたが、2幕、運命が急転して翻弄されるにつれ、どんどん心細さが強くなり少年化していったような・・・。
最後、石棺の上に横たわって絶命した瞼を閉じた顔がとても無垢な感じで、なんというアンジェリックなBabyFace!と見惚れました。
自然に感情を載せた温かみのある歌唱がなんとも魅力的。
■ 昆夏美 ジュリエット
キュッとCUTEなつぶらな黒目がちな瞳に光があり、歌も上手い。
こんな
ジュリエットってバレエなどでは、あえてリアルな年齢の若手が踊るより、熟年に近いべテランダンサーが技巧と心理表現の粋を凝らして作り上げる方がより感動的だったりもするのですが、
今回は初めての舞台、ならではの輝きを期待している、という小池先生の読みが当たったと言ってよいかもしれません。
脇の役者が豪華すぎる中、座長であるロミオが、より若手の新人ジュリエットをリードしてあげなくては、という立場になることで、余裕が生まれる、という結果も、舞台のパワーバランスとしては効果的だったのかも。
ただ、常に12cmのヒールを履いているとはいえ155cmの昆さんと190cm近い城田君の並びは、身長差以上に体格差もあって、さすがに厳しいかな?とバルコニーのシーンでは思ってしまいました。
見下ろすロミオに見上げるジュリエットなら良いのデスが、完全に幼稚園の子にするように膝を折って顔を近づけているロミオって・・・^^;
あと、これは演出の問題でもありますが、結婚だけは好きなヒトとしたい、とバルコニーで運命の人との出会いを念じる場面。
宝塚版では、乙女心全開の夢夢しいソロでしたが、こちらでは、パリス伯爵の求婚を告げるにあたり、フランス版ではあって宝塚版では省略されていた母の歌で、ジュリエットはキャピュレット卿の実の娘ではないと明かされていたり、結婚に幻滅させる前振りが衝撃的すぎて。
誰か・・と出会いに救いを求めている切迫感のある歌になっているのがちょっと・・・。
■ 浦井健治 ベンヴォーリオ
改めて上手いな、と思いました。
ヴィジュアル的にも、存在感としても、おぼっちゃま風味の王子様な城田ロミオと、ストリートダンサーズ集団(衣装もそう)なモンタギューの若者たちの間を取り持ちGAPを埋める役どころを的確に演じていました。
ジュリエットの死を「どうやって伝えよう」の2幕の大きな見せ場の歌、これは宝塚雪組の未涼亜希さんが圧倒的でしたが、浦井君も台詞として気持ちのこもった歌唱で良かったと思います。
■ 上原理生 ティボルト
見た目は野性的、歌声は声量があり朗々と歌い上げる系。
宝塚版で言うと、凰稀かなめさんより緒月遠麻さん寄りの役作り、原作イメージに近いティボルト。
「キャピュレットの貴公子のお出ましか」の台詞がしっくりくる、「本当の俺じゃない」と悩める姿が悩ましい凰稀さんのティボルトが恋しくなりました^^;
■ 未来優希 乳母
なんといっても実力派の元ジェンヌ、ハマコさんですから!
とても期待していたCASTの1人。
・・・で、たっぷりしたオバサンなおおらかさはさすが。
運動量半端ないモンタギューの若者たちに翻弄される伝令の場面もテンポよくこなし、シェイクスピア劇のコメディエンヌとしては勿論合格。
・・・なのですが、これまた、星組の白華れみちゃんのキレイな細いお顔はそのままで無理やり肉布団をつけたどこか聖女のような乳母が恋しくなりました・・・^^;
あの「自分の産んだ子じゃない、でもわたしの子に違いない・・・」とその子が成長して今恋をしている!という感動の歌が、れみちゃんの時には そのまっすぐな清らかささえ感じさせる愛に涙が止まらなかったのですが、未来さんは朗々と歌い上げる様が・・上手すぎて・・・。
あと、神父様と2人、若者の未来を応援するデュエットも、英真なおきさんの神父のロミオへの愛情、白華さん乳母のジュリエットへの愛情がそれぞれにたっぷり表現された上での歌だったせいか非常に心に響いたのですが、これもまたちょっと物足りない感じが残ってしまいました。
勝手に期待しすぎたのかも^^;
■ 涼風真世 キャピュレット夫人
えっと、ここで衣装について。
今回衣装が、ドレスキャンプの岩谷俊和さんということで、楽しみにしていたのですが、
キャピュレットチーム、赤と豹柄、が、キャピュレット夫人のお衣装の場合、紅いヴェルヴェットの薔薇を立体的にデコルテラインに配した上半身と豹柄の縦フリルを連ねたロングスカート部分の対比がドラマチック。そしてそれを着こなす涼風さんの美魔女っぷりったら・・・!
ほっそりと長い首とボリュームのある赤毛に紅い薔薇を配し、大きく開けた華奢なデコルテから見える白肌がドレスの赤に映えて、妖艶。ジュリエットに対しても容赦なく残酷な真実を突き付ける辺り、母性は乳母に任せて、自分は浮気な夫への当てつけのように女としての自由を謳歌しようとするわがままな妖精。
あれ、それって地?(笑)
歌は圧勝。さすが唯一無二のスターですね。
こういう人が脇にいることがこの舞台のゴージャスさだと思いました。
■ 大鳥れい モンタギュー夫人
美しいです。
岩谷さんは両家の夫人のドレスに、情熱のほとんどをつぎ込んだのでは?
大きく膨らませた鹿鳴館風のパウダーグレーの髪に、透ける素材のハイネックと長袖にビスチェを重ね、腰にオ―ストリッチかファーのバッスルスタイル。全身優雅なライトグレーではっきりしたお顔立ちに赤口紅が英国の淑女のよう。
あと、両家の夫、石川禅さんキャピュレット公の紅いジャケット豹柄のボウタイブラウスに一つにまとめた黒髪ロング、モンタギュー公 ひのあらたさんのライトグレーのロングテ―ルコートの優雅さ、更にヴェローナ大公の中山昇さんも、長身で、大公殿下をセンターに両家がにらみ合う定番の場面の見栄えの良かったことと言ったら!
こういう大人枠のVISUALが充実していると気持ちがいいですね!
■ 良知真次 マーキューシオ、パリス 岡田亮輔
まとめてしまいましたが、ともにヴィジュアル良し、歌・演技良し。
パリスの衣装がちょっとかわいそうでしたね。ライトピンクと黒、そしてメイクも昔の貴族のようにピンク系のパウダーをはたいていらしたのかしら?
役にあったお二人だったと思います。
■ 再び 中島周 「死」
衣装について書くのを忘れていました。
冒頭は黒パンツの上にチュールのロングスカートを重ね、上半身も透けるピッタリした長袖Tシャツスタイル。手元とお腹のあたりにキラキラのラインストーンが散りばめられていて耽美的。
マントヴァでロミオに毒薬を売る薬売り、は、なんとクラブ・マントヴァというボールダンサーが妖しく踊るカウンターバーで、バーテンダーのようにカウンターの向こうにいます。
黒パンツに素肌に黒ジャケット、目深にかぶった帽子でダークなシャドウの目元が隠れているので 却って東バ時代のベジャールダンサー周くんらしくてハッとします。
基本、「死」は、辺りの2層になった建築現場の足場のような建物を徘徊して、そこで踊っていたり、ロミオにまつわりついて、死の影を匂わせるのですが、
このマントヴァで薬を売った後、ジュリエットの死に絶望するロミオに絡み、そして、黒のストールを使ってロミオを翻弄し、完全に支配下におく瞬間があり、総じて、バレエダンサーならではの超遅速のタンジュなど、溜めることで魅せる、という静の演技が多い中島「死」の中で唯一シャープな攻めの姿勢を見せる場面で、ちょっとベジャールの「M」のときのサディスティックな鋭さを思い出しました・・・
やっぱりまた、ベジャールを踊って欲しいですね。
カーテンコールでは、みな手拍子したり、笑顔で盛り上がる中、表情を大きく崩すことなく、周囲が盛り上がるときには、すっと柱の陰に消えたり・・・。
常に「死」として舞台に存在しようとする、彼の矜持を観た思いがしました。
詳しいレポ書いてくださって嬉しいです。
ちょっと突っ込んで悪いのですが(汗)、昆夏美さんは20歳、フランク莉奈さんは17歳とメールマガジンに書いてありました。今からでもメルマガ受信できるはずです。
昆さんは155cmですか・・・ロミオ二人とも背が高いので、ちょっとバランスが悪いですね。
反対にフランクさんはハーフのせいか、とても背が高いです。記者発表の時の写真を見ると、山崎君とあまり変わらないくらいに見えました。
まりあさんのレポを読んでいて、涼風さんのキャピュレット夫人が楽しみになってきました。
やはり、主役経験のある女優さんが脇を固めると迫力が違うようですね。
ティボルトは・・・皇稀さん(おうきさんの、おうという字が私のパソコンでは出ません、すみません)をDVDで見返すと
まるで皇稀さんじゃないみたいに、お上手ですね。まるで、別人のようです。
まりあさんには是非、山崎君、フランクさんも観ていただいて、感想が読みたいです。
大阪公演が待ちどおしいです!
観劇後すぐの観劇レポ!舞台の素晴らしさが、リアルに伝わってきます{キラリ}
城田優くんも、チケットを取る時はがっかりしていたのですが(育三郎君を観たかったので)
かなり期待できそうですね★
ハマコの歌い上げる様、なんだか想像できる~~!!(笑☆)目に浮かぶようです{笑}
とにかく来月のロミジュリ大阪公演が楽しみになってきました~♪♪
ちなみに星組名古屋は22日のみ、行きます★
チケットの関係で・・・。先行ではずれて、一般発売の日パリにいましたので
思うようにチケットが取れませんでした{グズン}{汗}
おはようございます!
”突っ込み”ご指摘ありがとうございました。
DDDの2人のジュリエット対談でも、昆さんにフランクさんがお姉さんみたい・・と言っていて
同い年じゃないんだ、と認識していたのに、城田君山崎君対談で、ジュリエットが決まったら
4人で飲みに行こうね!と言っていたのにまさかのリアル18歳で・・・と言っていたのが頭にあり^^;
訂正させていただきました{笑}
涼風さんは全く母親らしくなくて、思い切った役作りでした。
ティボルトがジュリエットへの思いを歌う場面では偶然のように後ろを通りかかって、
手にしていたバラをへし折る、という演出も^^;
凰稀さん(鳳凰、と入力して鳳を消すと簡単です^^)のお歌、このひとつ前の作品からファンになった
わたくしですが、このロミジュリの「本当の俺じゃない」のときに歌の内容と自分の思いが初めてシンクロ
して・・・とのご本人の談話を読んだことがあります。
小池先生から初めて歌で褒められたらしい記念すべきお役で。
わたくしにとっても、梅芸で一度観てとても気になり、初めて博多まで追いかけて
その歌の成長ぶりに驚き、それから同じ公演を複数回観るようになったと言う、観劇スタイルを
変えるきっかけになった作品で、色々な意味で感慨深いです・・{YES}
山崎くんや他のキャストの方の版にも興味はありますが
今回の観劇が より観てみたかった人たちの組み合わせなので、
取りあえず、満足してしまっています^^;
休みの都合で、希望が通れば、大阪公演をあと一度押さえたいのデスが厳しいかも・・・
おはようございます{ハッピー}
うふふ、お楽しみいただけましたでしょうか?
今、読み返してみると、初夜を迎えた2人が眠るベッドの上から死がスッと降りて来て
ロミオに口づけをしてまたスッと上がる・・・という演出とか、他にも見どころが色々あって
書き足りていないな~と(笑)
でも、あまり書きすぎるとネタバレになりますものね!(今でも十分なっているかも・・・^^;)
22日にご観劇されたのですね、ノバボサ。
わたくしは24、25なので、もしかして、劇場でお目にかかれるかも・・・と
思いましたので^^{マト赤}{マト青}
tsubaki-hymeさんのブログでのご観劇レポも楽しみにしていますね{キラピンク}