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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

宝塚月組「バラの国の王子」「ONE」

2011-05-14 05:08:31 | TAKARAZUKA
5月5日の子供の日、またまたお声をかけていただいて、4列目の下手通路側、という良席で、
月組のミュージカル「バラの国の王子」~ボーモン夫人作「美女と野獣」より~(脚本・演出:木村信司)と
グラン・ファンタジー「ONE―私の愛したものは・・・―」(作・演出:草野旦)
を観て参りました



いや、良かったです^^
観に行く前は、あえてチケットをとらなくてもいいかな?と、次の東京宝塚劇場公演の星組の「ノバ・ボサノバ」にすでに気持ちが行っていて、現公演の月組はノーチェックだったのですが。(あ、前回の「ジプシー男爵」も一応一回は観ていますよ^^)

物語は素直に「美女と野獣」
王子が野獣が姿を変えられるまでを銀橋芝居と歌で紙芝居風に手際よく見せて行くオープニング。
野獣の館の召使たちが動物、と聞いて、ジェンヌがサルや虎にどうやってなるの~??と思っていたら、基本、女子はベスト、男子はジャケットの執事スタイル。W2番手のみりお(明日海りお)ちゃんの虎だけ、執事頭のポジゆえ、黒白ではなく光沢のあるグレーの3つ揃え。片手に自分の動物のマスク(これもモノトーン)を持つのはお能の表現を拝借した演出?
でも、下手なマスクで素の表情が隠れてしまうことを思うとこれはこれでナイスな演出かと。
主役のきりやん(霧矢大夢)は画像通りの野獣コスチュームですが、意外としっくりハマっていて違和感なし。アラビアンナイトの靴のように先端が上にくるりとまくれ上がった靴とか、獅子舞のようなネイビーブルーの鬘とか、ネイルアートとか、異形とシックの狭間にあって、苦悩する表情も良く分かるマスクで、お似合い(というのもナンですが)でした^^

ご存じとは思いますが、ネタばれあらすじ。

オープニングで物語られるのは、良き王様(龍真咲)と清き仙女(花瀬みずか)の夫婦から生まれたバラを愛する王子。
幸せな王家に后の妹君(彩星りおん)が悪だくみを仕掛けます。
平凡な生活に飽きていた王様をたぶらかし、ワルイ遊びを教えて略奪。姉を追いだし自らが后におさまり、自分の息子(龍真咲・2役)を王にすべく、兄王子を野獣の姿に、忠実な家臣を動物に変える妹君。
清き仙女は、野獣の姿でも真実の愛を誓う女性が現れたら、その魔法は解けると言い残して姿を消します。
王は病死、何も知らない息子が母の摂政政治のもと、王になります。

一方、やもめの商人(越乃リュウ)の家には3人姉妹が。
ちゃっかり者の姉二人(星条海斗・憧花ゆりの)と、優しく美しく賢い末娘ベル(蒼乃夕妃)。
読書を愛するベルは村の青年のあこがれの的。噂を聞きつけて王様が求婚に訪れますが、愛ゆえにではなく人の欲しいものが欲しいだけと悟ったベルは、自らの若さと未熟さを理由に断ります。

事業に失敗した商人が起死回生をかけて荷物を受け取りに港に出かけるも裁判で敗訴。
姉娘たちからせがまれた土産はおろか、無一文で嵐の中帰宅の途中で屋敷に迷い込み、目に見えないものから歓待されます。翌朝、庭の薔薇園から、ベルに頼まれたことを思い出し、薔薇を一輪手折る商人。
すると、薔薇を愛するがゆえに怒り心頭に達した野獣が姿を見せ、自分か娘がここに戻るようにと命令します。

野獣の館から財宝を土産に持たされ、歓び迎える娘たちにそのことを告げると、ただ一人ベルだけが身代わりを志願。
館に到着。動物たちとはすぐに仲良くなりますが、ベルを愛してしまった野獣はその愛ゆえに、嫌われることを恐れて姿を見せることをためらいます。
外見に惑わされず誠実なベルと知的で紳士的な野獣。だんだん気心が知れてきたある日、野獣は愛を告げるのですが、ベルは愛と同情は違うと拒絶。
落胆するも、気丈にふるまう野獣。そんな折、ベルの家の様子を観られる魔法の鏡に 姉二人を嫁がせた父親が1人病に臥している様が映ります。帰宅を懇願するベルに手厚い里帰りの土産を準備。2週間したら帰ってくるという言葉を信じて送り出すも、悲しい予感に、死を覚悟の上、ベルが帰るまで(帰らなくても)部屋に籠ると家臣に告げます。

甲斐甲斐しいベルの介護で父は回復するも、立派な支度で返されたベルに嫉妬した姉の差し金で帰宅を聞きつけた王がベルを拉致。
野獣のもとにいたベルには嫁の貰い手がないであろうが自分は許す、妻になるがよいと監禁。聞く耳を持たず、野獣を攻撃する準備を始める王と比べて、改めて野獣の紳士的な振る舞いと深い知性を思い起こし、自分の非を悟るベル。

家臣の小鳥たちが心配してベルを救出。
野獣の館で対峙する両陣営のもとに割って入るベル。愛の言葉で、野獣が美しい王子に。
そして動物は人間の家臣に。歓び改めて自己紹介をする家臣たち。ベルは見知らぬ王子に不信感をあらわにし、愛する野獣の姿を探し求めます。
姿を戻されて芽生えた驕りに気付いたと反省する王子にようやく愛する人の面影をみとめるベル。
清き仙女も現れて、本当の王はどちらか!との対立を見守ります。現王の腹心アンリ(青樹泉)に真の王として選ばれたのは元野獣の兄王子。
「2度と戻るな」と追放の宣言をしようとする家臣の元虎を遮り、旅立たれても故郷にはいつでも帰ってきてくださいと、敵方であった腹違いの弟に懐の大きさを示し、大団円。


え~と、凄く良かったです。
観る前は、キムシンの主役周辺数名以外はただの群衆として扱う紙芝居演出の童話か・・・と言われていたのを受けて、あまり期待できそうにないな・・・と思っていたのですが、結果として客席でダダ泣きしている自分を発見

そういえば、機内で観たディズニー映画でもダダ泣きして英語・日本語両バージョン観てしまった過去がありますし(告白)、どうやら、この話自体、心の琴線に触れるものがあるのかも・・・

■きりまり
きりやん(霧矢大夢)の野獣の芝居が繊細で、野獣のとまどい、葛藤、落胆と克己心、自己犠牲の苦しみ、包容力がダイレクトに伝わってきて、この古典的な紙芝居的な演出に生命力と品格を与えていました。
歌の上手さはやはり群を抜いていますね。頭の大きな頭身バランスのおかしい野獣のコスチュームも、もともとお顔がきれいでスタイルは普通・・・な方なので、あまり残念感がなく、唯一見えるお顔のメイクの美しさが際立っていて実は心のキレイなヒト、がちゃんと伝わっていたと思います。
まりもちゃん(蒼乃夕妃)はベルにぴったり!かしこく可愛いコ、という設定が無理なく、健気な演技も自然。
本が好きで、ちゃっかりものの姉たちのこともどこかで可愛いと思っていて、父をいたわり大切にして・・・という優等生ながら、そんな自分を振り返ってそこに嘘がないか自省する歌が入っていたり、真情を吐露できる場面を素直なきれいな声での堅実な歌唱で活かしていました。

■まさみり
王様のまさおくん(龍真咲)が可愛らしい・・・。先代の王を紙芝居キャラ的にパントマイムで演じるときも優雅。
自己中心的な暴君である2代目も、母の教育が間違っていただけで、素は素直な良い人なのでは・・・と思わせる余地を残した役作り。ベルにプロポーズの返事を延期されたときも、遠回しのお断りとは取らず、「断られたわけではない。待ってほしいと受け取った。また来る。」と晴れやかに帰って行くところ、最後、元野獣か自分か、真の王を家臣に選ばせる場面で向き直る腹心の部下アンリに頬笑み、「やはりわたしか!」と嬉しげに自信たっぷりに言うところ・・・KYぶりがすでに愛おしいデス
一方のみりおちゃん(明日海りお)は野獣の腹心の部下ポジの「虎」。
執事長のような感じで、家来たちを仕切る優秀な補佐役。出来る部下、という雰囲気を醸し出し、皆とは一線を画したリーダーらしい押し出しが見えます。
最後、王座を下りて、旅に出る(事実上の追放)元・王様に「ニ度と帰ってくるな」と声をかけ、元・野獣がいつでも帰ってきてくださいととりなす・・・というあたりもややSな攻めキャラ?かわいらしい美貌で、素直な役を振られることも多い彼女ですが、こういうちょっと強気のキャラの方が、ニンなのかも?

■シスターズ
身長173cmと、月組においては大柄な、バリバリの男役マギーさん(星条海斗)が長女役。
大きいけれど見た目リアルに可愛くて、俗物でちゃっかりしているけど憎めないチャーミングなお姉さんを好演。

■お父様
え~と。月組と言えば、実力派のTOPコンビ、可愛らしいビジュアル担当のW2番手、堅実に脇を支えるマギー、もりえ(青樹泉)、そのか(桐生園加)の上級生陣、という布陣で、下級生たちも歌が上手かったり、素直にキレイだったりで破綻はないものの、オッと目を引く華と個性が両立している人がちょっと見当たらず・・・
で、だれかにオペラグラスを合わせる、というよりは、安定した全体像を愛でる、という組認識があったのですが。
今回、遅ればせながら、月組の最終兵器、越リュウこと越乃リュウ組長の魅力に開眼。
片膝付いて控える、というポーズの場面がやたらと多く、そしてそのポーズがとてもキレイ!
物語の初めと最後に出ずっパリだった素敵なお父様役で舞台を彩ってくれました(あ、すでに目が偏ってますから!)
ベルが王様のプロポーズを断るのに「わたくしはまだまだ若く・・・お父様のお世話がまだまだしとうございます」と言うのですが、、それはそうよね~と深く深く頷いてしまいました
生徒年鑑である「おとめ」でチェックすると、組長さんと言えども、宙のTOP,ゆーひさんよりも一学年下、なのですね。
これから月組を観る楽しみが増えました

■その他
その他って・・・^^;
言い方もちょっとナンですが、このお芝居、メインの人が少なく、あとは「その他」動物たち、「その他」村の青年たち、という群衆芝居になってしまうのが仕方ないのでしょうが、少し残念。とはいえ、「その他」村の青年たちが、ベルに対する憧れを口々に歌う場面では、ひとりずつ、自分のパートの歌詞に感情をのせ、ビジュアルもきれい。
家臣の「その他」である小鳥さんたちも美声で、コーラスが心地よく、全体的なクォリティの高さが見受けられたのは収穫でした。

ショー、グランファンタジー「ONE」についてはまた今夜・・・(少しずつのUPでスミマセン)
はい、「ONE」感想です。

One for all,all for one・・・・わたしの愛したものはTAKARAZUKA・・・

で、草野先生のショーらしく、何か無理無理取り付けたテーマを時折におわせつつ、パラノイア的にバラバラなシーンの継ぎ合わせ・・・で、ひとつのショーとしての「あぁ、エネルギッシュで華やかなショーだった」とか「幻想的でエキゾチックなショーだった」といった感想にまとまらず、あのシーンは良かったけど、あのシーンはいただけないなぁ~と言った、シーン毎の感想になってしまう。

そんなショーでした(笑)。
というわけで、場面ごとに一言感想を・・・。

■まさみり
スロットマシーンで運だめし!
まさおくん(龍真咲)とみりおちゃん(明日海りお)がカラフルなチェックのジャケットスーツ姿で登場。
舞台には巨大なスロットマシーンと滑り台が。
え~と、これは可愛い二人が滑り台から降りる、というのを見たくて作ったシーンですか?
スロットマシーンで並べる絵柄のブタが稚拙すぎる・・・(苦)
なんどか試してもダメで最後のコインを使い切るけど、落ちている最後の一枚で大当たり~
たわいなさすぎる割にひっぱりました。
まぁ、かわいい二人の姿を見てくださいというファンへのサービスシーンだからよいのでしょう。
(実際可愛かったです)

■NO.1特集
アメリカのお気楽なフェスティバル会場で、色々なNO.1を競います、というかわたしが
XXのNO.1!という自己申告大会。
ハイテンションの割に「テキ―ラNO.1」とか、マギ-さんが星条旗の衣装で「テキ―ラ!」と叫びながら、ひたすら一気飲みをする・・・・とか、スベる企画が多くて、かなり退きました(生徒さんのせいではありません。演出家を呼びだしたいです)。
霧ヤン(霧矢大夢)のビッグ・ドリーマーNO.1、夢を語るのですが、これは日替わりらしく、5月5日は「わたしの夢は端午の節句にタンゴを踊ることです」でした。
他の日もなかなか気の効いた台詞だったそうです^^

■きりまり
TOP二人のデュエットは大人のムードで。
まりもちゃん(蒼乃夕妃)のドレスは赤やグレーサテンの大人っぽいものでお似合いでした。
きりやんが歌い、まりもちゃんが踊る。安定したコンビですね。
クラシックをバックにしたピアノのシーンも良かったです。

■黒燕尾
色々と難を言っても最後、黒燕尾で帳消しになりますね。
見るべき人が多くて・・・。今回はいつも黒燕尾がきれいなマギーさん、越リュウさま、そしてこの公演で退団のダンサー桐生園加氏を中心に観ておりました。





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2 コメント

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Unknown (miwa)
2011-05-16 15:09:00
mariaちゃん~。

そうなの~{YES}、そうなの~~~{YES}{ラブラブ}
・・・と、うなずきながら、拝読!
良席とはいえ、mariaちゃんの観察眼&記憶力のするどいこと{パチパチ}
私、14日に2度目の観劇。
6列上手:通路そばで見たのですが、真咲くんの出番、意外とあったんだなぁ{汗}って、
1度目は先代の王様さえ見逃していた私・・{爆弾}

手に持ってるマスクの位置は維持するのがたいへんだそう。
すご~く軽いんですって。
・・・なんて、お茶会でのお話しデス・・・{ラブ}

あ、じつは私もかなり泣けちゃう作品です。
きりやんのマスクの下の表情が、また良いのよねぇ~。
野獣の髪は歌舞伎の毛ぶりみたいよね。

2幕のONEも2度目に見たほうがずっと楽しくて~~{ルンルン}

全部の組を見てるわけではないのですが、
今の組長は密かに{月}が一番では~。。と思ってます。^^
青年館の「スタジオ54」はご覧になってますか??
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Unknown (maria)
2011-05-17 05:41:26
miwaちゃん、おはようございます{ラブ}

あ、2度目、ご覧になったのね^^
そうそう、真咲くんは特に冒頭で良い味を出していらっしゃいましたよ~{キラピンク}
(なんだか可愛らしかった)

あの家臣たちのマスク、常に一定の場所でキープしていなくてはならないから、結構お芝居しずらいかも。
でも、最初、ほとんどの生徒さん達が動物役、と聞いて ええ~~~!!(園加ちゃん、サルって・・・退団公演で最後の役がサルってどうよ~?とかね)と思ったのデスが、(全員へんなマスクか帽子みたいなものを着けさせられるのかとヒヤヒヤしたのですわ・・・){汗}
あの演出はイイですね。皆、ちゃんとキレイに見えて(大事)。

きりやんはきりやんで表情や台詞回しで、野獣の苦悩と高潔な人柄が的確に表現されていて、この人ホントに上手いわ~{ハート}と^^

ONEは・・・草野先生のショーの特徴なのかしら?
全体としては統一感が今一つで作品としての完成度には??なのですが、時折フッと魅力的な場面があって、ついそこの満足感で全体が底上げされるような・・・(はい、星組の「ボレロ」を思い出しております^^;)

組長、ちょっとちょっと今回出番が多くて初めてしかと認識しましたが(遅い?)、イイですよね~{キラブルー}
実はかなめちゃんのファンの方のブログで、越リュウ氏を一瞬かなめちゃんと見間違えた、とおっしゃっていたことがあって、気にして見てみたら、やっぱりタイプでした({レフト}そこ?)

54は・・・miwaちゃんは楽しんでご覧になった公演なのよね^^
わたくしは、ポスター画像のあのきりやんの衝撃のズラに・・・退いてしまったのでした{爆弾}
そういえば越リュウ氏とみりおちゃんの絡みが{キラリ}(<打消線>ファンサービスで</打消線>)用意されていたと聞いておりましたが、どうですか?みりおちゃんファンとしては}{考えるひよこ}
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