第2幕
ここでは母は少女のようなダウンへアに白いリボンゆったりとした白いドレスで、ビムのガールフレンドのような姿に。
普通の「くるみ」の各国の踊りのディベルティスマンが、ここではビムが母を喜ばせようとして見せるショー、といった形態をとります。
そしてその場面場面は国のイメージを宿しながらも、少年の日の思い出を散りばめた2重構造になっていいて・・・。
まずは「スペイン」。彼が夢中になっていた、という闘牛がモチーフに。
”M”が手押し車を押して牛の役をし、3人のマタドールとフラメンコダンサーでで盛り上がります。
次の「中国」、戦争中のマルセイユは燃料が不足していて移動手段は中国のように皆が自転車に乗っていた・・・というところから始まります。カリッと細身の体型で少女っぽいような少年のような雰囲気とキビキビした踊りが持ち味の佐伯さん、紺の人民服アレンジのサブリナパンツスーツに真っ赤なバレエシューズがなんとも粋でCUTEです
息をつめて見守ってしまったのが「アラビア」
”M”が剣を持って箱に突き刺すとその箱から妖艶なワインカラーのユニタードに身を包んだ西村さんが。
エキゾチックで緩やかな音楽にしなやかな姿態の西村さんが3人の男性を従えて自在に難易度の高いリフトを組み合わせた踊りを繰り出します。
いや~その流麗なことといったら!
あくまでクールな無表情を装った西村さんと、口髭を蓄えたちょっと酷薄な感じの首藤さん(ちょっと残忍なセクシーさが往年の銀幕のスター、ルドルフ・バレンチノもかくや、と思わせる雰囲気)の並びは大人の色香が漂って圧巻でした!
続いて「ロシア」。
白いチュチュの女性にちょっとスパルタクスっぽい男性。田中さんの端正さは似合っていましたし、長瀬くんも健闘していましたが、どうしてもこの役は退団されてしまった大嶋さんのイメージが抜けなくて・・・
そして猫のフェリックスもタキシードの男たちを引き連れて愉快な踊りを披露。
最後は「フランス」
ここだけチャイコフスキーのスコアから離れて小粋なシャンソンが。
外国人からみたパリジャン、パリジェンヌイメージの戯画のような衣装。
横縞シャツにオーバーオール、ハンチングの男性に夜会巻のヘアスタイルにレースとフリンジのミニドレスが小粋でコケティッシュな女性による「パリの踊り」。
軽快な踊りが爽やかな持ち味と相まってムードのある平野さん。なんだかミュージカルスターの井上芳雄くんに似ている・・・と思い始めたらそうとしかみえなくなってきました(笑)
この役は井脇さんが絶品なのですが、高木さんも健闘。
ビムも母も一緒にワルツを踊ります。

(写真は井脇さんと平野さんです。)
バレエの世界に惹き込まれていくビム。”M”(このシーンではマリウス・プティパ)のヴァリ。
「花のワルツ」では母とタキシードの男たちの軽やかな踊り。ここに一人男装の麗人が。奈良さんの十八番。
とても似合います。前回はスタイリッシュでクールな感じでしたが今回は眼力の演技も加え、自信たっぷりに母を誘惑。くっきりした目鼻だちでシャープな持ち味のある奈良さんはまるで宝塚の男役。夢の中をたゆとうようなちょっと浮世ばなれした吉岡さんに軽くキスしたりするが、あくまでクール。
誘惑者の役どころを楽しんでいるかのような彼女の存在でぐっとタキシード隊の男っぷりが上がって見えるのが面白い。

そしてM...(マリウス・プティパ)の紹介で、踊られるグラン・パ・ド・ドゥは木村さんと小出さん。
黒鳥のような黒にラインストーンのクラシックチュチュの小出さんと同じくジークフリートの衣装を黒くしたような黒王子の木村さん。
ここだけクラシックの「くるみ割り人形」の最後のコンペイトウの精と王子のパ・ド・ドゥを基本的には踏襲。
それぞれのソロのところで先のタキシード隊(男性のみ)が舞台上の脇にいて女性が踊るとうっとりして讃え、ちやほやと取り巻き、男性の踊りでは無関心を装う・・・というちょっとクスリと笑わせる演出がついているものの、久し振りに見る木村さんの正統派王子はさすがにクリーンで軸のしっかりとしたノーブルな踊りが持ち味の彼ならではのもので、会場が沸きました(ちなみにデマチでも木村さん大人気!でした)
小出さんの丁寧で柔らかなテクニックとノーブルな木村さんの相性は予想以上に良く、この場面をこんなに堪能出来るとは嬉しい誤算。
ラストは冒頭のシーンに。
全てはクリスマス・ツリーの脇で眠り込むビムの夢・・・?
目覚めるとと目の前にプレゼントが。包みを開けるとあのシンボリックな母のビーナス像・・・
初めて観たときにはベジャールさんの伝記的要素が強く、あまり「くるみ割り人形」らしくないなぁと思ったのですが、今回改めて実に良く出来た大人の「くるみ」だと再認識。
キャラクター設定、その役の人物描写、見所、音楽の使い方などが良く練られていて、ソリストの魅力を最大限に引き出すことの出来る版として、これからも東バのレパートリーのひとつとして踊り続けて欲しい・・と切に思った公演でした。
ここでは母は少女のようなダウンへアに白いリボンゆったりとした白いドレスで、ビムのガールフレンドのような姿に。
普通の「くるみ」の各国の踊りのディベルティスマンが、ここではビムが母を喜ばせようとして見せるショー、といった形態をとります。
そしてその場面場面は国のイメージを宿しながらも、少年の日の思い出を散りばめた2重構造になっていいて・・・。
まずは「スペイン」。彼が夢中になっていた、という闘牛がモチーフに。
”M”が手押し車を押して牛の役をし、3人のマタドールとフラメンコダンサーでで盛り上がります。
次の「中国」、戦争中のマルセイユは燃料が不足していて移動手段は中国のように皆が自転車に乗っていた・・・というところから始まります。カリッと細身の体型で少女っぽいような少年のような雰囲気とキビキビした踊りが持ち味の佐伯さん、紺の人民服アレンジのサブリナパンツスーツに真っ赤なバレエシューズがなんとも粋でCUTEです

息をつめて見守ってしまったのが「アラビア」
”M”が剣を持って箱に突き刺すとその箱から妖艶なワインカラーのユニタードに身を包んだ西村さんが。
エキゾチックで緩やかな音楽にしなやかな姿態の西村さんが3人の男性を従えて自在に難易度の高いリフトを組み合わせた踊りを繰り出します。
いや~その流麗なことといったら!
あくまでクールな無表情を装った西村さんと、口髭を蓄えたちょっと酷薄な感じの首藤さん(ちょっと残忍なセクシーさが往年の銀幕のスター、ルドルフ・バレンチノもかくや、と思わせる雰囲気)の並びは大人の色香が漂って圧巻でした!
続いて「ロシア」。
白いチュチュの女性にちょっとスパルタクスっぽい男性。田中さんの端正さは似合っていましたし、長瀬くんも健闘していましたが、どうしてもこの役は退団されてしまった大嶋さんのイメージが抜けなくて・・・

そして猫のフェリックスもタキシードの男たちを引き連れて愉快な踊りを披露。
最後は「フランス」
ここだけチャイコフスキーのスコアから離れて小粋なシャンソンが。
外国人からみたパリジャン、パリジェンヌイメージの戯画のような衣装。
横縞シャツにオーバーオール、ハンチングの男性に夜会巻のヘアスタイルにレースとフリンジのミニドレスが小粋でコケティッシュな女性による「パリの踊り」。
軽快な踊りが爽やかな持ち味と相まってムードのある平野さん。なんだかミュージカルスターの井上芳雄くんに似ている・・・と思い始めたらそうとしかみえなくなってきました(笑)
この役は井脇さんが絶品なのですが、高木さんも健闘。
ビムも母も一緒にワルツを踊ります。

(写真は井脇さんと平野さんです。)
バレエの世界に惹き込まれていくビム。”M”(このシーンではマリウス・プティパ)のヴァリ。
「花のワルツ」では母とタキシードの男たちの軽やかな踊り。ここに一人男装の麗人が。奈良さんの十八番。
とても似合います。前回はスタイリッシュでクールな感じでしたが今回は眼力の演技も加え、自信たっぷりに母を誘惑。くっきりした目鼻だちでシャープな持ち味のある奈良さんはまるで宝塚の男役。夢の中をたゆとうようなちょっと浮世ばなれした吉岡さんに軽くキスしたりするが、あくまでクール。
誘惑者の役どころを楽しんでいるかのような彼女の存在でぐっとタキシード隊の男っぷりが上がって見えるのが面白い。

そしてM...(マリウス・プティパ)の紹介で、踊られるグラン・パ・ド・ドゥは木村さんと小出さん。
黒鳥のような黒にラインストーンのクラシックチュチュの小出さんと同じくジークフリートの衣装を黒くしたような黒王子の木村さん。
ここだけクラシックの「くるみ割り人形」の最後のコンペイトウの精と王子のパ・ド・ドゥを基本的には踏襲。
それぞれのソロのところで先のタキシード隊(男性のみ)が舞台上の脇にいて女性が踊るとうっとりして讃え、ちやほやと取り巻き、男性の踊りでは無関心を装う・・・というちょっとクスリと笑わせる演出がついているものの、久し振りに見る木村さんの正統派王子はさすがにクリーンで軸のしっかりとしたノーブルな踊りが持ち味の彼ならではのもので、会場が沸きました(ちなみにデマチでも木村さん大人気!でした)
小出さんの丁寧で柔らかなテクニックとノーブルな木村さんの相性は予想以上に良く、この場面をこんなに堪能出来るとは嬉しい誤算。
ラストは冒頭のシーンに。
全てはクリスマス・ツリーの脇で眠り込むビムの夢・・・?
目覚めるとと目の前にプレゼントが。包みを開けるとあのシンボリックな母のビーナス像・・・
初めて観たときにはベジャールさんの伝記的要素が強く、あまり「くるみ割り人形」らしくないなぁと思ったのですが、今回改めて実に良く出来た大人の「くるみ」だと再認識。
キャラクター設定、その役の人物描写、見所、音楽の使い方などが良く練られていて、ソリストの魅力を最大限に引き出すことの出来る版として、これからも東バのレパートリーのひとつとして踊り続けて欲しい・・と切に思った公演でした。
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