17日の日曜日は、新国立劇場でロイヤル・バレエ版の「シンデレラ」
を観て参りました。

エントランスがクリスマス
です。新国立劇場。
12月はマリインスキー月間で忙しいし・・・と、バレフェスで改めて注目したアリーナ・コジョカル主演の日が3日あるのか・・・とATRE会員報をチェックしつつもチケット手配に至らず。
だったのですが、ヤフオクを何気に覗いてみるとなんと3列目中央の良席が放出されているではありませんか!勿論、がんばって競り落としましたわ
コミカルなアグリーシスターズとけなげなシンデレラ、そして豪華な夢の世界、銀色に煌くかぼちゃの馬車でお城に向かう第一幕、
お城で舞踏会。アグリーシスターズとナポレオン、ウェリントン将軍の絡みで笑わせ、オペラピンクのタイツも鮮やかな道化とワインカラーの豪奢な衣装が美しい貴族たち。
そこに四季の精とたくさんの白い妖精たちを引き連れて華々しく登場のシンデレラ姫。
エレガントな白い衣装にタイツが黒髪に映える王子の前に姿を現します。

シャルル・ペローのお話どおり。
ほっそりと小柄で可憐な容姿。時折悲しげな八の字眉になる表情がいたいけなアリーナ・コジョカル、適役です。

一幕、お城の舞踏会に向けて準備に余念のない不恰好な姉2人。ロイヤル版ではこれは男性ダンサーの役とされているのです!あのノーブルな王子だったサー・アンソニー・ダウエルの迫力満点の恐ろしくも威厳に満ち、ツボを押さえた絶妙のコミカルな名演は忘れられません・・・。
新国立ではマシモ・アクリがその迫力の長姉、おっとりしてやや少女趣味の下の姉は篠原聖一。的確な演技で笑いを誘っていました。
その大騒ぎのシンデレラ家に現れる、物乞いの老女。父が幾ばくかのお金を用意しようとするも姉の反対で渡せません。そっとパンを老女に捧げるシンデレラ。ちょっと宗教的な感動を覚えるほど、膝をついて恭しく差し出す姿は心根の美しさをいやがうえにも映し出します。
一行を送り出しひとりぼっちのシンデレラ。
彼女のもとに仙女(というか妖精の女王)が姿を現します。マリインスキーの長身ダンサーを見慣れた目には始め手足の伸びやかさが物足りなく映りますが(とりわけアラベスクのポーズで四肢がどこまでも伸びていくような大きさがない)湯川麻美子が堂々としていて次第に(目が慣れると)好感の持てる演技。
お付の四季の妖精たちがそれぞれの季節を踊ります。
装置、衣装ともとても英国らしい自然に対する情感溢れる感性と繊細さに満ちていて大好きなシーン。
春は若草のライトグリーン、夏は麦わら色の豊かなコックリしたクリーム色、秋はオレンジからベージュにかけての豊かな枯葉色、冬はアイシーなブルーで袖にツララを思わせるスパンコールが施されています。ハイウエストのふうわりとしたジョーゼットのプリントドレスを纏った妖精が2人のお小姓を控えさせて踊る、プロコフィエフの音楽もとても美しい場面。
新国立のソリストがきれいに踊りますが目を惹いたのは寺島ひろみの冬の精
。
踊りと顔立ちの滑らかな美しさで目を惹くダンサー。ライモンダ、眠り、白鳥でも主役を務めたことがあるとか。納得です。
コジョカルは、とても早いテンポの曲でも、小柄な身体をそうとは見せない常に限界まで大きく身体を使った、それでいて細部まで良くコントロールされた細心の演技。なのに伸びやかで・・・身体で音楽を奏でているかのよう
驚くほど四肢の可動性が高く、華奢なのに発達したメリハリのある上体の筋、対照的に繊細な細い手首とすぐに泣き出しそうに見える愛らしい小さな顔。
踊りのために洗練されたダンサーそのものです。
一幕最後で銀色にきらめく馬車が現れ、それがカーブを切って舞台袖に消える瞬間、美しい白い衣装に身を包んだシンデレラが見えます!
今回の装置・衣装はロイヤルバレエのものを使用。新国立劇場の最新の技術を仕込んだ広い舞台にそれらの映えること。クリスマスの華やかなシーズンに相応しいプロダクションですね
。


エントランスがクリスマス

12月はマリインスキー月間で忙しいし・・・と、バレフェスで改めて注目したアリーナ・コジョカル主演の日が3日あるのか・・・とATRE会員報をチェックしつつもチケット手配に至らず。
だったのですが、ヤフオクを何気に覗いてみるとなんと3列目中央の良席が放出されているではありませんか!勿論、がんばって競り落としましたわ

コミカルなアグリーシスターズとけなげなシンデレラ、そして豪華な夢の世界、銀色に煌くかぼちゃの馬車でお城に向かう第一幕、
お城で舞踏会。アグリーシスターズとナポレオン、ウェリントン将軍の絡みで笑わせ、オペラピンクのタイツも鮮やかな道化とワインカラーの豪奢な衣装が美しい貴族たち。
そこに四季の精とたくさんの白い妖精たちを引き連れて華々しく登場のシンデレラ姫。
エレガントな白い衣装にタイツが黒髪に映える王子の前に姿を現します。

シャルル・ペローのお話どおり。
ほっそりと小柄で可憐な容姿。時折悲しげな八の字眉になる表情がいたいけなアリーナ・コジョカル、適役です。

一幕、お城の舞踏会に向けて準備に余念のない不恰好な姉2人。ロイヤル版ではこれは男性ダンサーの役とされているのです!あのノーブルな王子だったサー・アンソニー・ダウエルの迫力満点の恐ろしくも威厳に満ち、ツボを押さえた絶妙のコミカルな名演は忘れられません・・・。
新国立ではマシモ・アクリがその迫力の長姉、おっとりしてやや少女趣味の下の姉は篠原聖一。的確な演技で笑いを誘っていました。
その大騒ぎのシンデレラ家に現れる、物乞いの老女。父が幾ばくかのお金を用意しようとするも姉の反対で渡せません。そっとパンを老女に捧げるシンデレラ。ちょっと宗教的な感動を覚えるほど、膝をついて恭しく差し出す姿は心根の美しさをいやがうえにも映し出します。
一行を送り出しひとりぼっちのシンデレラ。
彼女のもとに仙女(というか妖精の女王)が姿を現します。マリインスキーの長身ダンサーを見慣れた目には始め手足の伸びやかさが物足りなく映りますが(とりわけアラベスクのポーズで四肢がどこまでも伸びていくような大きさがない)湯川麻美子が堂々としていて次第に(目が慣れると)好感の持てる演技。
お付の四季の妖精たちがそれぞれの季節を踊ります。
装置、衣装ともとても英国らしい自然に対する情感溢れる感性と繊細さに満ちていて大好きなシーン。
春は若草のライトグリーン、夏は麦わら色の豊かなコックリしたクリーム色、秋はオレンジからベージュにかけての豊かな枯葉色、冬はアイシーなブルーで袖にツララを思わせるスパンコールが施されています。ハイウエストのふうわりとしたジョーゼットのプリントドレスを纏った妖精が2人のお小姓を控えさせて踊る、プロコフィエフの音楽もとても美しい場面。
新国立のソリストがきれいに踊りますが目を惹いたのは寺島ひろみの冬の精

踊りと顔立ちの滑らかな美しさで目を惹くダンサー。ライモンダ、眠り、白鳥でも主役を務めたことがあるとか。納得です。
コジョカルは、とても早いテンポの曲でも、小柄な身体をそうとは見せない常に限界まで大きく身体を使った、それでいて細部まで良くコントロールされた細心の演技。なのに伸びやかで・・・身体で音楽を奏でているかのよう

驚くほど四肢の可動性が高く、華奢なのに発達したメリハリのある上体の筋、対照的に繊細な細い手首とすぐに泣き出しそうに見える愛らしい小さな顔。
踊りのために洗練されたダンサーそのものです。
一幕最後で銀色にきらめく馬車が現れ、それがカーブを切って舞台袖に消える瞬間、美しい白い衣装に身を包んだシンデレラが見えます!
今回の装置・衣装はロイヤルバレエのものを使用。新国立劇場の最新の技術を仕込んだ広い舞台にそれらの映えること。クリスマスの華やかなシーズンに相応しいプロダクションですね
