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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

アザラシの草履

2006-12-08 00:49:34 | きもの
今日、銀座のぜん屋さん本店で、新しいお草履を購入。
数日前に、ふらりと立ち寄り、一年前からどうしようかと迷っていた「アザラシ」の毛皮の鼻緒をすげたブルーグレイのお草履をショーウインドウで見て、やっぱり欲しいかも・・・とお店の方にご相談。

なんと、もともと数の少ない商品でラスト1点になってしまっている、とのこと。
季節も限られているお品ですし、やっぱりカワイイかも、と決定。台はブルーグレイのパール入りのエナメルも良いなぁと迷ったものの、同系色で合わせやすく、捻ったきれいな色味のパール入りのライトグレーベージュに。


写真では見えませんが、前ツボは渋めの赤です
履いてみましたけど、細めの鼻緒なのと色合いが柔らかいので意外とキワモノっぽくなく、上品にこなせそう



この子の一部なのね・・・。
ゴマちゃん、ありがとうございます



「ロパートキナのすべて」②

2006-12-02 23:35:59 | BALLET
続きです

第3幕は「ダイヤモンド」
あえて物語を排し、音楽と踊りだけに純化させたバレエを提唱したジョージ・バランシンの振付。
チャイコフスキーの交響曲第3番、第2楽章から第5楽章を使ったメランコリックなオーボエで始まる美しさに胸しめつけられる舞台。
このマリインスキー版のダイヤモンドの衣装は真っ白ではなく、肌に溶け込むようなヌーディなライトベージュに大きなラインストーンが胸元にV字に配されたもので、大人っぽくてちょっとセンシュアルで素敵なもの。

憂いと輝き・・・。

衣装と音楽から受けるイメ-ジを更に広げて展開される優雅にして内省的なロパートキナの踊りはどこまでも音楽的。
普通のバレエダンサーにとって、物語を演技することで踊りに深みを持たせることが得意な人は多くても、物語のないバレエで音楽を深く感じさせることの出来る人は希少。
ロパートキナは、彼女の資質として、物事を純化させ、抽象的な存在に一度解体してからそのスピリットを具現してみせる、という特色を持つダンサーなので、こういう演目は本当に合っている。

今回、わたくしにとって嬉しかったのはロンドン在住のバレエ友達とこの舞台を共有できたこと!
仕事をお休みしてこのガラのために一時帰国された彼女と幕間、終演後にバレエの話に花を咲かせることが出来たのも大きな収穫でございました・・・。

デ待ちも決行。終演後お疲れのところサイン会を開いてくださったウリヤーナの心の広さに感謝します
素晴らしい舞台でした、と述べるわたくしにしっかりと目を見てお礼を言ってくださるロパートキナの美しい笑顔にもう一度感激!
敬虔なロシア正教の信者でもあり、落ち着いた性格で努力家の彼女は芸術監督のワジーエフも若いダンサーのお手本に、と期待、というか一種神格化されているのではとまで思わせる存在。
お姫様・・・というタイプでもなく、”白いバレエ”が似合う(本人曰く、「ドンキホーテ」では街の踊り子を踊りたかったのに「森の女王」にされた・・・とか)キャラクターゆえ、現バレエ団を代表する存在とはいえ、レパートリーが限られてしまっているのが心配。
ファンとしては、ご本人も好きだというイリ・キリアンの作品など、もっとモダン系の作品を踊る機会を持てるようにして差し上げたい気持ち。ただ、長身の彼女の場合、パートナーが、マリインスキーだと、古典の得意なゼレンスキーのほかはつりあいがとれないので、パリ・オペラ座バレエ団など、個性のある男性ダンサーが充実したところのダンサーと企画モノのガラに出演するなど、違ったチャレンジをするチャンスがあれば良いのに・・・。と。
そのような意図を含めて、友人が、「パリにいらっしゃるご予定はありませんか」と伺ったところ、特に予定はありません、と。
うーん、残念!
ギエムに匹敵する才能を持ちながら、ギエムのようなある種アーティストならではのわがまま(自分のしたいことを押し通すための主張は怠らない)を持ち合わせない神秘的で物静かなロパートキナに代わって勝手にマネージャーとして活動をさせていただきたいですわ~


マリインスキーバレエ「ロパートキナのすべて」

2006-12-02 22:36:46 | BALLET
11月30日の金曜日、東京文化会館でマリインスキー(KIROV)バレエ公演、「ロパートキナのすべて」を観て参りました

華やかなボリショイ、典雅なキーロフ、と並び称されるロシアの2大バレエ団として、そして世界5大バレエ団の一つとしてその名をはせるマリインスキーバレエ団。
今年の来日公演では、お馴染み「白鳥の湖」」「海賊」の2つの全幕バレエに加え、看板スターを中心に据えた「ロパートキナ・ガラ」「ヴィシニョーワ・ガラ」そし総花的な「オールスターガラ」の3つの特別プログラムを持ってきました。

マリインスキーといえば、キャスト変更が直前まで相次ぐことで(悪)名高いバレエ団。
ロパートキナファンのわたくしにとって「白鳥の湖」を彼女の主演で、しかも良い席で観るためには、チケット取得のタイミングが悩ましいところ。
そんなわたくしにとって「ロパートキナ・ガラ」だなんて・・・正に猫にまたたび!
ジャパン・アーツの会員優先予約で発表後真っ先に申し込み、なんとこの度、1列目でお姿を仰ぎ見ることに・・・

演目は1幕目、「パキータ」のグランパ。
2幕目「ライモンダ」の第3幕。
3幕目ジュエルズの「ダイヤモンド」。
プティパの古典2つにバランシンのセミ・クラシック。

「パキータ」ではスペインを舞台にした、ジプシーとして育てられたフランス貴族の娘が、フランス人伯爵の息子と愛し合い、その血筋がわかってめでたく結婚、というお話でジプシー娘の闊達さと、貴族の血を引くノーブルさの両面を見せる役どころ。結婚式のグランパなので、ロパートキナは白いチュチュで、ダイヤモンドのよう。
その分、色とりどりのベルベットの胴着とグラデーションになったチュチュが可愛い衣装で彩りを添える5人のソリストが、個性豊かなテクニシャンであらまほしきところ・・・目を惹かれたのはヴィクトリア・テリョーシキナただ一人。
彼女は、この夏のロンドン公演でもブレイクしている注目の若手。キレの良いテクニックで旬の勢いを感じさせるダンサーでした。
他は・・・キーロフってこんなに人材が不足していたかしら?TOPの充実に対してその下のソリストクラスに個性ある若手が不足している印象・・・。5月のボリショイ公演で、コールドからソリストに抜擢されたような無名の新人がオッと思わせるような見事な踊りを次々に繰り出していたのと比べるとちょっと淋しいような・・・?
実は、わたくし、山手線を乗り違えて1幕に間に合わず・・・。1列目の自分の席をはるかに望む1Fの左手後方の席でオペラグラスなしで鑑賞していたので、ちょっと集中力に欠けていたかもxxx
(と、そのせいにしておきましょう)

2幕目の「ライモンダ」は間近にせまる舞台の上、王と王妃が登場するところから、優雅な立ち居振る舞い、繊細な色彩感覚で作りこまれた美しい衣装など、皇帝(ツァ-)の庇護の下、優雅さと洗練をその持ち味として発展・存続してきたマリインスキー・バレエ団の豊かさに魅了され始め、うっとりモードのわたくし。
舞台はプロヴァンス地方。ハンガリー遠征中の十字軍の騎士ジャン・ド・ブリエンヌの婚約者ライモンダはサラセンの王アブデラマンに横恋慕されるが、帰郷したジャンがアブデラフマンを退けめでたく結婚式の祝宴が・・というシーン。
はい、こちらも結婚式のシーンゆえ、純白のチュチュでダイヤモンドの如く輝くロパートキナです。
小さなヘッドドレスが白い毛皮に縁取られ、白い羽がダイヤモンドでセンターに留められたものでちょっぴりエキゾチック。
プティパの振付自体は、憂愁を感じさせるメロディーにあわせたハンガリアン・ダンスのスピリットを取りいれたアームスの使い方など、ちょっと東欧風のエキゾチックな感覚を取り入れたものなのですが、ロパートキナの解釈は、チュチュのあたりで両手を打ちつけて音を出す特徴的な振りなども、とても繊細に手がかすかにこすれあうような控えめなもの。その分、ひとつひとつの動きが音楽をたっぷりと味わいながら呼応しているようななんともいえない典雅さを感じさせてこれはこれで見事なライモンダ、でした。