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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

第13回 世界バレエフェスティバル Aプロ ②

2012-08-06 02:55:03 | BALLET
第13回世界バレエフェスティバル  <プログラムA> 
8月5日(日)15:00開演  会場:東京文化会館

観た上での感想を少しずつ・・・・


■第1部■ 15:00~15:45

★「スターズ・アンド・ストライプス」
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ジョン・フィリップ・スーザ
ヤーナ・サレンコ ダニール・シムキン

いやいや、可愛くて、そして頼りになるペアですね!
見た目は永遠の14歳、シムキンくん、前回のフェスで超絶技巧の天才少年として大ブレイクしましたが、今回はそれに加えて度胸のすわった役者っぷりも見せてくれました。
カーテンコールでもおもちゃの兵隊さんっぽく敬礼してくれたり、技を決めてのどや顔もチャーミング。
11月に予定されている彼の座長公演「ダニール・シムキンの全て」の良いプロモーションになったのでは^^?
サレンコは、前回の赤毛のイメージが強いのですが、今回はシムキンくんと似たト―ンの黄色っぽい金髪に。
並みいるインターナショナルスター、各バレエ団の名花たちと比べるとやや地味ではありますが、地に足のついた誠実な踊りとしっかりとしたテクニックが観ていて心地よいダンサーではあります。
2人とも空中姿勢が完璧でした

★「モペイ」  
振付:マルコ・ゲッケ/音楽:C.P.E. バッハ
フリーデマン・フォーゲル

急遽追加された理由は何でしょう?
わかりませんが、嬉しい御配慮
舞台袖からセンターに、前を向いたり後ろ姿だったり、平行移動で出入りするたびに、手足を痙攣させたり、顔をはたき続けたりのどことなくコミカルな動きを取り入れた振りが付き、暗めの照明がむき出しの上半身の美しい逆3角形を引き立てて。バッハの軽快な音楽とピタリとハマったムーブメントが心地よい。
ダンサーらしい引き締まった肉体と甘めの顔立ちのフォーゲルくんの持ち味であるオフビートな感覚が活かされていますね。


★「幻想~『白鳥の湖』のように」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
エレーヌ・ブシェ ティアゴ・ボァディン

ハンブルグバレエのお家芸、ドラマチックな演目。ノイマイヤー版「白鳥の湖」は狂王ル―ドヴィヒが主役。
ボァディンはリアルにル―ドヴィヒ。色濃く彼の苦悩を表現。
ブシェは派手さはありませんが、リアリティと大人の情感に溢れていました。

★「ドリーブ組曲」
振付:ジョゼ・マルティネス/音楽:レオ・ドリーブ
上野水香 マシュー・ゴールディング

この衣装は、アニエス・ルテステュデザインのパリオペ版ですね。
男性の衣装は大きな白い襟が特色的ですぐにわかりましたが、女性のビスチェの胸元の紫のヴェルベットとスカートのシフォンの重なりの加減が、ちょっと違うような気がしたり・・・。
着る人によってイメージが変わる、ということでしょうか。
ゴールディングは昨年2度東バに客演していて、上野さんとはもうお馴染み。
わたくしは初見でしたが、しなやかな粘りと安定感は素晴らしいと思いました。
オランダ国立バレエ・・・とはマイナーですが、カナダ出身、ABT~マドリッドのコレ―ラ・バレエという経歴なのですね。高品質なダンサーです。
上野さんは・・・初めて出演されたときのドキドキ感を思えば立派になられて・・という感じ。
最初のPDDの最後で、ちょっと後ろにぐらついて心配しましたが、その後は立て直されていました。

<休憩15分>ロビーでは、バレフェスGOODSコーナーが賑わっていました。
あまり可愛くないかも?ですが(コラ)

■第2部■ 16:00~16:45

★「扉は必ず...」
振付:イリ・キリアン/音楽:ダーク・ハウブリッヒ(クープランの「プレリュード」に基づく)
オレリー・デュポン マニュエル・ルグリ



前々回のバレフェスの話題作。
信号音の中に時折ハープシコードのような旋律が挿入される。
フラゴナールの絵画(『閂』)そっくりの冒頭から、スローモーションのような一連の動きが男女の関係性を表現?
一度、冒頭のポーズに戻ってからの後半は信号音にノイズが混じり、振りも、花束を無愛想に投げあったり、乱調風に。
オレリーは艶やかな美貌がサテンドレスに映えて、クラシックも似合うコンテダンサーとしてのクォリティを兼ね備えた充実のオペラ座エトワールっぷり。
ルグリは 顔にこそ年齢相応の大人の男性の歴史が刻まれているが、ダンサーとしての肉体と精緻なサポート力に衰えは全く感じられない。
最後椅子を持ち出して並んでかけて、青いリンゴを一口齧っては、顔を見ずに渡し合う。
キリアンならではのミステリアスで感覚的な一幕。
客席にフレッシュな青リンゴの清冽な香りが流れてきた・・・ような気がしました。
ルディエールのあとのルグリの相手役として抜擢されたばかりのころのオレリーから、今まで、2人がともにそれぞれどれほどバレエ界にとって大きな存在になってきたかを複雑な振りの中で一瞬の迷いもない息の合ったムーブメントに技術を完全に忘れさせるほどの表現力とともにしみじみと思い起こさせる完成度の高い一幕。
堪能しました。


★「海賊」
振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴ
ポリーナ・セミオノワ イーゴリ・ゼレンスキ

ロシア正統派王子として長年名を馳せてきたゼレンスキーは、なんと、今回がバレフェス初登場。
全盛期は90年代からの15年くらいでしょうか。
2006年からはノヴォシビルスク・バレエの芸術監督、昨年からモスクワ音楽劇場バレエの芸監を兼任されているとか・・・。
の割には、出てきた瞬間、凄い現役感!
「海賊」のアリなので上半身をさらしたお姿で、ターコイズブルーがまぶしいハーレムパンツ姿に規視観が・・・。
きれいな身体のラインをなんと保っていたばかりか、オーソドックスで大きな踊りもそのままで・・・。
しかし、彼がアリってありなんですかね?(洒落に非ず^^;)
最小限の演技しかしない、真っすぐな踊りを旨とする芸風のお方なので、散々大根(失礼)・・とか反面ノーブルとか言われ続けてきた彼のアリは、やっぱり生粋の奴隷には見えませんでした。
奴隷コスプレで今宵の仮装舞踏会に出てみました~的な王様のお戯れ?
可憐で小顔の長身ポーリーナちゃんのメドゥ―ラをエスコートする紳士でした。
ポーリーナちゃんは、胸元がVにウエストまで切れ込んだシンプルなデザインの水色のクラシックチュチュに小さなティアラの清楚な姫。
ポーリーナちゃんについては後で語るとして、ゼレンスキーの美しい踊りに今でも現役大丈夫じゃない?と思った矢先、ソロの始め、マネージュに入る前の2回転ジャンプ連続の初っ端で軸がかすかにズレ・・・マネージュもいつものダイナミズムが突出しないまとまった感じで。
さすがに真夏の4日連続公演の最終日ともなるとお疲れもあったのかもしれませんね。
若い姫をエスコートするゼレ様をバレフェスで観られた、という喜び、がフェスらしい祝祭感があって良かったです。


★「セレナータ」
振付:マウロ・ビゴンゼッティ/音楽:アメリゴ・シエルヴォ
ナターリヤ・オシポワ イワン・ワシーリエフ

超絶技巧を誇る、ロシア随一の体育系カップル・・・が選んだ演目は・・・。
ビゴンゼッティが彼らのために作ったという、宛書き作品。
もともとワイルドな風貌のワシ―リエフが、醒めたオレンジのヘンリーネックシャツに焦げ茶のタックパンツという労働者階級っぽさの漂うガッチリとしたお姿で舞台中央に仁王立ち。
そこに絡む、黒髪をラフにお団子にした黒いミニスリップドレスのオシポワと2人、ヒリヒリするような朴訥で情熱的な愛の姿を超人的なリフトを交えながら踊ります。
・・・ただの曲芸師に非ず、表現者としての自分たちも観てくださいね、アピールでしょうか。
なんだかスラブっぽい粗っぽさと素朴な情熱が前後の洗練されたロシアバレエの狭間にあって完全に浮いていましたが^^;、2人の個性が強烈に感じられました!


★「瀕死の白鳥」
振付:ミハイル・フォーキン/音楽:カミーユ・サン=サーンス
ウリヤーナ・ロパートキナ



きゃー
ロパートキナ様、降臨!!(←ファン)
多分、ボリショイはNBS、マリインスキーはJapanArts,レニングラード国立バレエは光藍社、という暗黙の住み分けがなされていたせいでしょうか、マリインスキーの女神、ロパートキナ様も、バレフェス初登場!
・・・で、何を踊られるのかと期待しましたが、思いっきり王道の「瀕死」を持ってきましたね。
白鳥といえばロパートキナにとどめを刺す、と思っているので、悪くない選択だとは思いますが。

・・・それにしても、美しい。
白鳥そのもの、それも、ルードヴィヒが、チャイコフスキーが、サンサーンスが、イメージとして神格化し、高みに登らせて象徴化した、芸術作品のなかにしか存在しえない”白鳥”なのですよね・・・。

品格漂う白鳥のヘッドドレスと白いチュチュ。
これぞバレエの美の権化。と、作品の表出だけでも美しいのにロパートキナ様のロパートキナ様である所以は、そのステージマナーにもあり・・・。
共演のチェロとハープのソリストの女性お二人に、王様に対するような最上級のレヴェランスを。
カーテンコールでも左右にお二人に並んでいただいて、それぞれに、美しく称えるポーズを・・・。
今回、カーテンコ―ルが3回だったのは、彼女だけですね。
別格感とオーラが凄かったです。

11月のマリインスキー公演のよいプロモーションになりましたねって、JapanArtsさんですが^^;
NBSの度量の広さに感謝します!

<休憩15分>

■第3部■ 17:00~17:55

★「ロミオとジュリエット」より第1幕のパ・ド・ドゥ 
振付:ジョン・クランコ/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
マリア・アイシュヴァルト マライン・ラドメーカー

クランコ版のバルコニーのPDD.
金髪で少年のようなお顔立ちのラドメーカーはリアル・ロミオ。
白いふんわりとしたお袖だけの様なシャツと白タイツで、マントをなびかせ登場。
ジュリエットを観て走り寄る様も、青年の一心な恋心、という感じで素直なロミオです。
対するベテラン、アイシュバルトのジュリエットは・・・一回り小さくて華奢で小顔。大きな瞳を見開いてはいますが、ほぼ無表情で、所謂恋に恋する乙女ジュリエット・・・とはちょっと違ったアプローチ。
エキゾチックな美貌とほんのりさした赤口紅。シュツットガルドのジュリエット衣装は、ハイウエストの胸元に赤いリボンが垂らされ、素材も裾と胸元に金糸のビーズ刺繍が施されたオフホワイト~ベージュ系なので、ちょっと異国の姫風味。大事に扱わないと壊れてしまう金細工のよう。
この2人のロミジュリは、可愛い真っ白な大型犬と、高貴な瞳のシャム猫の恋のようでした^^;
アイシュバルトの凄さは、ともに踊り出してから・・・素晴らしいまっすぐな脚が難易度の高いリフトの連続の中で屹立し、クールな姫の自分でも気づいていない情熱が突然ほとばしる感じで・・・圧巻。
別れを切り出すのはジュリエット。
もう、もどらなくては・・・。
もう、これではロミオは命をかけて、この恋に突き進むしかありませんね^^
ちょっと珍しい味わいの、でも説得力のあるバルコニー・シーン、でした。


★「ジュエルズ」より"ダイヤモンド"  
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
アニエス・ルテステュ ジョゼ・マルティネス



あぁ、オペラ座の華!
長年当たり前のように、バレフェスではもちろん、観続けてきたこの2人。
長身で美しいカップルで、クラシック作品からちょっとチャーミングなコンテンポラリーまで、ほっそりとした柳のような黒髪のジョゼ、女優かTOPモデルのようなクラッシ―な陰りのある美貌がゴージャスな金髪のアニエス。
大好きな2人でしたが、ジョゼがオペラ座エトワールを勇退したのは一年前。
今はもう母国スペインでスペイン・国立・ダンスカンパニーの芸術監督。
Aプロだけのカップル復活なので、今日が本当のFINALなんですよね・・・。
音感の素晴らしいアニエスにバランシン作品はピッタリ。
上半身にラインストーンを散りばめたオフ白地、チュチュとタイツは白、というゴージャスなクラシック衣装で、青空に白い雲が小さくたなびく背景を背に、チャイコフスキーの交響曲第3番のちょっと憂愁を湛えた音楽が流れる中、2人が踊るバランシン・・・。
ジョゼは全く現役の頃と変わらず、優しい眼差しでアニエスを支え、クール・ビューティ、アニエスが時折見かわす眼の表情をオペラで追っているうちに、うっかり涙で視界がぼやけそうになりました;;
ずっと観てきた2人の、素晴らしい共演。多分最後。
しっかりと見届けなくては、と気持ちを立て直して。

東フィルの演奏が(特に管!)素晴らしく、音楽にも酔いました。


★「ディスタント・クライズ」
振付:エドワード・リャン/音楽:トマゾ・アルビノーニ
スヴェトラーナ・ザハロワ アンドレイ・メルクーリエフ

先の演目で感情が高ぶって疲れたのか、ここはあまり集中できませんでした。
彼らのせいではありません。
ザハロワは美しくなだらかな身体のラインを活かす、シンプルなライトグレーの短いレオタードドレスで、完全なサポート振りが頼もしいメルクリエフの流麗な踊りも相まって、心地よいコンテンポラリー作品でした。

★「パガニーニ」
振付:マルセロ・ゴメス/音楽:ニコロ・パガニーニ
マルセロ・ゴメス

ヴァイオリニストとダンサーの掛け合いのような小品。
ノリノリで掛け合うヴァイオリンのフレーズに呼応して、ジャズのインプロビゼーションのように踊りで音楽に応えるゴメス。
登場時から、そのスポーツ選手のような長身でたくましい肉体美と黒髪で精悍な顔立ちにざわめく客席。
今回のAプロ最終日、日曜日だったせいか、バレエ初心者の方も多かったような・・・。
ダンサーに対するリスペクトが多少なりともあれば、言えないような表現で感想を述べ合う声も幕間にちらほら・・・^^;
そういった方々も含め、客席の受けは非常に良かった演目でした。
カーテンコールまでずっと、ヴァイオリニストの方と、肩を組んでいたゴメスが微笑ましかったです^^


★「ラ・シルフィード」第2幕より
振付:ヨハン・コボー オーギュスト・ブルノンヴィルに基づく/音楽:ヘルマン・S.レーヴェンスヨルド
タマラ・ロホ スティーヴン・マックレー

タマラでシルフィード?と思いましたが、これはスティーヴンの技量をいかんなく見せるための彼女の配慮、でしょうか?
勿論、軽々とブルノンヴィル版の脚技を決めてみせるマックレーの素晴らしさを堪能出来ましたし、
スコットランドの森の中の場面を多層になった背景でGALA公演なのに作り込んできた主宰者側のこの作品に対する手厚いリスペクトにもさすがと思ったのですが、なんといっても、誘惑のシルフィードとそれをイギリス人らしく飄々といなしながらも、でも彼女に惹かれて行く・・・という2人の呼吸に感心しきり!でした。
タマラのシルフィードはただのいたずら好きの無邪気な妖精ではなく、切なげに眉をひそめて見つめてみたり、さりげなくボディタッチしたり。そしてスルリと手から抜ける・・・ちょっとどこの小悪魔?!と突っ込みたくなるような(笑)人間味溢れたCUTEなシルフィードでした。もちろんバランスや回転の素晴らしさは持ち味ではありますが、それ以上に彼女の演技者としての優れた資質を再確認。
ロイヤルバレエ団代表らしい演目・・・というサービス精神もいいですね!


<休憩15分>このあたりで、もう、お腹一杯胸いっぱい・・・となるのですが、最後に超弩級のベテランスターを固めているのが、バレフェスクォリティですね!観る方も頑張らなくては!!です。


■第4部■ 18:10~19:10

★「ブレルとバルバラ」 
振付:モーリス・ベジャール/音楽:ジャック・ブレル、バルバラ
エリザベット・ロス ジル・ロマン

最高のベジャール・ダンサーによる「ブレルとバルバラ」
2001年初演を務めた2人です。この作品を他の人が踊ったのは見たことがないので、2人のための作品、なのでしょうか。
いつも最初の抜粋だけで、この作品をフルで観たのは初めてかも?
赤毛サイドパーツショートボブに黒いロングのスリップドレスのエリザベット・ロスは、
いつものショー・ダンサー的な圧倒的な華やかさ、が影をひそめ、素の彼女から感じられる柔らかな優しさが滲みでるような踊りでした。
後半では白い表に黒い裏の打ちかけのようなものを羽織ってスリ足で動くのですね。
ベジャールさんの日本趣味と、日本公演(特に今回のバレフェスは震災復興チャリティも含めていますから)への思いが伝わる演目選びかと。
ジル・ロマンは・・・あるときを境に年を取ることをやめたのかと。
ある意味柔らかな円熟と悲しみをまとったロスとは異なり、ジルの彼特有のムーブメントは本当に変わらず・・・。
ジル・ロマンもバレフェス常連で、コピエテルスとの共演など、数々の名演が瞼に浮かびますが、今回はAプロだけの出演というのが寂しいです。


★「明るい小川」よりパ・ド・ドゥ  
振付:アレクセイ・ラトマンスキー/音楽:ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボ

「明るい小川」といえば、ボリショイ、それもマリア・アレクサンドロ―ワとセルゲイ・フィーリンの名演でFIXされているので、他の人が踊る、というのが想像できない・・・と思っていたら、CUTEな黒白のワンピースにお揃いのヘッドドレスのコジョカルと、白シャツ黒パンツの飾り気ない姿ながら、堅実なテクニックを隙なくみせるコボーの2人の美質をしっかりとアピールできるナイス・チョイス、2人に似合った演目でした。
一応ロシアのコルホーズ(ソ連時代の集団農場)が舞台なのですが、コボーは農民っぽさ皆無でしたね(笑)
軽快で、最後2人シンクロして爆転も挿入されてのスピーディなラストで、ふと、コジョカルのローザンヌの演目「三銃士」(クロード・ド・ヴォルピアンさんが、こんな安手のキャバレーの出し物のようなものを踊らされて、この子が気の毒です!と激高していらした・・・)が思い出されました^^;
ショスタコーヴィチが好きなのか?、東フィルの演奏がこれまた良かったです。

★「カンタータ」 (世界初演)
振付:ナチョ・ドゥアト/音楽:ヨハン・セパスティアン・バッハ
ディアナ・ヴィシニョーワ ウラジーミル・マラーホフ

ヴィシニョ―ワさまが美しい・・・。
センターパーツの黒髪をスリークなシニヨンにまとめ、上半身がトランスペアレントと市松になった首の詰まったレオタードと揃いの透け感のある黒タイツ。
対するマラーホフは黒いノ―スリTとショートパンツでこれまたシンプル・・・なのですが。
芸術監督としてのキャリアはウィーン、ベルリンと長くはありますが、つい先日も自らも踊りつつで、カンパニー選抜隊を率いて公演していたような・・・気がするのですが。
来年、ファイナルと銘打って、「マラーホフの贈り物」公演も予定されていますが?!
一瞬我が目を疑うお姿にビックリ。
なんだか胴周りがしっかりされているような。
ただ、今までは、ほっそりとしたマラーホフが生命感溢れるヴィシにエネルギーを吸い取られているような印象がぬぐえなかったのに、今回は、いつものようにサポートに徹しつつも、安定感があったのは、意識しての作戦だったとか?
あ、せっかくの世界初演なのに、作品そのものに対する感想がなくてスミマセン^^;


★「オネーギン」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ポリーナ・セミオノワ フリーデマン・フォーゲル

レンスキー役者のフォーゲルくんによるオネーギン。
え、まだ早いのでは?と思いましたが、彼も若いとはいえダンサーとしては円熟してきた頃。
こういう手応えのある大作に挑みたいお年頃なのかも、ですね。
クランコ作品をレパートリーとするシュツットガルトにいれば、それは挑戦したくもなりますよね~。
しかし、オネーギンと言えばあのルグリ先生ですら、オペラ座エトワール引退が見えてきた頃にようやく、踊ってみたいと手がけた作品なのに・・・。
まぁ、今回踊るのはタチアナもオネーギンもまだ若いときの「手紙のPDD」ですから、まだ大丈夫かも。
ポリーナちゃんがお部屋の机で手紙をしたため、時折ウットリしています。
小さなお顔、スラリとした筋肉質の四肢でうっかり忘れそうになるのですが、こういう衣装だと そういえば、案外バレリーナには珍しいナイス・バディだった☆と思い出しますね。
胸下で一度絞ったゆったりとした白いお部屋着。ちょっと身体だけボリューミーに見えるし気になるので変えてあげてほしいかも?
それに青白い文学少女というには、白い歯で爽やかに微笑むテニスコートの恋がリアルに似合いそうな美少女なので、勘違いさん、と振られるような気がしないですし、色々な意味でタチアナっぽくないなぁ・・・と
思っていたら、鏡の向こうからオネーギン登場!
勿論彼女の夢の中・・・なのですが、このフォーゲル君、いつもなら爽やかな笑顔が長めのモミあげの撫でつけた髪の効果か、黒シャツ黒ベスト黒タイツのコスチュームが怪しいのか、なんだかホントにアブナイ感じのちょっとナルシーなオネーギンでした。
この役のインテリ風のイヤミな感じもそこはかとなく感じられて、意外とピッタリかも??
難易度の高いリフト連続の振りも、身長バランス、踊りの感覚が合うと常々言っている2人だけあって息がピッタリ。
・・・しかし、このPDDのあと、また鏡の向こうに消えたオネーギンに当てて手紙を書き上げ、胸に当てて明日が待ちきれない風情のポーリーナちゃんを観ていると、この恋があっさり成就してしまいそうな気が・・・してなりません^^;

鏡に映ったタチアナを上野水香ちゃんが演じていたのがさりげなく贅沢でした^^


★「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクス
オレシア・ノヴィコワ レオニード・サラファーノフ

オオトリを務めるのは、マリインスキーの王子から、脱皮を図って?ドゥアト作品をレパートリーとするミハイロフスキーバレエに移籍したのは一年半前。
マリインスキー公演に帯同しない、ということは日本で観られる機会が激減?と本人に聞いたら、すぐに東バへの客演が決まっているから、HPを観て!と意外なPR上手さん。
さて、今宵は・・・。
彼はちょっと顔全体でのおでこの比率が高いので、笑顔がチャーミングな割にハンサム、という感じがないのですが(失礼)、踊るとロシア・バレエの王子らしさがにじみ出て、持ち前の爽やかさと相まって大変観ていて気持ちの良いダンサー。
その上品な持ち味が災いして(?)バレフェスのトリを飾る歴代のバジルで観客の度肝を抜くような大技を繰り出してきた先達と比べるとやや大人しめ?
最後の方で、トゥールザンレ―ルとダブルのピルエットを切れ目なく(4連続?凄かった!)繰り出してきたときには流石におぉ~となりましたが。
マリインスキーのノヴィコワは、黒髪でバランスの良い肢体の可愛らしいダンサー。
赤いふんわりとした衣装が良くお似合い。
初々しいけれども余計な緊張感はなく、ムリなくきれいに演じたキトリでした。

・・・が、しか~し。
キトリのピルエットのさなか、未だかつてバレエ会場で聴いたことのない現象が!
ピルエットに合わせて(のつもり?)の手拍子。
かつて関西でそのようなマナー違反をする輩がいて嘆かわしい、と、却ってダンサーやオケのリズムを崩す原因となるから厳に慎むようにキャンペーンがはられてから、当然、だれも行ったことのない所業をここ、バレエの聖地東京文化会館で行うのは、誰??
わたくしもバレフェスきっかけでバレエ熱が・・・でしたし、バレフェスでバレエに開眼してほしいとバレエ初心者をお誘いするのは悪いことではありませんが・・・。今回、けっこう幕間だけじゃなくて曲と曲の合間でもおしゃべりする人が多かった気がします。
余談ですけど^^;

・・・そしてFINALE

これだけのスター、序列などつけようがない・・・、で、女性ダンサーの姓のABC順に登場、ということで、案外と大物が最初のほうで、さっさと出てきてしまい、なぜか最後にザハロワさまに連れだってメルクリエフが〆ると言う不思議な現象が^^;
1人だけ2人のパートナーと踊ったポーリーナちゃんだけ、ゼレ様とフォーゲルくんを従えての両手に花^^
本当に誰を見たらいいのやら・・・の豪華な舞台上、でした。

このバレフェスを「世界芸監フェスティバル」と称した友人がいましたが、上手い!!^^
往年の大スター、今は芸術監督として活躍中・・・の大物がこれだけ揃った舞台という贅沢感は今回まで・・・かもしれませんね。
次回3年後に、どれだけのメンバーの顔ぶれが変わるのか・・・。
世代交代が進むのか・・・。
今回の現役組は強力芸監チームに見劣りしない実力者揃いなので、良かったですけど。
それにしても、ギエムの不在を寂しく思いながらも、ロシアチームが充実した分、世界バレエフェスティバルの名にふさわしい内容の濃いプログラムに、バレエファンとしての幸せを感じたAプロでした

超・私見の長文、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました




第13回世界バレエフェスティバル Aプロ ①

2012-08-06 01:17:42 | BALLET
LONDONでは、連日メダルを獲得すべくスポーツ界の華が記録を競っていますが、
今、東京では3年に一度のバレエ界のオリンピックと言われる、NBS主催の「世界バレエフェスティバル」にワールドクラスのダンサーが集結。
もちろん優劣を比較するべくもない芸術ではありますが、バレエ団ごと、ダンサー毎の個性を同時に観比べると言う贅沢な機会を楽しむことのできる東京のバレエファンは幸せですね。

わたくしも、思い起こせば忘れもしない1997年のBプロを1列目下手端の席で観たときから、バレエ熱に火がついたのですけど。
今でも、シルヴィ・ギエムとローラン・イレールの「バクチ」の衝撃はありありと思いだせるくらいです。

それから、毎回、A,Bプロ各2回は観ているかも・・・・。
加えて、全幕特別プロも、その時その時の旬のダンサーと彼らに合った演目で提供されるものを好みに応じて選んで・・・こちらも数々の名演を生みました。

今年の全幕プロは、
「ドン・キホーテ」と「バヤデ―ル」。
前者はナタリヤ・オ―シポワとイワン・ワシ―リエフ、 ロシアの超絶技巧体育会系コンビと
タマラ・ロホとセルゲイ・ポルーニンからの変更でスティーブン・マックレーのロイヤルペア。
後者はディアナ・ヴィシニョ―ワとマルセロ・ゴメスのゴージャスABTペアと
アリ―ナ・コジョカルとヨハン・コポ―のロイヤルカップル。

ポルーニンのときには別に・・でしたが、代役がマックレーと聞いて俄然見たくなったのですが、都合がつかなかったタマラのドンキ。彼女も安定した軸から生みだされる回転とバランスの妙が素晴らしいダンサーですが、それだけでなく黒髪黒い瞳の美しさと演技力がキトリにぴったりだなあと。
小柄な美女なのでキャリアの長さに延長を期待してしまいますが、本人は着々と芸術監督への準備を進めているとか・・・で、そろそろ現役の彼女を観られる機会がカウントダウンになっていることを思うと、この機会を逸したことが悔やまれます。

オ―シポワ、ワシ―リエフは・・・ボリショイ随一の体育会系ペアとして名を馳せた後、昨年末にまさかのミハイロフスキーバレエへの移籍。
国際的な活動をペアとして行うには、ボリショイは年間スケジュールがきつすぎる、という判断だったかと思われますが、定期的な引っ越し公演で確実に観られるボリショイからの移籍は、観られる機会が不確定になったという時点で、このチャンスを逃す手はないと。
でも、観られなかったのですけれどもね^^;

バヤデ―ルは、黄金の仏像をどちらの日にもダニール・シムキンくんが踊る、というのも特典かと。
取りあえず、いつまでも魅惑の美女!のヴィシニョ―ワ様が、マラーホフ以外の相手役、しかもスタイルと個性がスター軍団ABTの中でも抜きんでた存在であるゴメスと!という豪華なカップリングを楽しんで参りたいと思います。



Aプロ最終日にして、ようやく参戦。
今回は、オシポワ・ワシ―リエフ組の「ドン・キホーテ」、Aプロ初日と都合がつかなくなり、泣く泣く手放す羽目になるという波乱(?)もあり、出だしが遅れましたが、
・・・やっぱりバレフェスは格別ですね!!
プログラム自体の充実度も素晴らしいですし、客席のあちらこちらも豪華ですし、本当にバレエファンのための祭典だなぁと再確認しました。



第13回世界バレエフェスティバル  <プログラムA> 

8月5日(日)15:00開演  会場:東京文化会館


■第1部■ 15:00~15:45

「スターズ・アンド・ストライプス」
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ジョン・フィリップ・スーザ
ヤーナ・サレンコ ダニール・シムキン

「モペイ」  
振付:マルコ・ゲッケ/音楽:C.P.E. バッハ
フリーデマン・フォーゲル

「幻想~『白鳥の湖』のように」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
エレーヌ・ブシェ ティアゴ・ボァディン

「ドリーブ組曲」
振付:ジョゼ・マルティネス/音楽:レオ・ドリーブ
上野水香 マシュー・ゴールディング


<休憩15分>


■第2部■ 16:00~16:45

「扉は必ず...」
振付:イリ・キリアン/音楽:ダーク・ハウブリッヒ(クープランの「プレリュード」に基づく)
オレリー・デュポン マニュエル・ルグリ

「海賊」
振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴ
ポリーナ・セミオノワ イーゴリ・ゼレンスキ

「セレナータ」
振付:マウロ・ビゴンゼッティ/音楽:アメリゴ・シエルヴォ
ナターリヤ・オシポワ イワン・ワシーリエフ

「瀕死の白鳥」
振付:ミハイル・フォーキン/音楽:カミーユ・サン=サーンス
ウリヤーナ・ロパートキナ


<休憩15分>


■第3部■ 17:00~17:55

「ロミオとジュリエット」より第1幕のパ・ド・ドゥ 
振付:ジョン・クランコ/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
マリア・アイシュヴァルト マライン・ラドメーカー

「ジュエルズ」より"ダイヤモンド"  
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
アニエス・ルテステュ ジョゼ・マルティネス

「ディスタント・クライズ」
振付:エドワード・リャン/音楽:トマゾ・アルビノーニ
スヴェトラーナ・ザハロワ アンドレイ・メルクーリエフ

「パガニーニ」
振付:マルセロ・ゴメス/音楽:ニコロ・パガニーニ
マルセロ・ゴメス

「ラ・シルフィード」第2幕より
振付:ヨハン・コボー オーギュスト・ブルノンヴィルに基づく/音楽:ヘルマン・S.レーヴェンスヨルド
タマラ・ロホ スティーヴン・マックレー


<休憩15分>


■第4部■ 18:10~19:10

「ブレルとバルバラ」 
振付:モーリス・ベジャール/音楽:ジャック・ブレル、バルバラ
エリザベット・ロス ジル・ロマン

「明るい小川」よりパ・ド・ドゥ  
振付:アレクセイ・ラトマンスキー/音楽:ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー

「カンタータ」 (世界初演)
振付:ナチョ・ドゥアト/音楽:ヨハン・セパスティアン・バッハ
ディアナ・ヴィシニョーワ ウラジーミル・マラーホフ

「オネーギン」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ポリーナ・セミオノワ フリーデマン・フォーゲル

「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクス
オレシア・ノヴィコワ レオニード・サラファーノフ


指揮:ポール・コネリー 
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 
 
チェロ:遠藤真理、ハープ:田中資子(「瀕死の白鳥」)
ヴァイオリン:チャールズ・ヤン(「パガニーニ」)



※7/21付の最新情報で、第13回世界バレエフェスティバルの全プログラムを発表いたしましたが、アーティストの意向により、ディアナ・ヴィシニョーワとウラジーミル・マラーホフのAプロでの上演演目が「カンタータ」(世界初演)に変更となりました。何卒ご了承ください。
また、フリーデマン・フォーゲルの「モペイ」が追加上演されることになりました


NBS総裁、佐々木氏が、前々回のバレフェスから、東フィルを「奮発しました」とおっしゃっていましたが、
やはり、東フィルは安定感が違いますね。
フェスにふさわしいクォリティの演奏は嬉しい限りです。

今回、わたくしの席の2列前に東バの吉岡美佳さんがいらっしゃいました。
襟もとにビーズ刺繍が施された黒のコク―ンシルエットのワンピをお召しでお綺麗でした。

何気なくふりかえると、1階S席サブセン下手後ろ、前半分の席の一番後ろの端に、マチュー・ガニオが。
彼はBプロからの参加なのですよね。
お髭があって新鮮でしたが、相変わらずの甘い美貌の笑顔で
帰り、楽屋口に、文化会館4階で、マチューのトークショー&サイン会の案内が出ていましたので、
チャコットかダンスマガジンかどこかの主催なのでしょうか?

Aプロのみ参加の、ジョゼ・マルティネス、エリザベット・ロス、ジル・ロマンは今日が観納め。
Bプロからは、件のマチューに加えて、ステファン・ビュリョンのオペラ座男子、マリインスキーのエフゲ―ニャ・オブラスツォ―ワ、BBLの若手、カテリーナ・シャルキナ、オスカー・シャコンが加わります





宝塚星組 「セレブリティ」 東京宝塚劇場

2012-08-05 11:26:20 | TAKARAZUKA
バレフェス前に・・と千秋楽に日に焦ってUP

宝塚星組公演
ショー・グルーブ「Celebrity―セレブリティ―」 作・演出 稲葉大地



Jazz,クラシック、シャンソン・・・でゆったりと楽しませてくれた、宙組公演の後で観たので、
初見はなんだかガチャガチャしたショーだなぁと^^;

それが、2度3度となる頃には、名作認定
勝手なものですが^^;
このショーも楽しくて大好きです。

Are you ready?

始まる5分前から幕に映し出されたレオンくんの映像。
1分毎にカウントダウンで映像が変わるので、早めに席についていないと(笑)
この映像をホログラムカードにして売れば良いのに・・・と某センセイがおっしゃっていましたが、全くですわ。

空港にパパラッチ集結。
このでの金髪マイケル(大輝真琴)が目立ちますね^^。
ヘリコプターの音が近づき・・・スター登場!で始まる、ロックテイストの曲に赤い革のジャンプスーツ!!

宙組で祐飛さんでセレブリティだと黒いタキシードに白い絹のマフラーをなびかせて・・・だと思うのですが、赤い革のジャンプスーツ!が稲葉先生の柚希イメージだと。
で、そこに絡むTOP娘役、夢咲ねね嬢も、赤い毛皮が襟もとにあしらわれて更にCUTEな、でも同じパンツスーツ!!2人してもう~どれだけスタイルいいの!!という衝撃を与えつつ(笑)、
夏公演にこの衣装は地獄でしょうxxというのをみじんも感じさせず、パワフルに開幕。


プロローグは皆、娘役さんもこの衣装で。
レミちゃんがカッコいい。

ダンスシーンで目立っていたのは、柚希さんの隣が定位置の鶴美舞夕さん。
この方のダンスリーダーっぷりは・・・凄いクォリティですね。
バレエがベースの柚希さんのダンスに伸びやかさを感じるのとまた違って、鍛え上げられた瞬発力の連続。。のような感じでショー・ダンサーとしての見せ方が上手い。
「REON!」で女役をされたときにスタイルも凄く良くて美人だとわかったので、今回のエイトシャルマン(青いサファイヤを囲む8人のダルマ姿の男役さんたち)の場面では、つい観てしまう美貌の真風くんだけでなく、しっかりとどいちゃん(鶴美)を捜しましたよ^^

2番手紅くんと3番手真風くんがともに取り立てて、ダンサーではないので、ダンスシーンだとどいちゃんや、顔で踊るしーらん(壱城あずさ)、新加入で、スタイルの良さと美貌で目立つまさこさん(十輝いりす)あたりに目が行きました。

紅さんは、エメラルドの場面、とりわけ出の瞬間が妖しくて美しかったですね。
優香りこちゃん、わかばちゃん、そして今回退団してしまう小柄でダンサーな稀鳥まりやちゃんが侍ります。
稀鳥まりやちゃんと組んでのリフトでの回転、なんとまりやちゃんが自力で(と思われます)空中姿勢を変えてきたのには驚きました。思わず拍手が出た場面ですね。
もちろん、紅さんもあんなに細くて しかももともとダンスの専門教育を受けた方ではないのに しっかりと支えて回っていらしたのは素晴らしいデス^^;
ロケットを率いるロケットボーイの場面、大劇場では大阪弁で闊達にアドリブをされていたようですが、東京では、「~しちゃうよ~」と韓流スターのようなたどたどしい東京弁?で合わせていらして可愛らしかったです。

稲葉先生は、「ルナロッサ」といい、まっつの「インフィニティ」といい、インド風のエキゾチシズムがお好きなんですね。必ず入れてきますものね、ターバン(笑)
でも、タカラヅカ男役の条件である面長細面、にターバンは絶妙に似合うので反論は致しません

コミカルな場面が2つ。

1) TOPモデル(夢咲ねね)とデザイナー(涼紫央)の中南米リゾート休暇
パパラッチされる2人の歌、「サングラスに帽子でますます目立つ」といった歌詞が、入り出のジェンヌそのもので自虐的?軽快で明るく、現地のカップル(真風、白華)と浮気して喧嘩するのを止め男(十輝)が割って入って・・という展開も楽しいけれど、こういうコミックシーン特有の作り声が苦手^^;

2) アニメの戦隊もの
映画の待ち合わせに遅れて彼女(早乙女わかば)に振られたダメ男(柚希 )が占い師(万里柚美)にもらったメダルでヒーローに変身。ワルもの(紅ゆずる)チームを倒す。
月組の霧矢さん退団公演でも、アニメっぽい演出がありましたが、流行っているの??
舞台の使い方としては面白く、箸休めとしてはアリ。

謎な場面がひとつ

1) 涼さんが臙脂の軍服を着て銀橋を歌いながら渡ります。
・・・なぜ?答:本人が着たかったから。退団公演だから。
事情を知らない人は??となると思いますけどxxx
本舞台で、音波みのりちゃんを相手に今回退団の碧海りまちゃんが青年と少女の恋・・・ペンダントをプレゼントする場面をパントマイムで踊っていましたが、これは情感がこもっていて可愛らしくて素敵でした^^


良かったのは・・

1)黒燕尾

ちょっと変則的に、ラストの大階段ではなく平場舞台で、中詰めに黒燕尾が。
カッコいいですね。大階段の方が好きですが、まさこさん(十輝いりす)の黒燕尾が大好物なので。←なんでも良いらしい^^;

2)真風と若者

若手チームでの一場面。
ジーンズにプリントシャツにブルゾン。。のような若者カジュアルスタイルで、若手が踊ります。
真風君が芯で、ちゃんとカッコイイ(笑)
しかも歌が!上手い!こういう歌い方が出来るのはもしや・・・
はい、真風君は踊りに専念。その下手側にいる礼真琴君が普通に一緒に踊りながら歌っていました^^
礼真琴くんファンとしては美味しい場面。あ、真風くんも好きなので、結局、この場面楽しかったです

3)ロケット

ロケットボーイ紅くんも良かったですけど、今回のロケットはレベルが高かった!
ピンクのオーソドックスなお衣装も良かったですけど、現役若手星組男役スター多数参加により、ホントに目が足りない!結果、他をあきらめて、礼真琴くん(センター)の男役メイクのままでのピンクダルマの素晴らしい脚上げっぷりを堪能致しました。
最初、なかなか見つけられない・・とぼやいたら、センターに選抜隊が一列の定位置に戻るとき、他の長身の子たちはセンターにすんなり戻るのだけど、ちょっと小柄な礼くんは急いでちょっと下手寄りの位置に走る、と聞いてからわかるようになりました(笑)真ん中を高く、徐々に低く・・・のなだらかな並びになっていますものね^^;

4)大階段

ここはもう最高で・・・ホントに好きです。
あまりに星組に似合いすぎていて、ここを観ると今までの不満を全て忘れ去って、
「本当に素晴らしいショーだった、稲葉センセイ、今回もありがとう」という謙虚な気持ちになれます^^;

ねねちゃんがふんわりとしたプリーツの肩だしキャミとロングスカートのオレンジの衣装で階段上から登場するのですが、パッと引き抜きでゴールドのホットパンツとビスチェ型のキャミソール姿になるのがたまりません。
柚希さんはゴールドスーツにオレンジのVゾーン、ネクタイもキリッと締めていて、他の男役さんたちはゴールドのスーツにVゾーンを深く開けた黒シャツで、これがまたカッコいい!!

5)デュエットダンス

と、興奮したところで、ちえねねコンビのデュエットダンス。
ローズピンクのゼブラ柄のスーツの柚希さんに、フラメンコ衣装のような、裾に黒レースとフリルでボリュームを出したねねちゃんのバランスが素晴らしく、2人にぴったり。
お衣装が本当に似合っているだけでなく、振りが、コケティッシュにかわすねねちゃんと微笑みを交わしながら・・・のお互いを信頼してリラックスしきっている今の星のTOPコンビだからこそのツンデレデュエダンで
お衣装の裾さばきも完璧で、今なら、パタ・デ・コーラのフラメンコ衣装の「激情」のカルメン役を完璧に演じられるだろうに・・と今の夢咲嬢での再演を夢見るわたくしでした・・・

色々と文句を垂れつつも、最後は笑顔でたくさんのエネルギーをもらって帰れるのが星組の魅力、でしょうか・・・

今日のさよならショー、長きにわたって星組を支えていらした涼さんの観納めですね。
ご本人にもファンの方にも悔いのない素晴らしいショーでありますように・・・




宝塚星組 「ダンサ・セレナ―タ」 東京宝塚劇場

2012-08-05 07:32:54 | TAKARAZUKA
今日は東京公演千秋楽ですね。

今日から、ようやく世界バレエフェスティバルAプロに参戦(笑)しますので、
千秋楽には行けませんが、今回の星組は3回観劇して、観れば見るほど好きになるという・・・。
芝居もどんどん深まっていったように思いますし、ショーも最初は微妙に思えたお衣装も、
ヘアスタイルやメイクのアレンジもこなれてきたせいか、どんどん着こなしてステキになってきた気がします^^
(根っからの星組好きなので、贔屓目大いに入っています、きっと



「ダンサ・セレナ―タ」 作・演出 正塚晴彦

正塚作品・・・と言えば。
名作「愛するには短すぎる」を除けば、
・ 中南米のどこかの国。旧宗主国と植民地の政治的な対立が背景。
・ ゲリラ、地下活動、独立運動
・ 秘密警察、公安、スパイなど
・ タンゴ
・ オトコ二人のモノローグ
・ 恋愛度は薄め。
・ 娘役のタメ口。(「~だよ」)
・ 男役のカラースーツ
・ 暗い照明
・・・というイメージです(笑)。
今回の作品も全て網羅されていましたが、
やや恋愛色もあり?そして、主人公がショーダンサー兼振付家という設定ゆえ、
ダンスチームが充実している分、組子の皆さんのお顔も観られ、ダンス場面が多くて華やか。

バウ作品か!?と酷評されていた「ロジェ」や「マリポ―サの花」に比べると、
大劇場仕様になっていましたし、もともと正塚芝居やその世界観が嫌いじゃないわたくしにとっては
寧ろ心地よく、今回は星組子たちの熱演もあって、観て楽しめる舞台に(特に東京公演後半)なっていたのでは?と思います。

主人公イサアク(柚希礼音)に絡むヒロインが2人。

彼の回想(髭をつけて、廃墟となった昔のショークラブを訪れる)から
10年前の思い出が蘇る・・・というプロローグ。

ダンスショーが売り物の高級クラブ ルナ・アズ―ル。
新作を発表してからも決して満足することのないダンスの虫、イサアクのダンス・パートナー、アンジェリ―タは元恋人。ダンスと自分しか愛せないイサアクに見切りをつけつつも彼の才能を認めているアンジェリ―タ姐さん(白華れみ)がまずヒロインその1。

新作のショーのためのオーディションに、友達リタ(早乙女わかば)の付き添いで来た黒塗りの美女モニカ(夢咲ねね)。彼女の才能を見抜き、抜擢するイサアク。
アンジェリ―タが怪我をして、急遽見事に代役を務めたモニカ。
その後もモニカをパートナーに、ますます良い作品を生み出すイサアク。
モニカはヒロインその2にしてミューズですね。

しかし、彼女には独立運動のために、植民地で脱獄、宗主国に渡って活動を続ける兄アンジェロ(十輝いりす)が。
酒場で兄との密談中、兵士たちに絡まれているのをイサアクに助けられる、という前振りもありますが、兄が秘密警察に捉えられたあと続けて拘束されたことをリタから聞かされたイサアクは、自分だけしか愛せないオトコだったはずなのに、モニカのために奔走します。

軍部と裏取引をしてアンジェロを奪還、モニカをマルセイユの友人に託すべく港に向かうと、
そこには酒場での出会いから、一方的に親しみの情を示して絡んでくる秘密警察の男ホアキン(紅ゆずる)が。
しかし、その直前にクーデターが成功していて自身の行動が無意味であることを知るホアキンは銃を手にするも、あえて的を外す。

・・・そして10年後、で冒頭に戻るラスト。
怪我をしたアンジェリ―タを陰で支えていた物静かなバーテン、ジョゼ(涼紫央)がひそかに2人にルナ・アズ―ルの取り壊しを知らせる手紙を出して、再会をお膳立て。
その場にいた管理人の老人が手紙を見て事情を説明。彼とアンジェリ―タが結婚したということも匂わせる。
父の農場を手伝って、時折1人で踊ることもある、というモニカ。
これからは2人で踊ろう・・・とダンスで幕。

というのが主となるストーリー。
ちょっと軽い笑いを取る弟分的な2番手ダンサー ルイス(真風涼帆)の駆け落ち騒動のサブストーリーもあって、そこは3番手スターの見どころを作らねばという正塚先生の配慮と、それに応えて客席を沸かせる真風のスター性を再確認。クールなイサアクにいっぱいいっぱいで説明をするところや、戻ってきてダンサー復帰できるかの不安を団員たちにいじられるところなど、ちょっとへタレキャラな持ち味が活きていました。
そして真風の駆け落ち相手、貴族令嬢カロリーナに綺咲愛里ちゃん。バウ公演「天使のはしご」では2番手格の夢乃聖夏ちゃんの相手役、そしてここ大劇場でも3番手真風の相手役と、着実に良い役づきを得ていますね。

人間関係の絡み的には、イサアクが、超人的に個人主義で、過去があって腕っぷしも強くリーダーシップも取れる、というスキのないキャラクターの割に、独立運動にも関心が薄く、かといってダンスに全てを賭けている割にその後の活躍も描かれていないので、色々と物足りない部分がありますが、
男役・娘役ともに濃い、星組スターの個性と、ダンスシーンの華やかさが全ての不満を凌駕して、あぁ良い作品だった・・・と思わされてしまう・・・星組マジックでしょうか??

あとは個別に感想を。


■イサアク(柚希礼音)
主人公。
先にも書きましたが、クール過ぎて、周りにあまり関与していない人。
ダンスについては始終そのことを考えていて、彼にとっては「生きること=踊ること」、それが
本能に染みついているという人間像なのかな?と。
彼女のことを知りたい、という質問も「どこで踊りを習った?」ですからね^^;
モニカとの恋愛シーンも、何を語るでもなくいきなり「俺と踊れ」=察してくれ的な・・・。
それはそれで舞台らしい洗練させた恋愛表現で良いのですけど。

小さいころからタップを仕込まれて旅芸人一座で育った苦労人。
両親を亡くして更なる苦労。マルセイユで人を殺して流れてきた・・・という設定。
舞台は多分スペインあたり?
髭の叔父様風味がお似合いでした。
そういえば、礼音くんって2番手時代、若いころの方が、こういう大人で悪くて強い役をすんなり演じていた気がします。
ロミジュリ以来、若くてまっすぐでカワイイ役が増えましたから忘れていましたけど^^;
ダンスシーンでもれなくレミちゃんかねねちゃんを相手にガンガン踊ってくれるの姿は流石の一言。
特にねねちゃんのCUTEな表情と呼応する笑顔が絶品。
力強くて陽性のスターさんがセンターを務めるのってやっぱり安定感があっていいな、と思いました。

■モニカ(夢咲ねね)
父は宗主国の出でプランテーション経営の植民地の上流階級出身。
バレエを習っていた。裕福な暮らしをしていた感じ。
父から、社会情勢がきな臭くなってきたので、ロンドンにでも留学なさいと言われて、父親の故郷を観ておくのも良いかな、と引っ越してきたお嬢様。
兄はがっつり独立運動の志士、という感じでしたけど妹はノンポリですね。
ダンスも才能がある!と言われても、責任感で努めてはいるが彼女自身の覚醒があったわけでもなく・・・。
でも、帰国してからも思い出して踊っていた、というのは、やっぱり素質はあるのですね
そんなライトなお嬢様にも関わらず、しっかりとヒロインに見えるのは、
夢咲ねねちゃん本人のスタイルの良さ、黒塗りの似合うエキゾチックな美貌(ちょっと意外でした。カワイイタイプのお顔なので、黒塗り??って。でもお似合いで美女度もUP)ゆえ。
正塚作品にありがちな難しいクラシカルワンピースを着こなすセンス(螢光黄緑のレース長袖の膝丈シャツドレス、なんて、普通ならムリ)も素晴らしい。
ショーのタンゴっぽい臙脂のシンプルなストラップドレスも普通なら地味になりそうなのに・・・・をことごとく美脚と美貌で、魅せ切ってくれました。

■アンジェリータ(白華れみ)
今回で退団なのですよね・・・涙
ねねちゃんと同期で娘役1、2を務めてきた人。
このところ、はじけたカッコよさを表現できるようになってきて、スタイル抜群のねねちゃんともども、
添え物的になりがちな娘役だけのシーンを格段にPOWER UPしてくれていて、星組の熱さをいい形で後押ししてくれる貴重な存在だったのに・・・。
ルナ・アズ―ルのTOPスター。リーダーシップも自覚もバッチリ。
イサアクの元カノですが、実生活のパートナーとしては見限っているものの、彼のダンスの才能は認めているという。
モニカのうっかりが原因で怪我をした時も、変にひがんだりモニカを糾弾するのではなくて、厳しいけど気風の良い姐御肌の女性。
怪我から復帰してモニカの穴を埋めるルナ・アズ―ルラストのショーで円陣を組んで、ダンスチームを引っ張るところも、オーシャンズのクイーン・ダイアナを人間的に成長させたような人物で。
親切なジョゼにも容赦なく、付け入る隙を与えないようでいて・・・
車椅子で登場するシーンでは、秘密警察に連行されたモニカについて無責任なことを言うマネージャーを烈火のごとく糾弾するとともに、車椅子を1人で爆走させるのが、凄かった。
アンジェリ―タの一本気なところと真っすぐな気性の激しさが良く出ていたと思います。
れみちゃんの芝居はちょっとやり過ぎなくらい熱いのが持ち味で・・・。
星組初登場の「リラ壁」では紅君の車椅子をしずしずと押している貞淑な看護婦さん。
まだネコかぶってました(笑)
その紅君初バウ主演の「メイちゃんの執事」では、執事真風を従えて車椅子で君臨する学園の女王ルチア様。
若手中心のバウ公演でマンガ原作のファンタジーに確かな芝居とオ―ラで世界観を支えていたなぁと。
宝塚一の車椅子女優れみちゃんFOREVER.

■アンジェロ(十輝いりす)
我が(笑)宙組からの組替・・・ということで、星でどう見えるのか、馴染むのか浮くのか・・・
大変気になっていたのがまさこさま(十輝)。
モニカのお兄さん。
独立運動のリーダー。上流階級の若者にありがちな^^;
ホアキンに目をつけられて、彼の計画自体はつかまって頓挫した上に拷問されて。。。
でも、その拷問にも耐えて、結局は独立を成し遂げた祖国でしっかりとリーダーシップを取っているらしきその後も 妹の口から明かされて。
混乱の時代に流されず、一番しっかりと信じた道を歩む人物設定ですね。
もっとイサアクと絡むところがあれば、2番手しても良いお役かも。
植民地からの活動家で黒塗りと聞いて・・との黒髪のパーマヘアがエキゾチックな美貌に映えてお似合い。
もっと言うなら、黒塗りねねちゃんとのスラリとした兄妹っぷりのバランスが完璧。
なんて綺麗な兄妹なんでしょう!
そういえば、宙組を見始めた頃、たくさんいるらしき路線の中ではまさこさまが美しいと思う、と発言して宙ファンの失笑を買ったことを思い出しましたが(色々と芸達者さんが多い中、おっとりキャラの彼女は出来ないコ認定だったらしい^^;)体格の良い人も多い星組にあって頭一つ高く、首が長くてスタイルが良く、端正な目元にワイルドな口元のラインの彼女は、やっぱりカッコイイですね。リアル外人男性、な感じです。
星組に来てくれてありがとう!(そして宙担としてはちょっと惜しまれますね・・・><)

■ホアキン(紅ゆずる)
秘密警察の上級職。
大人な役どころです。
「それが仕事だ」と反論を封じるが、自分自身の信念はまた別、という大人の事情を抱えているらしき二ヒルなオトコかと。自分の夢や信念に向けて突き進む、アンジェロやルイスと言った若者たちと対立する酸いも甘いも噛み分けた大人な役どころ。
そこが、イサアクに「われわれは意外と似ているのかもしれんな」とたびたび示す、一匹狼で周囲から距離を置くイサアクへの共感につながるのかも。
と、作品の中でのこの役を分析してみましたが、紅さんから受ける印象はまた別で^^;
ちょっとイサアクに興味を持ってやや粘着気味に主人公に絡む、長いものに撒かれる自分を持て余す迷えるエリートという感じでしょうか。
三つ揃えの背広を脱いでのイサアクとの格闘?シーンではあっさりと素のイサアクに負けてしまい可哀そうでした^^;
しかし、今回の立ち回りはゆるゆるでしたね。
ネコパンチ、と言われていたとか^^;
レオンくんとの立ち回りと言えば、「愛と青春の旅立ち」のフォーリー軍曹(凰稀かなめ)を思い出しますが、あの時は格闘の専門家がついて御指導があったとか・・。今回の御指導は正塚センセイですしね^^;


■ジョゼ(涼)
ルナ・アズ―ルのバーテン。
バ―テンと言えば、バーテンチーム4人が並ぶときに一番下手にいる夏樹れいちゃんが前髪降ろしてとっても可愛いのですけど(毎回ガン見)。
密かにアンジェリータのことが好き。チャンスをうかがうけど、ほとんどキツクあしらわれてしまっている。
彼女が怪我をして、でも責任感から意地をはるところだけは、強く彼女をいさめて男気を感じさせる。
他にも、モニカの窮地で皆が混乱する中、冷静に助言をしたり、大人で物分かり良く、包容力もある男性・・・ということで、優しく品の良い「良い涼サン」でしたが、ちょっと比重が軽くて、同じく退団公演になるれみちゃんとも差があってちょっとかわいそうでした。

■ルイス(真風涼帆)
イサアクのダンスチームの2番手ダンサー。
本筋と全く関係なく、コメディ担当のような感じのエピソードとともに登場。
この恋に賭ける!的なまわりが見えていない若者で、イサアクはそれも全てわかっていてはいはい、と受け流してる感じ。
身分違いの恋で駆け落ちまでするが、お嬢様に耐性がなく、破綻。
事情を話して離脱したチームに舞い戻り、言い訳を考えるところ、衣装をつけて、と団員に言われて
俺の居場所があるの?と喜ぶも、ドアマンよ、といなされて、オタオタするところなど、しっかりと笑いを取ります。
間の取り方も上手い。こういう持ち味があるのか・・・とこのところ演出家陣がこぞってへタレキャラを振るせいか、そのベクトルへの適応っぷりがもう職人芸的に上手くなってきたので、今度は普通にカッコいい役も振ってあげてください(笑)

■リタ(早乙女わかば)
モニカのルームメイト。空気の読めない美少女。
いつもいっぱいいっぱいで、一生懸命だけどなんとなく空回りしてしまう女の子。
落ち着いて大人っぽいヒロインモニカの引き立て役ですが、元気いっぱいに演じていて、笑いも取れて憎めない可愛さのある役でした。
次にはわかばちゃんが2番手娘役として、ねねちゃんの隣に来るのでしょうね。スタイルはねねちゃん>わかばちゃんですが、今でこそTOP娘役オ―ラのすごいねねちゃんも、、可愛いだけで大丈夫??な時代がありましたから、わかばちゃんも持ち味を活かして伸びて行ってほしいデス


正塚芝居なので、きら星のごとく・・・の星組自慢の若手スターたちは、イサアク・ダンス・チームに見事に吸収されてしまっていました。
あ、あとアンジェロの革命家の仲間とか。
でも、その分ダンスシーンが豪華でしたね。
しーらん(壱城あずさ)もレンタくん(如月蓮)もがっつり踊っていて、この2人は、アンジェリ―タの受難時、男パート、女パート、そしてカップルでのフィナーレ、という流れのショーで、相手役が来ず、慌てて2人で組んでやり過ごす。。。というところをキッチリと慌てながらも乗り切る演技、で見せてくれました。
このところ、歌に踊りに大車輪で使われていたおきにいりの礼真琴くんはダンスチームでは学年相応の後ろの方で踊っていて残念。
その分、アンジェロ兄妹に絡む兵士たちが、礼君、十碧れいやちゃん、ひろ香祐くんと個性派揃いで^^
個人的な見どころでした^^
ひろ香くんはコメディと力持ち役。
十碧れいやちゃんは勿体ない感じもしますが、認識してもらえる場面に出してもらえるだけ美味しいと見るべきか。
礼くんは、もとから眠そうな大きな目が特色なので、眠そうな酔っ払い演技のお顔がナチュラルでした^^
こういうどうでもいい場面で楽しめるのが贔屓組公演の楽しさでもあります・・・