ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

東北大学のご担当教授から、「臨床宗教師」という役割をお伺いしました

2016年05月20日 | 日記
 先日、ある集まりで、東北大学大学院文学研究科の実践宗教学寄付講座のご担当の教授から、「臨床宗教師」という役割などのお話をお伺いしました。

 以下は、そのさわりです(詳細については、どこまで公表できるかどうかを判断する手だけがないからです)。

 東北大震災の後に、震災の被災地や医療・福祉現場で関係する人々に、支援の輪として宗教者が加わり、“心のケア”の一端を担い始めたのだそうです。

 宗教の枠を超え、仏教の各派、キリスト教各派、最近はイスラム教の宗教師が協力し合っているそうです。

 この活動は、先日起こった熊本・大分地震でも、既に対応しています。

 その活動を伝える朝日新聞紙(2016年5月9日発行の夕刊の一面です)です。

 朝日新聞紙のWeb版である朝日新聞 DIGTALでは、見出し「被災の痛み、話してほしい 『臨床宗教師』各地から 熊本地震」と報じていました。



 不幸にして大規模な震災が起こった場合に、その3カ月以内での“心のケア”が必要とされ、重要になるそうです。お亡くなりになった方のご遺族や、住む家が無くなって途方に暮れている方に、宗教者として寄り添うことを目指しています。

 この宗教者による“心のケア”は1995年に起こった阪神淡路大震災をきっかけに高まり、2011年3月の東日本大震災では多くの死者と被災者を前に、“心のケア”が必要とされました。

 震災直後から、死者の弔いが急務となり、宗教者としての務めが増えました。仙台市周辺の宗教者有志と医師が「心の相談室」を設けて、弔いから心のケアを一貫して実践されたそうです。

 こうした経緯から、東北大学大学院文学研究科の実践宗教学寄付講座が2012年4月に設置され、「臨床宗教師」の研修プログラムが1年間に2回、実施される仕組みができました。

 日本には、龍谷大学、鶴見大学、種智院大学、高野山大学、武蔵野大学などの仏教各派の大学、上智大学などのキリスト教系の大学などに、東北大学の研究プログラムが移植されているそうです。

 東北大学だけが各宗教・宗派から独立した存在なので、宗教・宗派を超えた「臨床宗教師」の研修プログラムを提案できたそうです。

 これからは、大震災だけでは無く、超高齢多死社会を迎える日本で、宗派を超えて「臨床宗教師」の役割が大きくなるとのことでした。