仙台市青葉区の東北大学百周年記念会館川内萩ホールで開催された、あるシンポジウムの特別講演で「オープン&クローズド戦略思想」というお話を伺いました。
このご講演は、東京大学政策ビジョンセンターの小川紘一さんがお話しされました。
この講演内容は、最近の日本企業の多くが製品を市場に出しますが、事業面では苦戦することが増えている理由を解説するものです。
たとえば、10年ほど前には、日本の大手電気メーカー各社は携帯電話機で事業利益を上げていました。日本国内向けに高性能な携帯電話機を次々と販売し、売れて利益を上げていました。
ところが、米国アップル(Apple)社がスマートフォンの「iPhone」を市場に投入しました。2008年6月に米国で「iPhone 3G」が発売され、たちまち日欧米などに普及しました。
小川紘一さんは、アップルが「iPhone」で切り開いたスマートフォン市場に、こんどは米国グーグル(Google)社がアンドロイド(Android)OSを無料で開放し、韓国のサムソン電子などがスマートフォンに採用し、事業化します。
この際に、日本の大手電気メーカーは、日本国内専用の仕様の携帯電話機(通称、ガラパゴス携帯)に固執し、日本市場を守ろうとします。
結果は、スマートフォンが日本国内専用の仕様の携帯電話機を圧倒します。ここで大事なことは、米国アップルは自分ではスマートフォン「iPhone」を製造せずに、あの最近有名になった台湾の鴻海精密工業に製造を委託します。
その代わりに、アップルは、ユーザーインターフェースとiOS、デザインなどの特許権や意匠権などの“革新部分”のコアの知的財産をクローズドで徹底して守ります。
逆に、利用する部品(一部はアップルが独自に設計した部品)を“オープン”化します。まさに、オープン&クローズド戦略です。
自社の強みは何かを日本の大手企業の幹部にたずねると答えられない方が多いそうです。日本企業の多くは独自の高性能製品を市場に投入することが事業と考えています。
製品も複雑化し、自社ですべてをカバーすることはできなくなりつつあります。特に、ソフトウエア・アプリケーションなどに弱い、あるいは汎用化できない日本企業は手詰まり感があります。
小川さんは、日本の有力企業の多くは自社と関連企業のコア領域と非コア領域を決められない、グループ間で共有できない、そして「クローズド領域を守ったうえでのオープン化ができない」と指摘します。
これから本格化するIOT(もののインターネット化)では、欧米企業はオープン&クローズド戦略を進めています。
日本企業は個々の技術開発に手一杯で、オープン&クローズド戦略を策定できていません。これによって日本企業は困った事態に追い込まれると警告を鳴らします。
緑豊かな青葉山の麓に立つ東北大学百周年記念会館川内萩ホールです。
ここは、音楽会場として高い性能を持つ会場を内部に持っています。
その近くにある、仙台城の大手門(戦後に再建)の周囲も、濃い緑に覆われています。
仙台城(青葉城)を持つ青葉山はもう夏景色です。
このご講演は、東京大学政策ビジョンセンターの小川紘一さんがお話しされました。
この講演内容は、最近の日本企業の多くが製品を市場に出しますが、事業面では苦戦することが増えている理由を解説するものです。
たとえば、10年ほど前には、日本の大手電気メーカー各社は携帯電話機で事業利益を上げていました。日本国内向けに高性能な携帯電話機を次々と販売し、売れて利益を上げていました。
ところが、米国アップル(Apple)社がスマートフォンの「iPhone」を市場に投入しました。2008年6月に米国で「iPhone 3G」が発売され、たちまち日欧米などに普及しました。
小川紘一さんは、アップルが「iPhone」で切り開いたスマートフォン市場に、こんどは米国グーグル(Google)社がアンドロイド(Android)OSを無料で開放し、韓国のサムソン電子などがスマートフォンに採用し、事業化します。
この際に、日本の大手電気メーカーは、日本国内専用の仕様の携帯電話機(通称、ガラパゴス携帯)に固執し、日本市場を守ろうとします。
結果は、スマートフォンが日本国内専用の仕様の携帯電話機を圧倒します。ここで大事なことは、米国アップルは自分ではスマートフォン「iPhone」を製造せずに、あの最近有名になった台湾の鴻海精密工業に製造を委託します。
その代わりに、アップルは、ユーザーインターフェースとiOS、デザインなどの特許権や意匠権などの“革新部分”のコアの知的財産をクローズドで徹底して守ります。
逆に、利用する部品(一部はアップルが独自に設計した部品)を“オープン”化します。まさに、オープン&クローズド戦略です。
自社の強みは何かを日本の大手企業の幹部にたずねると答えられない方が多いそうです。日本企業の多くは独自の高性能製品を市場に投入することが事業と考えています。
製品も複雑化し、自社ですべてをカバーすることはできなくなりつつあります。特に、ソフトウエア・アプリケーションなどに弱い、あるいは汎用化できない日本企業は手詰まり感があります。
小川さんは、日本の有力企業の多くは自社と関連企業のコア領域と非コア領域を決められない、グループ間で共有できない、そして「クローズド領域を守ったうえでのオープン化ができない」と指摘します。
これから本格化するIOT(もののインターネット化)では、欧米企業はオープン&クローズド戦略を進めています。
日本企業は個々の技術開発に手一杯で、オープン&クローズド戦略を策定できていません。これによって日本企業は困った事態に追い込まれると警告を鳴らします。
緑豊かな青葉山の麓に立つ東北大学百周年記念会館川内萩ホールです。
ここは、音楽会場として高い性能を持つ会場を内部に持っています。
その近くにある、仙台城の大手門(戦後に再建)の周囲も、濃い緑に覆われています。
仙台城(青葉城)を持つ青葉山はもう夏景色です。