ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

ミステリー作家の伊坂幸太郎さんの最新作「サブマリン」を読み終えました

2016年05月26日 | 
 人気ミステリー作家の伊坂幸太郎さんの最新作の単行本「サブマリン」を読み終えました。

 この単行本「サブマリン」は、2016年3月30日に講談社が発行しました。



 一度、東京都内の大型書店店に単行本「サブマリン」を購入に行った時は、見つけられませんでした(売り切れか、未納かは不明です)。

 この「サブマリン」の主人公は、家庭裁判所の調査員の陣内さんです。日ごろ、屁理屈を連発して周囲を苦笑させる陣内さんとチームを組むことが多い武藤さんが進行役です。

 家庭裁判所の調査員の陣内さんたちは、事件を起した“少年”の更正に向けての保護観察などを担当し、“少年”たちが事件を起した動機などを推察します。

 今回、陣内さんと武藤さんたちの3人は、盗難車を無免許運転して、人をひき殺した少年の棚岡祐真(たなおかゆうま)を担当します。

 ここまでが前段です。今回の単行本「サブマリン」は、いろいろな事件などが絡んでいるエピソードが起こる話の積み重ねです。

 一見、関係ないエピソードの動機や行動などを、ひも解いていくと、ある事実が分かるというストーリーです。この一見、何気ない軽妙な会話のやりとりが繰り返されるエピソードの関係性をひも解いていくストーリーは、伊坂幸太郎さんの熱烈なファンが好む構成です。

 逆にいうと、伊坂幸太郎さんのファンで無い方は、訳の分からないエピソードの積み重ねで、面白みが感じられないと思います。

 この単行本「サブマリン」は、7年前に上梓された「チルドレン」の続篇のようなものです。「チルドレン」で描かれた、一見関係ないエピソードが次第につながっていく面白さを感じた方には、待望の新作です。

 以下は、ネタばらしです。

 今回、盗難車を無免許運転して事故を起し、人をひき殺した少年の棚岡は、実は小さい時に両親が交通事故で死亡し、さらに小学生の時に仲良し3人で歩いていた時に、暴走した車に3人の中の一人がひき殺された経験を持っています。

 こうしたことが次第に明らかになるストーリーです。こうした関係性が分かるまでは、何が面白いのか分からないように、さりげなく描かれています。

 各エピソードのジグソーパズルの“ピース”がきちんとはまるまでは、訳が分からない感じです。

 盗難車を無免許運転して、人をひき殺した犯人である少年の棚岡祐真は、救いようのない“極悪”事件を起したために、ネットなどでは厳しい厳罰を課すようにささやかれています。

 この少年の棚岡祐真の両親が亡くなった交通事故を起した、当時の“加害者”の若林青年が登場し、この単行本のストーリーはどんどん進みます。

 この単行本の最後に明らかになる、何を意味するのか分からないエピソードは、棚岡祐真が事故でひき殺した男は、ある種のテロを起そうとしていた凶悪犯になる予定だったとのことです。

 何事も一寸先は“闇”のようです。

 この単行本「サブマリン」を面白いと感じる方と、訳の分からないストーリーと感じる方に分かれそうです。

 今回のあらすじ紹介には、主要な登場人物を網羅しては、ご紹介していません。主要な登場人物はいろいろなエピソードを起こします・・。

 なお、ミステリー作家の伊坂幸太郎さんが、この単行本「サブマリン」を書いた動機らしいものを語るインタビュー記事を読んだ感想は、弊ブログの2016年5月14日編をご参照ください。