ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

朝日新聞紙の見出し「情報の海 泳ぎ切れるのか」を拝読ました

2017年01月10日 | 日記
 2017年1月9日に発行された朝日新聞紙の朝刊一面に掲載されたコラム「我々はどこから来てどこに向かうのか 情報社会」の見出し「情報の海 泳ぎ切れるのか」を拝読しました。

 そのコラムのリードには「ネットでつながった世界を、いまだかってないほど膨大な量の情報が飛び交っている。広がり続けるその海を、私たちは泳いでいけるのか」という問題提起が載っています。

 そのコラムの見出しを朝日新聞紙のWeb版である朝日新聞 DIGTALも載せています。



 このコラムの冒頭は、最新の洗濯機を購入しようと、家電量販店に行くと、最新の洗濯機の宣伝文句として洗濯方式だけでも「ナイアガラ洗濯」「サイクロン洗濯」などの理解できない文字が躍っているという体験談から始まります。

 この洗濯方式の違いが分からないからと、スマートフォンを取り出し、家電の口コミサイトのWebサイトの「価格com」を調べると、それぞれの方式に100人以上の個人が感想を寄せていて、全部を読み切れない。さらにその感想を理解できないと伝えています。

 ここでの問題は、自分が分からない言葉を、多くの不特定多数の意見から判断の手がかりを得ようとする“情報リテラシー”以前の問題です。

 最近の技術を情報収拾・分析・解釈しないで、曖昧な多数決の声で得ようとする姿勢です。“情報リテラシー”そのものも努力しないで、理解はできないからです。

 このコラムは長く、3面の最初に続きます。

 そして、「情報の海が荒れ狂っていることを思い知らされたのが、昨年の米大統領選挙だ」と解説します。

 「ローマ法王がトランプ氏を支持」などのデマが飛び交って“偽ニュース”への批判が高まったそうです(事実検証していません)。

 事実よりも感情が重視される風潮をやゆし“ポスト感情”という言葉ができているそうです。

 米国IT(情報技術)企業のEMCによると2013年に4兆4000億ギガバイトだった世界のデジタル情報量が2020年には10倍の44兆ギガバイトにまで増えると予想しています。

 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス、Social Networking Service)などの個人が発信する画像やメールが爆発的に増えると同時に、監視カメラや各種センサーなどのモノや人の動きを把握してデータ化し、通信するIOT(モノのインターネット)の情報量が増えていくからです。

 昨年夏に死去した米国の未来学者のアルビン・トフラー氏は「2050年の世界を予測し、情報の寿命が短くなり、無用になるスピードが増す」と解説していたそうです。

 情報量が雪だるま式に増える現在、「自分で選択し判断できる『自律した人間』が難しくなりつつある」と、関西大学のメディア哲学が専門の准教授は指摘します。

 さらに、別の大学の情報思想史が専門の教授は「最終的には人間が決めるという前提で、人工知能(AI)にある程度、情報を取捨選択してもらうことも可能」と予測します。

 増え続ける情報の海に、人類はおぼれる日が近いような気がします。小さい内から“情報リテラシー”を学ぶ重要性を考えさせます。